国際理解プログラム

 世界で発生している災害を調べ,海外生活者や外国人の話を聞き,異なる文化や価値観をグループ学習やワークショップを通して理解し,東日本大震災の被災と復興の様子を発信し,防災・減災についての取組を共有します。このプログラムではJICAや国際交流協会などと連携協力しています。
 「防災・減災」というキーワードを通して,ユネスコスクール加盟校をはじめとした世界各国の人々とつながります。

国際理解プログラム

台湾防災ジュニアリーダー研修 交流会

2月1日(水)に台湾防災ジュニアリーダー(25名)と災害科学科2年生(14名)の交流会を,本校iRisHallにて行いました。両国の文化についての相違点・共通点を知るとともに災害に対する考え方や防災・減災についての取り組みについて理解を深めることができました。また,今回はコミュニケーションツールとしてICT(「多言語音声認識&翻訳」のアプリケーション)を活用しました。異なる言語を使用しながら円滑にコミュニケーションを取ることができ,地域に住む外国人との災害時の緊急を要するコミュニケーション手段としての可能性も実感することができました。

 

災害による被害を最小限に抑えるための「自助」「共助」「公助」の考え方が重要であるため,今回は「自助」に焦点を絞り,災害時に身の安全を確保して生き延びるための備えとして,どのような物品が必要かについてグループで話し合いました。 

「地域の実情を考慮してオリジナルの災害時持ち出し袋の物品を考えること」を目標に設定し,まずは日本と台湾の災害・生活・文化について情報交換しました。そうしてまとめた共通点・相違点を踏まえながら,非常持ち出し袋の物品にどのようなものを含めたいかを話し合いました。 

話し合いの中では気候による持ち物の違いや,家の中で起こりえることの想定にも違いがあり,今後の防災・減災の取り組みを考える上での新しい目線があるということを学びました。また,台湾で一般的な災害食を紹介してもらい,試食させてもらうことで食文化の違いについて理解を深めることもできました。

 

【グループワーク・災害食試食の様子】

「世界津波の日」2019 高校生サミット in 北海道 に参加しました。

9月10日(火)~11日(水)に「『世界津波の日』2019高校生サミットin 北海道」が,北海道立総合体育センターを会場に行われ,本校からは3名の生徒が参加してきました。事前には,本校が行っている,多賀城市内の被災地を歩く「まち歩き」に参加したり,八幡地区で,地元の方から当時の様子や被災状況を教えていただき,その後,八幡地区の施設に津波標識設置活動を行ったことを踏まえて,サミットに参加しました。

今年は「 “記憶を未来へ,備えを明日へ” 」~北の大地からイランカラッテ。自然災害の脅威と対応を学ぶ~」をテーマに,日本を含む世界44か国の高校生が参加しました。

1日目の分科会は,日本の6つの高校と,アルゼンチン,パラオ,タイの代表高校と,英語を公用語として行われ,本校は,これまでの防災活動の取り組み,今後の課題などについて発表しました。その後,分科会ごとに話合い提言をまとめました。

2日目は分科会ごとの発表を行いました。自然災害などの現状や原因,防災などについて学び,それを広めていくこと,地域社会の安全活動やより良い復興に向けた取り組みに進んで参加・協力し,貢献することなどが発表されました。

サミット全体を通して,本校での取り組みを海外に伝える良い機会になったのはもちろんのこと,英語で討論をしたり,海外の高校生と交流したりと貴重な経験ができました。これらを踏まえて,今後も防災・減災の意識を高める活動へ繋げたいと思います。

 

