防災学習プログラム 平成28年度
東北大学災害科学国際研究所 今村文彦 所長の特別授業がありました!
3月14日(火)災害科学科1年生を対象として東北大学災害科学国際研究所長の今村文彦先生による特別授業がありました。題材は「津波から生き抜く じぶん防災プロジェクト」です。同研究所助の佐藤翔輔先生の共著による小冊子を元にした授業でした。
「じぶん防災プロジェクト」とは、単に読むだけの冊子ではなく,東日本大震災での経験をもう一度ふり返り,津波とは何かを知り,今度津波が襲ってきたとき,自分はどう行動するかを考える冊子となっています。この目的を達成するために,冊子は”1 東日本大震災を津波災害の視点から振り返る”,”2 津波の基本を理解する”,”3 津波から生き抜くための,できることを”いま”しよう”,という章構成と7つのワークシートからなっています。
今村先生のシミュレーション動画を交えながらの分かりやすい講義とワークシートの作業を行う2時間でした。最後にはこの冊子に対する意見,質問,有用性などについて生徒からいくつもの発言があり、予定時間をオーバーするほどでした。
防災・減災コンテストで優秀賞を受賞しました!
大船渡津波伝承館が主催する「防災・減災コンテスト」で本校の生徒会での防災活動が優秀賞に選ばれました。
1次審査を通過した12団体が2月25日東北大学災害科学国際研究所で行われたプレゼン審査に臨みました。当日は考査期間中ということもあり,生徒が自ら発表することが難しかったために,急遽生徒会顧問の今泉教諭が津波の聞き取り調査やボランティア活動などを中心とした活動の様子について発表を行いました。その結果,「まんまるママいわて」が発表した『ママが支える一家の防災』に次ぐ優秀賞を受賞することができました。
生徒会,ボランティアでの取組が各地で活躍する団体と肩を並べる評価をいただいたき,今後の活動の励みになりました。
東北工業大学新井准教授の特別授業がありました
2月16日に東北工業大学工学部建築学科新井信幸准教授を迎え,「仮設住宅と復興コミュニティデザイン」の特別授業が行われました。1年生「くらしと安全A」の中の住環境分野で「暮らしやすさと工夫」をテーマとした分野です。
新井先生からは仮設住宅の概要,仮設住宅のタイプ,カスタマイズやリユースについてまず話がありました。仮設住宅を一棟建てるだけでも多くの費用がかかること,最近では見なし仮設として民間の賃貸住宅を借り上げることが多くなってきていることなどが話されました。また,仮設住宅に若干の改良を加えることで使い勝手が良くなることを教えていただきました。
また,後半は仮設住宅から復興公営住宅への移行段階でのコミュニティーのあり方でした。仮設住宅で築いた多くのサークル活動や交流活動をどのように復興住宅で引き継いでいくかという課題について話がありました。
橘復興副大臣が来校しました
平成29年1月13日(金)橘復興副大臣が,宮城県の被災地自治体への訪問途中に本校へ立ち寄られました。短い時間でしたが,本校の防災・減災学習の様子を説明することができました。副大臣からは,本校が現在取り組んでいる活動の継続と発展についての応援の言葉をいただきました。また,副大臣の御地元である富山の県立高岡西高等学校と本校の交流についても橋渡しをしてくださいました。学校からは「文化祭での売上金を防災活動や復興に役立てて欲しい」との申し入れがあり,生徒会での防災・減災活動に役立てていくつもりです。
今後,本校が行う防災・減災学習について復興庁としてもバックアップしていただくこと,機会があれば再来校したい言葉を残し,次の訪問地に向かわれました。
平成28年度全国防災ジュニアリーダー育成合宿 最終日
遂に「全国防災ジュニアリーダー育成合宿」最終日です。
まずは「朝の集い」。
ラジオ体操を行います。集団での生活にもだいぶ慣れてきました。
そして朝食後、「人と防災未来センター」へ移動します。
ここで人と防災未来センター長 河田惠昭氏より特別講義「地球温暖化と災害の被害の変化」をお話して頂きました。
講義について質問する災害科学科1年 千葉陽太君
河田先生からは「災害は家屋倒壊だけが被害を生み出すわけではない。停電による地下鉄やエレベーターの停止、また地球温暖化が生み出す新たな災害も視野に入れる必要がある」と教えて頂きました。
その後、三宮東遊園地へ徒歩で移動します。
三宮東遊園地では、2日目に作成したキャンドルを用いて「1.17」をかたち作り、黙祷を捧げました。
そしてここで解散となりました。
今回のジュニアリーダー育成合宿では、これまで行ってきた活動について自らの実感を伴った発表活動を行うことができました。そして全国の中高生と交流する機会にも恵まれ、参加した生徒は「防災」について新たな視点を手に入れると共に、新しい出会いにも感激した様子でした。
お世話になった関係者の皆様方、本当にありがとうございました。
