部活動

山岳

雪上歩行訓練に行ってきました(山岳部・2024/3/10)

例年以上に降雪のない日々が続く中,3月になってやっと雪が降りました。それを受けて雪上歩行訓練を実施することができました。

宮城県の山は4月以降になっても雪が残ります。例年の蔵王の場合,5月末まで雪が残る箇所もあり,春山であっても場合によっては雪を踏む状況が想定されます。そのためこの時期の雪のある山では山頂を目指すことはせず,手頃な登山道・雪原などでワカン歩行(和かんじきを着用した歩行)の実践,斜面を利用した滑落停止訓練を行っています。

ワカンの着脱から始まり,ストックを併用したラッセル歩行は生徒にとっても初めての経験でした。

滑落停止訓練は,万一斜面を滑って転倒した時を想定し,うつ伏せになってひざ・肘を立てる基礎動作の確認を行いました。

雪と戯れながら,雪上を適切に歩く基礎技術の習得を図ることができました。

訓練登山に行ってきました(山岳部・2024/3/3)

山岳部の冬の山行は,雪上歩行訓練のほか歩く感覚を忘れないために,雪のない里山を中心に山行を実施しています。

岩切駅集合,その後県民の森にある高森山・百人山を巡り,徒歩で県民の森を歩きました(歩行距離13.6km)。

山岳部の活動概要

山岳部雪上歩行訓練・泉ヶ岳兎平付近の一コマ

(山岳部雪上歩行訓練・泉ヶ岳兎平付近の一コマ)

山岳部がこれまで行ってきた山

岩手山・二ツ箭山・磐梯山・栗駒山・船形山・泉ヶ岳・北泉ヶ岳・鹿狼山・不忘山・白沢五山・蕃山・太白山・早池峰山・鳥海山ほか多数

山岳部の普段の活動

 現状,火曜日はオフにしています。土日は山行のための貴重な日になるため,山行がなければ土日もオフになります。また,悪天が予想される場合は早めの判断をし,無理をしない山行を心がけています。

 平日に山に行くことはできないので,平日は学校で体力維持のために筋トレやランニング,ザックに重い荷物を入れて階段を昇降する歩荷(ボッカ)訓練,天気図作成の練習,装備の点検・整理や補修を実施しています。天気図作成は先輩から習うことで,全くかけなかった1年生も驚くほど上達しており,その成果として多賀城高校はかつてのインターハイや県総体・新人大会の天気図審査で最優秀の得点を取るほどで,高く評価されています。

 土日祝日が山に行くメインの日にちとなりますが,泊まりの場合金曜日放課後から土曜日にかけての宿泊山行,もしくは土曜日午後から日曜日にかけての宿泊山行になったりします。もちろん,土曜日のみ日帰りや日曜日のみ日帰りのパターンもあります。

 泊まりの場合,本校セミナーハウス前でテント泊の場合もあれば,白石市の国立南蔵王野営場でのテント泊,各地の山中にある山小屋(例:岩手山八合目避難小屋等)などを使っており,宿泊に際しての食糧・ガスや食器等も自分たちで適宜メインザックに詰め込んで,自力で背負っていきます。

 

月ごとの活動一覧(おおよその目安です)

4月:2・3年生は春休みから月末にかけて,里山を中心に歩いています。1年生は入学式を終えて部活動見学を経て,部登録の後に登山靴・カッパを購入します。信頼のおける用品店で購入されることをお勧めしております。できれば山岳部の先輩と一緒にお店に行ってアドバイスを受けながら購入されると良いです(お店によっては,頼まれないかぎりアドバイスをしない店もあり,見た目と安さだけで選ぶと,後日山中で足に合わず山行中に靴擦れを起こして登山行動に影響が出るなど,トラブルも起こりやすくなります)。

5月:5月の連休後に新入生歓迎登山を実施します。経験の豊富な2・3年生は以後総体の下見やそれと同等の山をほぼ毎週やります。5月後半の平日は後述の県総体に向けた計画書作成で総体参加メンバーは忙しくなります。1年生はそれを見つつ,夏山合宿に向けて少しずつ体力を向上させるべく歩荷練習やランニングをします。

6月:県総体(2泊3日)ですが,終了後すぐに定期考査があります。県総体で優勝・準優勝の場合は6月後半に東北大会があります。新旧体制の入れ替えはこの時期です。

7月:1年生向けの高体連行事「新入部員講習会」があります。県総体で優勝した場合は,ここでインターハイ強化合宿となり,インターハイへの準備を着々と進めていきます。また,後半には夏山準備登山などをして,暑さの中でも山行できるよう少しずつ体を慣らしていきます。

8月:インターハイ出場を果たした場合はこの時期に実施されます。8月は夏山合宿がメインです。1・2年生の行ってみたい山があれば,ぜひそこを狙いましょう。令和5年は岩手山に行ってきました。月末には新人大会の下見を入れます。