【生徒の感想】

私は,今回の津波サミットで「津波が来る前」と「津波が来たあと」の2つの行動について考えました。「津波が来る前」では沿岸地域のハザードマップの作成を,発災前に危険箇所や避難場所の確保などを行うという結論に至りました。「津波が来たあと」では情報共有のため,若者はSNSによる情報の確認,高齢者へはTV・ラジオ・新聞で情報の確認をして,デマを防いで安全に避難させるという結論に至りました。また,今回の開催地は北海道であり,これまで数多くの自然災害が発生してきたところです。私たちは東日本大震災で,都市型津波によって実際に被害を受けた多賀城市にある高校として津波の恐ろしさなどをしっかりと他県・他国の人に発表することができました。ほかにも,私自身は海外に行ったことがなく,外国人と英語で話す経験をほとんどしたことがなかったので,外国の高校生と話してみて,自分の英語力を上げるきっかけにもなりました。今回の貴重な体験を今後の活動に活かしていきたいです。

   (災害科学科1年 松浦康生)

 

私がこの津波サミットで学んだことは,防災や減災等の面,災害にあった町などを復興する面ともに,災害に関する情報を伝えていくことが最も大切なことだということを学びました。サミットではいくつかグループに分かれてそれぞれ与えられたテーマについてグループ内で持ち寄った意見発表し,話し合いをするという活動を行いました。そしてより良い復興をするために私たちにできることなどをテーマに,グループでの考えをまとめました。私たちは多賀城市内をまち歩きしたり,津波到達地点を示したプレートを設置したりしたことなどを発表し,また,他の班の発表なども聞くことができる貴重な機会だったと思います。中でも私が面白いと感じたのは,ゲームの中に災害が起こった時の行動を記すようなことを考えている班がありました。これからの生活には,そのような,近未来的なアイデアも必要になると強く感じました。災害科学科として,そのような貢献ができるように活躍していきたいです。  

 (災害科学科1年 佐藤 禅)

 

高校生サミットに参加して,外国語を学ぼうという気持ちが今までよりも強くなりました。なぜなら,このサミットでは全て英語でディスカッションが行われているからです。英語で会話をする力や伝えようとする力,そして考える力がこのサミットでは重要なことでした。いろいろな国から高校生が参加しているので,同じグループになったアルゼンチンの人と仲良くなりました。コミュニケーションをとる中でスペイン語を教えてもらいました。英語だけでなく様々な言語に触れ合うことのでき,他の言語にも興味を持つことができました。世界中の高校生の災害に対する意見や強い意識を知ることができました。私もそのような意識を常に持ち,今回のこの貴重な経験と次に活かしていきたいです。

 

(普通科1年 山内海奈)

 

「多賀城市シカゴTOMODACHI交流プログラム2018」

 「多賀城市シカゴTOMODACHI交流プログラム2018」でシカゴレーンテック高校の生徒6名が多賀城高校で過ごしました!
 日米の高校生が相互訪問して次世代のリーダー育成を目指すTOMODACHIプログラムでシカゴのレーンテック高校の生徒6名と2名の教員が6月25日に終日多賀城高校で過ごしました。レーンテック高校の生徒の滞在は6月25日~6月30日で,その期間は昨年多賀城高校からシカゴ訪問の際に交流プログラムに参加した生徒の自宅へ宿泊しました。ホスト生徒と授業に参加したり,アメリカ文化やシカゴ,レーンテック高校についてのプレゼンテーションを多賀城高校生の前で行ったりしました。また,語学研究部は「まちあるき」で多賀城市の被災跡を案内し,放課後には吹奏楽部や軽音楽部がパフォーマンスを披露しました。また,さまざまな部活動を楽しく見学しました。

ハワイ大学教育学部マノア校の方々と交流を行いました。

 今年も,ハワイ大学教育学部マノア校の教員や学生ら9名が来校しました。
 ハワイでは現在もキラウエア火山の噴火が続いていることもあり,津波や火山といった自然災害も身近で,防災教育を軸としたESDに取り組んでいる本校の教育活動の現状を視察し,授業に参加し生徒との交流を通して日本の教育実践を学び,そして今後の交流について検討する目的で本校を訪れました。
詳しくはこちらをご覧ください。

JICA国別研修の防災教育コースでトルコの教育関係者ら14名が来校しました!