平成28年度全国防災ジュニアリーダー育成合宿
平成29年1月13日から15日まで兵庫県立舞子高校、国立淡路青少年交流の家で行われた「全国防災ジュニアリーダー育成合宿」に生徒会執行部、災害科学科の生徒4人か参加してきました。
仙台から三宮までは、飛行機、高速バスを使い2時間半ほどで到着しました。
初日は合宿のプログラムに組み込まれている、舞子高校「震災メモリアル行事」に参加しました。
太古知惠美 校長先生の挨拶のあと、演奏会、講演会が行われました。
ギター演奏
熊本県教育委員 木之内均氏による講演「熊本地震の経験から思うこと」
その後は分科会に参加しました。分科会は舞子高校の1,2年生全員が参加してのワークショップです。
多賀城高校の活動発表。本校生徒会執行部のチームワークが光ります。発表に対する鋭い質問にも的確に対応できました。
午後は「舞子千人鍋」が自衛隊、PTAの協力のもと振る舞われました。
その後、淡路青少年交流の家に戻り開講式に参加しました。
舞子高校代表生徒の挨拶
続いて、諏訪清二氏による講義①「中学生高校生、災害と向き合う子どもたち」を受講しました。
「挨拶が防災の始まり」という話題から、コミュニケーションの大切さ、またコミュニティーの結び付きの大切さについてお話しして頂きました。
夕食後は他校との交流会を行いました。
2日目に続きます。
淡路島青少年交流の家近くの浜辺
12月15日(木) 神戸大学附属中等教育学校との合同巡検(石巻・女川方面)が開催されました
今回は本校災害科学科と神戸大学附属中等教育学校との合同で,東日本大震災の被災地を巡りました。
釣石神社では本校災害科学科生徒が個人のiPadを,そして神戸大学附属中等教育学校の皆さんも文部科学省IE-SCHOOL事業で貸与されたiPadを各自が使用し,アプリ「石巻津波伝承AR」を用いて被災直後の様子や実際にこの地を襲った津波がどのようなものだったのか,そして浸水深についてもiPadを通して考察しました。
写真 石巻市立大川小学校では,東北大学災害科学国際研究所 助教・佐藤翔輔先生,NPO法人KIDS NOW JAPAN 専務理事 佐藤敏郎先生の現地案内・説明のもと,大川小学校の被災の現実を学びました。 写真実際に校舎を前にして,そして裏山を登りお話を聞いて考察し,先生方に直接質問しながら防災・減災の根幹を学んでいました。
その後雄勝町を経て,女川町へ。女川町の復興の様子を本校卒業生である東北学院大学・小畑綾香 先生の案内のもと町歩きを通して見学し,南三陸せっけん工房 厨 勝義 先生,NPO法人アスヘノキボウ 代表理事 小松洋介 先生から説明を受けました。
何度も足を運んでいる生徒もいれば,初めて訪れた生徒もいて,災害の現実と厳しさに言葉が続かない生徒もおりましたが, 写真 災害の厳しさとそこから力強く立ち上がろうとする女川町の人々の姿勢に,「災害にまた見舞われてしまう可能性はあるが,そのあとにどう立ち上がるか,自分たちだけで難しいなら積極的に外から力を借りるべき」など,それぞれが復興の第一人者としてどうあるべきかを改めて考察した巡検となりました。
世界津波の日「高校生サミット」の取り組みについて
昨年の国連防災世界会議で「仙台防災枠組」が採択され、また、「世界津波の日“11月5日”」が国連において制定されたのを受け、「世界津波の日」の啓発イベントとして青少年 による国際会議「世界津波の日 高校生サミット」が11月23~26日の期間に開催されました。これには、本校生徒をはじめ、日本と世界30カ国の高校生約360人が集い合いました。
前半(23~24日)では、「宮城スタディーツアー」として東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県沿岸部を訪問し、地元の高校生と交流を図ることを目的とした取り組みが行われました。23日(水)本校には、中国福建省の高校生30名が訪れ、津波波高標示を辿る「まち歩き」と交流会が行われました。
【イオン多賀城店の階上駐車場で3.11の津波襲来の様子の説明を学習↓】
【↑イオン多賀城店内一階の津波到達標示に驚いていました。】
【↓歩道橋に残る津波痕を見上げていました。】
24日(木)は、石巻を会場に「宮城スタディーツアー」に参加した15カ国の生徒と県内の生徒が集い、交流会が開かれました。はじめに、それぞれグループに分かれていった被災地視察の報告があり、多賀城、志津川、石巻の様子が紹介されました。引き続き、グループワークとして、「防災クロスロード」とグループディスカッションが行われ、それぞれの体験や知見に基づいた意見が活発に交換されました。
【参加生徒の感想】