9月:考査が終わったら,一気に新人大会の準備へ取りかかり,計画書作成に勤しみます。もちろん,休みの日は下見山行となります。

10月:県新人大会(2泊3日)。それが終わったら山は一気に冬に向かうため,秋山合宿(1泊2日)でやります。紅葉も一気に押し寄せてくるので,時期を逃さず紅葉の中の山行を楽しみます。

11月:リーダー研修会(1泊2日)が実施されます。最近ではスマホを使ったGPSナビゲーション技術の講習なども行われています。11月後半からは定期考査です。

12月:山は雪になってくるため,蔵王などの標高の高い山頂を目指す登山は行わず,七ツ森(大和町)や鹿狼山(福島県相馬郡新地町),太白山・蕃山(仙台市)などの里山を巡って,歩行技術の維持向上,そして読図力の強化を目指します。

1月:雪が豊富になってくるので,泉ヶ岳スキー場の上部などで「わかんじき」を着用した雪上歩行訓練を実施します。あわせて,白石スキー場などを会場としたスキー訓練も実施します。未経験の人でも引率者が基礎から教えるので,滑れるようになります。最近ではほとんどが現地でスキーレンタルを利用しており,滑れる人はスキーを現地でレンタルしたのち,自分の技量の向上に自由に滑走訓練をしている生徒もいます。

2月:雪上歩行訓練・スキー訓練の絶好の時期です。

3月:雪も少なくなってくるので,里山で土を歩くことを繰り返して,4月以降の山行に驚かないよう少しずつ感覚を取り戻していきます。時間の取れる時期を利用して,気仙沼市唐桑半島の唐桑オルレなどにも遠征しています。春休み中にはクライミングジムでのクライミング講習会も実施されます。

 

山岳部の大会

大会は地区大会が存在しないため(県内で山岳部がある学校は少なくなりました),いきなり6月に県大会となります。10月が県新人大会となり,いずれも単なるタイムアタックではなく,総合力を競います。総合力とは,以下の項目を合算して競うものです。

・体力(登山に耐えうる十分な体力を有しているか)
・歩行(泥や岩場など,歩きにくい斜面で滑ったり転倒したりすることなくスムーズに歩行できているか)
・設営・撤収(宿泊山行におけるテント設営が10分以内に迅速・的確に完成させ,資材の破損や汚損をすることなく設営できるか)
・炊事(安全な火気使用・調理法の工夫がこらされているか)
・装備(チームで1つの共同装備,メンバー全員が各自持っているかを問う個人装備それぞれで問われる。例えばテントなら共同装備になり,ヘッドランプなら個人装備になる。指定されているものは防水処理をして,必要な物品を全てそろえて所持しているか)
・計画書(大会の登山計画をメンバー全員で分担し,求められる記載内容を全てクリアしているか)
・記録帳(登山行動中の気象変化や路面状況の変化,気温,植生や通過地点・時刻を記載しているか)
・医薬品(必要な医薬品を医療パックとしてきちんとまとめて所持しているか)
・気象テスト(気象学に関する知識…学習資料の内容をきちんと勉強してきているか)
・天気図審査(NHKラジオ第二放送の気象通報を聞いて,その場で天気図が作成でき,その天気図に対して解析ができて,自分のいる大会山域の気象予報が出せるか)


・医療テスト(学習資料の内容をきちんと勉強してきているか…熱中症・低体温症・火傷の処置等の知識を問う)
・自然観察テスト(大会山域に対する学習資料…植生・地質や地形の読み取りが問われる)
・定点(登山道中にぶら下がるフラッグのアルファベットを,配布された大会山域の地形図に記入することで,現在地を把握できるかを競う。10箇所近く競うので,これが取れると上位入賞が確実になる。普段の山行で読図の練習…尾根や沢をはじめとした地形を読む経験をいかに積むかが勝負。)
・マナー(集合時刻に遅れない・ゼッケンを付けているか・起床前行動をしていないか等)

 大会は男女それぞれ4人で1チームとなります。県総体は男女とも各校1チームずつ出場,県新人大会は各校のチーム数の制限はありません。

 山岳部のある学校は少ないため,メンバーがその気になって狙えば,県総体優勝,そして全国大会(インターハイ)を十分に狙えます。最近ですと,平成28年岡山インターハイ(男子),平成30年三重インターハイ(男女)に参加してきた実績があります。

 いずれの大会とも,大会前は安全登山の観点から下見に入ることもあり,ほぼ毎週のように山に入ることになります(5月連休明け以降・9月の考査前と考査後)。それ以外は月2回ほど(変動はあります)山に入る予定です。その他,適宜学校泊で設営・炊事訓練なども実施しており,その中で山での美味しい新メニュー開発に取り組む部員もいます。