教育活動

課題研究

平成29年度 宮城県高等学校理数科課題研究発表会

 3月15日(木)「平成29年度宮城県高等学校理数科課題研究発表会」がトークネットホール仙台(仙台市民会館)大ホールを会場に開催されました。宮城県における理数科設置校は,仙台第三高校,仙台向山高校,宮城第一高校に本校を加えた4校からなります。今回の発表会は,各校においてこれまで取り組んできた課題研究の成果を発表するもので,本校からは生物分野で「東日本大震災による植生の攪乱と生物の応答~浦戸諸島,ハイブリッド松に迫る~」(災害科学科1年),地学分野では「塩竈地域松島層の年代測定」(災害科学科2年)を発表しました。発表者は自分たちがこれまで行ってきた研究の成果を,12分間の持ち時間で丁寧に解説しました。口頭発表のあとに行われる質疑応答も大変活発で,会場では各校からの質問が飛び交い,発表者はその都度明確に回答していました。
 発表会の最後には,指導助言の2人の先生から講評をいただきました。山形大学の栗山恭直先生は,「面白い発表があって大変良かった。進級してもこれまでの研究テーマを掘り下げたり,後輩にテーマを引き継いで研究を発展させてくれることを望みます。」,宮城教育大学の内山哲治先生からは,「発表することは大変難しく,上手く伝えられていないところもあった。高校での課題研究は,研究に取り組む短い時間のなかでデータをしっかり集めることが重要で,この経験が大学での研究につながる。」とお話し下さいました。
 今回口頭発表を行った生徒や,聴衆として参加した生徒達においては,次年度の課題研究では,与えられた時間を有効に使いながら,自らの興味に導かれ課題を発見し,問題解決に向けて研究に主体的に取り組み,その研究の成果を100%伝えられる力量を備えるような取り組みに期待します。

(災害科学科2年 地学部門発表)
(質疑の様子)

災害科学科2年 洞爺湖有珠山ジオパーク巡検への参加

 5月8日~10日の日程で,災害科学科2年の有志4名が北海道室蘭栄高校との合同巡検に参加しました。9日の巡検当日は,洞爺湖有珠山ジオパークをフィールドに,2000年(平成12年)に実際に噴火活動が見られた西山山麓火口コースにおいて,断層によって道路が寸断された現場に立ち入ったり,当時の噴火口に降りるなど,目で見て手で触れる実習となりました。午後には4つのテーマに分かれて課題研究を行い,本校生徒は旧とうやこ幼稚園付近にて噴石の軌跡に関する調査を行いました。     
 10日には,国立大学法人室蘭工業大学の協力のもと,安居光圀准教授によるDNAの抽出と電気泳動の実験を行い,その後航空宇宙機システム研究センターにおいて,中田大将助教および内海政春教授の案内のもと施設見学を行いました。     
    
■伊藤謙心(2年7組 多賀城中出身)     
 私は,火山の被害に遭った場所を今回初めて訪問しました。火山による被害は,津波とはまた違う種類の被害でした。幼稚園の園庭は斜めに傾き,園庭にあったバスには火山が噴火した際に飛んできた岩で天井に沢山の穴が開いていました。この様に物的被害のすさまじさの割には人的被害がほとんど無かったのは本当に奇跡だと思いました。これからは,私が見てきた光景を,より多くの人に伝えながら,防災・減災に関する理解を深めていきたいと思います。

 

洞爺湖有珠山ジオパーク・西山山麓の火口
室蘭工業大学訪問(DNAの電気泳動実習)
室蘭工業大学訪問(航空宇宙機システム研究センター見学

1年生 課題研究ガイダンス 5月31日(火)

~東日本大震災アーカイブ宮城について~
 宮城県図書館 

 東日本大震災アーカイブ宮城の紹介と利用方法について、宮城県図書館の方々にお話ししていただきました。デジタルアーカイブは、課題研究の基礎データとして資料収集の際に活用できるということや、震災の記憶の風化を防ぎ、防災対策などにも活用されていることを学びました。