「私は、今回の「高校生サミット・宮城スタディツアー」では外国人の方に東日本大震災を経験して学んだことを伝えることで、その知識が世界の知識となり、二度と自然災害で多くの命が失われないようになってほしいと思いました。英語を基本としたコミュニケーションの難しさや、逆に国が異なっても通じ合うことの出来る喜びを得ることができました。特に、津波についての理解をお互いに深め合うことができ、とてもいい経験となりました。」(災害科学科1年 大場有紗)
後半(25~26日)は、高知県黒潮町で開催され、本校からは代表3名が参加しました。主会場となった黒潮町は、南海トラフ地震による被害想定において、津波高34.4メートルという国内一の想定を受けた地域で、防災・減災の様々な取り組みを進めている地域です。
25日(金)は、開会宣言・主催者あいさつに続き、元OECD東北スクールメンバーの釣巻洋子氏(同志社大学)による「The Power Youth」と題する講演が行われました。その後、分科会に分かれ、自己紹介等のブリーフィングが行われました。
26日(土)は、メインである分科会が行われ、「自然災害を知る」「自然災害への備え」「自然災害からの復興」というテーマごと活発な発表と意見交換が行われました。そして、それぞれのテーマに基づいた「高校生に何ができるか」という視点でアクションプランを作成しました。本校は、3.11を経験したことを踏まえ「都市型津波における防災・減災~『津波波高標示プレート』設置活動を通して~」という内容でプレゼンを行い、多くの共感をいただきました。
続いて、フィールドワークとして、高台避難訓練、津波避難タワー見学、「安政津波の碑」見学等々を行い、黒潮町の防災に対する実際の取り組みを学びあいました。
記念植樹のあと、最後に宣言文検討会があり、自然災害から一人でも多くの命を守るための努力を決意した「The Kuroshio Declaration(黒潮宣言)」が満場一致で採択されました。
【生徒の感想】
「今回参加して思ったことは、津波をもう少し具体的に世界に発信した方がよいということです。同じグループの中で、津波について聞いたところ、私たちの認識と大きく異なっているところがありました。その差を埋め、津波の怖さを共通認識していくことが大切だと思います。今回多くの国や地域の人と関わることが出来て良かったです。多くの人と関わっていくことが防災の第一歩となるはずです。多くの人とのつながりを、学校でまた広げ、どんどんその輪を大きくし、一つの大きな輪をつくっていきたいです。
このような機会をいただき、ありがとうございました。」(普通科2年 工藤綺乃)
「防災情報とは何か」の特別授業が行われました。
11月18日(金)常葉大学社会環境学部教授 阿部郁男先生による特別授業が開催されました。
今回の特別授業では,まず「防災情報とは何か」というテーマのもと,さまざまな防災情報が存在することを整理し,その提供元ごとにどこがどのような情報を提供しているかをiPadで調べるところから始まりました。
気象庁なら地震津波の情報,気象警報,そして土砂災害警戒情報を,国交省なら河川の水位,波浪・・・というように,知っているようで知られていない防災情報がたくさん存在することに生徒も驚いていました。
後半はGPS波浪計の仕組みのほか,GPS波浪計がもたらしたもの,東日本大震災当時の観測情報について学び,それらを踏まえて「東日本大震災のような津波被害を二度と出さないために」と称したグループディスカッションを行いました。
その中で「GPS波浪計などの津波観測情報王が設置された場合に,津波による被害を減らすためにどんなことができそうですか?」「それでも残る課題や問題は?」という問いかけに,生徒一人一人が様々な意見を出し合っていました。
「社会と災害」の特別授業として「海の名称 -人の歴史,社会,生活との関わり-」を行いました
平成28年12月9日(金)文部科学省初等中等教育局 主任教科書調査官 高橋 洋子 さんを講師としてお迎えし,「海の名称 -人の歴史,社会,生活との関わり-」の授業を行いました。高橋さんは日本船舶海洋工学会にも所属され,地理教育にとどまらず海洋教育,環境委教育などにも精通されています。
授業はアクティブラーニング型で進められ,1世界に海はいくつあるのか?,2太平洋に名前をつけるとしたなら?,3海に2つ以上の呼び名があったときのメリット,デメリットなどの質問が生徒に投げかけられました。生徒は,グループでそれらについて考えて答えを発表するという過程を通して考えを深めていくものでした。
先生からは大洋と海の境界の話やIHO(国際水路機関)の話など興味深い話が多くありました。「海」をキーワードとして歴史や文化,生活など多くのことを考え,学ぶことができる内容でした。
災害科学科 1年7組 赤堀 恵夏さんの感想
今回の特別授業の中で一番印象に残ったことは、海の名称の由来についてです。私は海の名称の由来は、周辺の国や人物の名前だけが由来だと思っていたのですが、実際には周辺の地形やギリシャ神話の神の名前など、さまざまな由来があったり、同じ海でも国によって呼び名が違ったりすることに興味を持ち、海の名称をめぐる各国間の問題についても気になります。今後また、髙橋洋子先生の授業を受ける機会があれば良いなと思いました。