 国際協力機構(JICA)の国別研修事業の一環で来日しているトルコの教育関係者ら14名の皆さんが,日本の防災教育の現状を視察するため,1月25日(木)に本校にやって来ました。宮城県の防災教育の現状や本校が設置された経緯について,県教育庁スポーツ健康課長からの説明に始まり,本校の防災・減災教育活動について学校長から内容を紹介しました。この研修会の参加者は,トルコの国民教育省の方々と現職の学校長及び教員から構成された団体で,本校における取組に大いに興味を持っているようでした。参加者からは,災害科学科を担当する教員の養成や様々な取組のことなど,様々なことについて質問があり,最後には「多賀城高校の活動・取組はとても参考になった。」との感想もいただき,充実した意見交換ができました。 本校では,「くらしと安全A」の授業に参加していただきました。留学生は1年生と一緒に災害時の洗濯についての実験に取り組みました。ジッパーで密封できるポリエチレン袋に少量の水や洗剤,あるいは重曹を入れ手もみ洗浄を行うものです。災害時には貴重な水をどのように有効活用するかを,生徒と一緒に学習してもらいました。留学生の方から終始,本校生徒に対して実験内容や防災・減災学習についての問いかけがあり,国際交流と兼ねた授業となりました。

    

 ディスカッションの後は,それぞれの教室を巡り,実際の授業の様子を皆さんに見学していただき,普通科1年生のコミュニケーション英語Ⅰの授業には一緒に参加もしていただきました。
 お互いにたどたどしい英語(トルコの方々はトルコ語なので,英語はほとんど話せない)とタブレット末端の翻訳機能を活用してコミュニケーションを図り,クイズ形式でお互いの文化を学び合いました。生徒たちは自分たちで工夫して,折り紙の作り方を動画で説明したり,けん玉を実演したりして,伝統ある日本文化をトルコの方々に紹介する場面も見られました。トルコの方がけん玉に挑戦し,成功したときには大きな拍手が起こりました。
 トルコは,日本と同じく地震の多い国で,国民教育省教員養成総局のアクテキン・セミヒ局長は,「日本は災害に備えてしっかり準備していることが分かった。トルコの防災教育システムに今回学んだことをしっかりと生かしたい。」と最後に述べていました。

  

【生徒の感想】
・トルコの方々との交流はとても楽しかったです。トルコ語と日本語という言語の壁はありましたが,翻訳アプリなどを使いながらも,お互い伝えたいことを伝えられたと思うので良かったです。とても良い経験になりました。

・外国の方と交流する機会はあまりないので,とても良い経験になりました。英語で伝えるのは思ったよりも難しかったですが,ジェスチャーや習った文法を思い出しながら頑張りました。相手も聞き取ろうとしてくれて,伝わったときはとても嬉しかったです。今回の体験を通して,英語の重要性を改めて感じました。

・言葉の壁は大きく,まったく伝わらずに終わってしまった話題があったり,自分の英語力の至らなさを痛感しました。トルコの方々は,とても優しく,熱心で,とてもフレンドリーだったので,緊張もすぐにほぐれてとても楽しかったです。最後には,一緒に写真を撮っていただき,貴重で素敵な思い出になりました。「トルコに是非おいで!」といってくださったことがとても嬉しく,いつまでも記憶に残ることだと思います。

・初めて日本について自分が紹介したいことを自分の言葉でまとめて外国人相手に紹介してみて,とても大変だったけど,どのようにすればうまく伝わるのかなど,探りながらやることで,伝わったときの達成感が大きかったです。伝わったときにリアクションを取ってくれたり,自分の意見を伝えてくれたりしたので嬉しかったです。

・話すのがとても緊張しました。しかし,クイズや自分の国の紹介を通して,コミュニケーションの難しさや楽しさを学ぶことができました。トルコのお土産もいただきました。このとても貴重な経験をこれからの英語の学習につなげていきたいと思います。