株式会社WATALIS / 一般社団法人WATALISさんを迎えて,「日本の服飾文化とリユースの実際」の授業を行いました
平成28年12月1日(木),『くらしと安全A』において,株式会社WATALIS / 一般社団法人WATALISさんの活動を紹介すると共に,古来行われてきた着物文化のリユースの観点からの製法技術の紹介と簡単な実習を行い,震災から復興を総合的に考える特別授業を1年生81名を対象に実施しました。
初めに,代表の引地恵さんから,震災前に亘理町職員として町の文化や歴史を調査する過程で,その魅力に気づいたこと,特に端切れ等を用いた「ふぐろ」に一升の米を入れてお礼として感謝の気持ちを表す文化に興味を持った話がされました。貴重な服地に貴重な食料を入れ,さらに無形の感謝の気持ちを入れる文化の奥深さと素晴らしさを再認したことが活動の原点であることが話されました。
また,亘理町の抱える地域課題として高齢化,過疎化,文化の伝承,被災地コミュニティの損失,女性の就業場所の確保などが浮き彫りとなってきたことが起業のきっかけとなったことなどの話がありました。さらに「ふぐろ」は単に3R活動にとどまらず,新たな付加価値をつけて再活用するアップサイクル文化となっており,地域振興に役立っていることが紹介されました。
続いて,実習として端切れを用いたキーホルダー作成の実習を行いました。初めに理事の橋元あゆみさんから「きもの」の端切れについての紹介と,文様に込められた意味の説明がありました。その後,実際に端切れを用いてキーホルダーの作成手順について,工程毎に説明をいただき生徒は作業を行いました。
最後にまとめとして再び引地さんから,復興のためには,多種多様な課題を解決をしなければいけない状況となったことや,その解決のための工夫点についての話がありました。
多賀城高校が高知県黒潮町に紹介されました
多賀城高校が高知県黒潮町のホームページに英語で紹介されました。
サイエンスアゴラ2016 「震災から5年 ~いのちを守るコミュニティ~」で発表しました!
11月6日(日)に日本科学未来館で開かれた「震災から5年 ~いのちを守るコミュニティ~」で口頭発表を行ってきました。
サイエンスアゴラは,「あらゆる人に開かれた科学と社会をつなく広場」の総称であり,日本最大級の科学の祭典として日本科学未来館を初めとした6会場において,11月3日~6日まで開かれました。この中の科学技術を巡るさまざまなテーマについて,独自の切り口での議論を行う「キーノートセッション」に参加しました。
今回のテーマは,阪神・淡路大震災,東日本大震災,熊本地震において,被災地での支援,コミュニティ再生や防災教育など,さまざまな視点で取り組まれている「いのちを守る」活動について紹介の1つとして多賀城高校の活動を紹介しました。参加者からは,どのように東日本大震災の思いを伝えていくのか,防災・減災活動を行うことで,自分や相手がどのように変化したのか,などの話題も出されました。
防災・減災への取り組みが各地で行われていることを知ることができた催しでした。
参加者の感想 小野寺杏さん(2年)
サイエンスアゴラは,科学に関するブースや,体験コーナーが沢山出展されており,とても一日では回りきれないほどの規模でした。身近に科学を感じることのできる展示が沢山あり,そのうちのいくつかの実験に参加しました。
そのような中で私が参加したキーノートセッションは大学の先生,企業の方,そして私たちが,それぞれの防災・減災に対する取り組みを報告するものでした。大学の先生方の講話を直接聞くことができ,阪神大震災以降の関西での取り組みや,熊本での大学生ボランティアの活躍,防災におけるマスコミの働き,企業が地域の子どもたちに防災学習の場を提供している様子など,私がこれまで知らなかった活動が次々に報告されました。特に中学生が体験しながら防災・減災を学ぶ試みについては,私たちが地域の小学校や中学校と合同で取り組む地域防災のヒントになりました。私たちの活動についても,大学の先生方から励ましの言葉をいただき,これからも活動を発展継続していく必要性を改めて感じました。
平成28年度 多賀城総合防災訓練に参加しました
11月6日(日)多賀城市総合防災訓練が実施され、本校からも防災委員が参加・訓練を行いました。本校の訓練内容は、SNSのツイッターを使った「災害情報提供訓練」でした。
8:30「宮城県沖を震源とするM9.0の地震発生、多賀城市震度6強」(想定)の発災。防災委員のメンバーが国道45号線で被災し、津波の心配から歩道橋上に避難しました。そこから「津波襲来、歩道橋の上に負傷者と避難しています。」など様々な想定で災害情報を写真と一緒に送信。その後、「末の松山」や砂押川の橋の上など移動しながら発信を続けました。今回の訓練では、前回使用したUTMグリッド地図の情報も送信し、どのような情報が実際の災害に役に立つのかを考えて行動しました。
「災害情報提供訓練」後は、多賀城市役所に設置された「災害対策本部」の訓練内容を間近で見学しました。自衛隊の避難訓練の様子など臨場感あふれる内容を見ることができ有意義な訓練となりました。
「自然科学と災害A」で人為的な災害についての特別授業がありました
11月2日(水)東北大学大学院工学研究科附属超臨界溶媒工学研究センター 渡邉 賢先生をお招きして,自然災害にとどまらない,人為的災害や二次的災害のリスクについて考える授業が行われました。
CBRNeシーバーン:Chemical(化学),Biological(生物),Radiological(放射性物質),Nuclear(核),Explosive(爆発物)の頭文字)は大量破壊兵器に使われるような特殊危険物の総称です。今日では,平穏な日常社会の中でもテロや犯罪の手段として手軽に使われるようになり,例えばサリン事件のような化学薬品によるテロ行為,さらには福島第一原子力発電所の事故など,人為的あるいは二次的な災害のリスクが高まっていることをお話しいただきました。
市民が無差別的に被害に遭う危険からの回避,事件・事故への備え,事件・事件発生時の対処には,行政,消防,警察,病院そして研究者などがそれぞれの知識・技術を持ち寄る必要性があることをお話しいただきました。さらには科学倫理,心理,社会構造,宗教なども複雑に絡みあうことから,多面的に捉えていく必要のある「解のない課題」であることを再認識しました。防災・減災を学んでいくにあたって自然災害にとどまらず,このような災害についても意識して学習したいと思います。
復興i-Land in SENDAI に参加しました!
10月30日(日)仙台市勾当台公園で、被災地の防災と環境保全をテーマにした「復興アイランドイン仙台」に防災委員とボランティアが参加しました。この催しは,第3回国連世界防災会議で採択された「仙台防災枠組2015-2030」に示された市民の防災・災害対策の一部と位置づけられるものです。催しへの参加ブースは大学,NPO,自治体,病院,消防,自衛隊と幅広いものでした。遠くは熊本,静岡,愛知などからの参加もあり, 各地で行われている防災活動が紹介されました。また,ご当地アイドルやゆるキャラも参加し,このイベントを盛り上げていました。
本校は防災委員が中心となりブースとステージで学習活動について紹介するとともに,ボランティアでは東北大学災害科学国際研究所が企画したスタンプラリーの受付を担当しました。
様々な防災についての取り組みが行われていることや復興についての工夫を知ることができた一日となりました。
段ボールジオラマを利用した授業
10月25日(火)「社会と災害」の授業において,段ボールジオラマを用いた授業を行いました。 段ボールジオラマとは,指定したエリアのマップを元につくられた段ボールの地形模型です。
まずは,配布された地形図に尾根と谷を書き込みます。続いて,段ボールジオラマに尾根の部分,谷の部分の目印となる紐を貼り付けました。それをもとに自分たちで起こりうる災害種や危険地帯についての話し合いを行いました。最後に近隣市町のハザードマップと自分たちが指摘した危険地域の関係や避難場所・避難所の位置について確認する作業を行いました。
平面地図からだけでは,わかりにくい地形や危険箇所を直感的に理解することができました。今後も学校周辺の地形を理解することや,DIGなどに活用していきたいと思います。
なお,今回の授業は段ボールジオラマの製作に携わる,一般社団法人防災ジオラマ推進ネットワーク,今野梱包株式会社や株式会社ゼンリンの方々に見学していただき,アドバイスをいただきました。
特別授業「高齢者と健康」
8月29日、宮城大学看護学部の高橋和子教授をお迎えし、『高齢者と健康』と題し特別授業をしていただきました。この授業は、教科「保健」の『加齢と健康』『高齢者のための社会的取り組み』の内容を踏まえ、さらに高齢者の災害時における安全について学ぶことを目的としたものです。
前半は加齢に伴う心身の変化と社会的変化、災害の発生と高齢者への影響を学び、授業後半のグループワークでは、災害時における高齢者の困りごとを考え、さらにどんな備えが必要であるかを検討しました。
【生徒の感想】
- 資料の「生きがいを感じていない人の割合」から社会との関わりが少ないお年寄りが生きがいを感 じていないのだということが分かり、祖父母や地域の高齢者と話をしたり、挨拶をしたり、日常的 に関わりを持っていきたいと思った。
- 高齢者にスポットを当ててこれだけの意見が出るということは、外国人や赤ちゃんがいる家庭、妊 婦さんにはどんな配慮ができるのか共有できたらいいと思った。
- 加齢に伴う心身・社会的変化も個人によって違い、高齢者を助けようという考えだけでなく、互い に支え合って地域をよりよくしていく考えを持たなくてはいけないのかなと思った。
- 災害発生時だけでなく、発生から1ヶ月後、1年後と問題・課題となる内容も変化することを知っ た。高齢者に「危ないから」という理由で全てやってあげるのではなく、体力や健康を維持しても らうために「この人には何ができるのか」を考えることが必要だと思った。
- 家族が高齢者を支えるだけでなく、地域で支え合う「地域包括ケアシステム」というものがあるこ とを初めて知った。
- 高齢者は自分たちより体が動きにくく、日常生活はもちろん、災害時はその何倍も苦労することを 学んだ。日常的に関わり合いを持ち、サポートしていくことが大切だと気づいた。
【グループワーク:高齢者が災害時に困らないために必要な備えは?】
- 高齢者の健康維持や地域作りとして、体力作り、ラジオ体操、避難訓練の実施、回覧板にはイベン ト系の催し物を盛り込んでみる
- 非常食や飲料水は多めに準備しておくこと、また非常食は高齢者でも食べられる物を準備する
- 若者が蘇生法、止血法を学ぶ
- 独り暮らしの高齢者の把握、ハザードマップの作成と避難ルートの確認
- 避難所は広くバリアフリーであること、車いすやラジオ、発電機を準備しておく
などの多くの意見が出されました。
学校文化祭「多高祭」で防災活動の取り組みを紹介 陸上自衛隊多賀城駐屯地と避難訓練を共同実施も
今年度の「多高祭」のテーマ「情熱の多高祭 みんながぼくのアモーレ」のもと、盛大に文化祭が開催されました。9月3日(土)、初秋の晴天に恵まれ、各文化部の発表や各クラスの出し物で賑わい、約500名の方が来校されました。
その中で、本校の生徒会や防災委員、そして今年度開設された災害科学科の有志が本校の防災活動を紹介するブースをつくり、熊本地震被災地の慰問交流報告、防災用品の展示・発表、非常食の展示・試食会、陸上自衛隊多賀城駐屯地とPTAによる共同の避難訓練の実施等々、盛りだくさんの内容で、来場・参加された方々と一緒に活動することができました。
まず、熊本地震被災地の慰問交流の報告を参加した生徒が発表。発表会場の後方には、様々な非常食を並べ、実際に試食してもらいました。試食された方々からは、「思っていたよりもとてもおいしいし、食べやすくできている。」といった感想がきけました。
今回の文化祭では、避難訓練も実施しました。午前11時30分に想定地震が発生。陸上自衛隊多賀城駐屯地とPTAとの共同で、混雑する中、避難放送に従い整然と校舎外に避難し、避難者確認を行いました。避難訓練に引き続き、自衛隊による「炊き出し訓練」が行われ、約300食の豚汁が提供されました。
また、今回の文化祭には、香川県の企業・ファイトロニクス社が製作した非常用LED電光掲示板とその操作を行う「ファイサインアプリPSldSet」が展示・披露されました。これは、持ち運び可能なLEDの電光掲示板で、省電力で見やすく、モバイルアプリで簡単に操作できることから、非常時での避難誘導や災害情報の伝達がしやすいもの。当日は、様々な文化祭の催し物の案内や避難訓練時に大いに活躍しました。
第7回「震災対策技術展」東北に出展・発表しました!
8月25日(木),26日(金)AERで開かれた「震災対策技術展」においてブース参加と口頭発表を行ってきました。この催しは国内の地震・自然災害対策関係者が一堂に会する日本唯一の技術見本市・シンポジウムです。過去に横浜では20回,大阪では3回の催しが開かれ,東北での開催は7回目です。
ブース展示は防災に関連する商品開発をしている企業,災害関連の研究所,自治体,各種学会がブース展示を行っていました。高校では多賀城高校が唯一の参加でした。各ブースの展示内容としては防災グッズや非常食,減災のための各種センサーなどが多く,自分たちの学びがどのように社会とつながっているのかを勉強することができました。
口頭発表は,大学教員,省庁職員,自治体職員,NPO団体などから多くの実践報告があり,本校からも小野主幹教諭と2年小野寺杏さん,1年千葉陽太さんが本校の取組について発表を行いました。
今回は,多賀城高校での活動をこのような防災や災害に関連する多くの方々にPRする良い機会となりました。おかげで様々な企業や関連機関から声をかけていただき,先端の技術を教えていただくことができました。全国で活動している同年代の人たちだけではなく,実際に社会で活動している方々の話を聞き,アドバイスを受ける良い機会となりました。
熊本地震被災地訪問
7月28日から8月1日の5日間,災害科学科1年生4名が,熊本地震の被災地を訪問しました。
防災・危機管理ジャーナリストの渡辺 実さんに,甚大な被害を受けた益城町・西原村を中心に案内していただきました。この様子は,9/4(日)15:00よりNHK「東北発☆未来塾」で放送される予定です。
【今も倒壊した家屋が残る益城町】
住宅の9割以上が被害を受けた益城町では,倒壊した住宅やブルーシートがかけられた屋根があちこちにありました。地表に現れた断層面や2m近く横にずれてしまった道路も見てきました。実際に被災地を歩いて・見て・被災者の話を聞いて,町全体が甚大な被害を受けたことを肌で感じることができました。
【進化する避難所】
避難所も訪問しました。今なお600人以上が避難生活を送っている益城町総合体育館では,段ボールの柱と布でプライベートスペースを区切っていました。また,日本初のトレーラーハウスを活用した福祉避難所も見せていただきました。トレーラーハウスは,今後,避難所や仮設住宅として活用されることが期待されているのだそうです。
益城町では,倒壊した住宅の公費解体を進めていますが,解体が全て終わるまでに2年はかかるそうです。被災者した方は,これからどうなるのか,再び益城町に住めるのかなどの不安を抱えていらっしゃいました。
【グリーンコープさんの被災者支援活動】
物資支給や炊き出しなどの被災者支援活動を行っているグリーンコープさんは,「被災した方々に元気になってほしい」「私たちが一生懸命に取り組む姿から感じてほしい」という思いで支援活動を続けているのだそうです。本校生徒も炊き出しの手伝いをさせていただき,被災者の方とも触れ合うことができました。
【西原村の地域防災力】
熊本地震を引き起こした「布田川断層」の真上にある西原村では,10年前から発災を想定した防災訓練を重ねてきました。そのことが,今回の避難や安否確認,消防団による救助活動などに役立ったそうです。また,避難所においては,村民が自分の職業や得意分野を生かして主体的に運営を行ったということです。西原村の取組は,地域防災のモデルとして全国から注目を集めています。
5日間の滞在で,災害科学科の4名は,益城町・西原村における熊本地震による被害の凄まじさを感じました。また,被災者が抱える不安や被災者を支える人たちの思いも受け取りました。復旧・復興にはまだまだ時間がかかります。熊本の現状を,頑張っている方々がいることを忘れず,しっかりと宮城で伝え,広めていくことが熊本の力になると考えます。
熊本の一日も早い復旧・復興を願っています。
STAND UP SUMMIT 2016
平成28年8月8日~10日,東京ビッグサイトで開催されたSTAND UP SUMMIT 2016に2年生4名,1年生5名の計9名が参加しました。「STAND UP SUMMIT 2016」は東日本大震災の復興イベントとして2014年に開催されて以来今回が3回目であり,本校は昨年度に続いて2回目の参加となります。今年度は,本校の他に,盛岡第二高校,宮古市立第一中学校,仙台青陵中等教育学校,東北高校,東北福祉大学,小高工業高校,小高商業高校,福島工業高等専門学校,足立区立第六中学校,調布市立第三中学校,阿蘇中央高校,東海大学農学部,さらに台湾やアメリカの学生も加え,合わせて350名を超える多くの学生・生徒が「未来は自分たちが創っていく」という強い意志のもと集い,災害からの復興について考え,発信していくイベントとなりました。
初日は,パラ・パワーリフティング49kg級の日本記録保持者で,ロンドンパラリンピック日本代表の三浦浩さんの講話とパワーリフティング体験や車椅子体験を行いました。三浦さんからは,怪我をしてからパワーリフティングをするようになった経緯や思いを通して,「できない理由より,できる方法を考える」ことが大事だということを伝えていただきました(※三浦さんは,8月24日にリオデジャネイロ・パラリンピック日本代表に選出されました)。夕方の交流会では,東北の大学生や高校生が同世代である熊本の高校生を東北に招いて実施した「復興や未来を考えるプロジェクト」の報告や,武蔵野大学の学生ボランティアの進行による親睦を図るレクリエーションが行われました。
2日目は,レセプションホールにて第1部「復興セッション」が行われました。15のセッション(テーマ)に分かれ,社会人,大学生,高校生,中学生がそれぞれのテーマを切り口に復興の未来についてアイディアを出し合い,意見交換をしながら,1枚のポスターにまとめていきました。午後には,各セクションのポスター発表が行われ,互いの考えを共有しました。15のセッションとテーマは以下の通りです。
○三陸鉄道株式会社(鉄道) ○特定非営利活動法人GRA(人材育成)
○臨海広域防災公園管理センター(防災公園) ○アメリカ大使館(観光)
○福島県庁(風評被害) ○日本赤十字社(国際連携) ○東北福祉大学(防災士)
○早稲田大学(レジリエンス) ○社団法人ふくしまプロジェクト(ペットとの避難)
○東北三紙(メディア) ○NPO法人ボランティアインフォ(ボランティア)
○宮城県タクシー協会(語り部タクシー) ○綾里漁業協同組合(漁業)
○一般社団法人ワカツク(学生起業) ○コカ・コーライーストジャパン株式会社(自動販売機)
第2部は国際会議場に会場を移して行われました。「為末大Special talk show」では,男子400mハードルの日本記録保持者であり,現在はスポーツ,社会,教育分野で幅広く活動している為末さんと陸上・短距離(障害者スポーツ)選手の池田樹生さん(中京大学)が,逆境や失敗をどのように克服するのかについて,ご自身の経験を織り交ぜてのトークが繰り広げられました。引き続き,FM東京の公開録音を兼ねた「復興ディスカッション~私たちの未来~」では,為末さんのコーディネートのもと,東北,東京,熊本それぞれの中高生や大学生が震災やその後の復興への思いを語り合いました。この日の締めくくりは,style-3とサンプラズ中野くんのスペシャルコンサートです。バイオリンとウッドベースのユニットであるstyle-3がアップテンポの曲を披露して会場を盛り上げ,サンプラザ中野くんはパッパラー河合さんのギターとともに「TOMOSHIBI?地震がきたら」「タニシのるすばん」「旅人よ」を熱唱し,会場は最高潮に。最後は「Runner」を会場全員で歌い閉幕しました。
最終日は,当初参加学生・生徒によるバーベキューの予定でしたが,高温で炎天下の厳しい状況となったため,急遽,隣接する東京臨海広域防災公園内にある防災体験学習施設「そなエリア東京」を訪問することになりました。防災体験「東京直下72h TOUR」を行ったり,緊急災害現地対策本部が設置されるオペレーションルーム施設を見学したりしました。
参加した生徒は,この3日間で見て,感じて,学んだことを身近なところから周囲に発信していく決意をもったようです。
参加者の感想
○遠藤 瑠衣さん(2年)
私は昨年も参加したのですが,昨年とは違った気持ちで話し合いに参加することができました。1日目は,同じ東北から集まった学生の人たちといろいろなプログラムを通して仲良くなれました。2日目は,海外・東京・熊本の学生も参加して15グループに分かれ,復興について話し合いました。私のグループは海外の学生さんが3人いて,通訳を通していろいろな経験や思いを共有し合いました。話し合いの後,1つのポスターを皆でつくって参加者全員の前で発表しました。私はその発表の代表者になり,私以外話す人は外国人であったため打ち合わせを英語でするのは難しかったけれど,通訳さんに手伝っていただきながら準備を進めました。発表直前,私が緊張しているのに気付いたメンバーの1人が「Relax! Relax!」と笑顔で話かけてくれたので,発表は時間内にでき大成功でした。2度目の参加となった今回のSUMMITでしたが,話し合いを重ねるたびにどんどん深く中身の濃いものになってきていると思いました。震災から5年たった今でも復興が進んでいないところもあるし,忘れかけられている事実もあります。この思いや実体験を私たちが未来に伝えていかなければならないと改めて実感した3日間でした。
○五百蔵 匠さん(1年)
中・高・大の学生と幅広い年代の人が,同じ目線で同じことについて考えられる絶好の機会だと思いこのSUMMITに参加しました。皆の意見が違っていて,そういう考えもあるのかと思うこともありましたし,自分一人で考えたり同学年だけで話し合ったりするよりも視野が広くもって活動することができました。熊本から来てくださった学生さんとも話しをする機会もあり,テレビなどの報道では分からないことも教えてもらうなど貴重な体験となりました。ディスカッションでは,発表に出られませんでしたが,来年参加できることになったら発表させてもらいたいと思います。全体を通して,人との交流も深められて楽しかったし,自分にとってプラスになりました。また参加して,自分の意見をもっと言ったり進んで交流したり,積極的な行動をとっていきたいです。とても充実した3日間でした。
多賀城市大代「防災キャンプ」
8月5日(金)から1泊2日で,本校の防災関係ボランティアの生徒9名と多賀城東小学校の4~6年生23名が,多賀城市大代地区公民館で行われた「防災キャンプ」に参加しました。
この「防災キャンプ」では,災害時に一人ひとりが主体的に行動できるようになるために,防災に関する様々な内容について体験を通して学びました。
【消防士による搬送法・胸骨圧迫実習】
【自衛隊員との災害時に使用する救助器具体験】
【本校生による「津波波高標示プレート設置」「防災○×クイズ」】
本校生が担当した時間では,「津波波高標示プレート設置」「防災○×クイズ」を行いました。「津波波高標示プレート」は本校生徒会が設置活動を行っているもので,公民館内に小学生と一緒に設置しました。また,「防災○×クイズ」では,防災に関するクイズを楽しみながら防災意識も高めることができました。
【アーティストデザイナー佐藤直樹氏とのワークショップ】
佐藤直樹さんとのワークショップでは,大代地区を守る「ボーサイヒーロー オーシローファイブ」を創作しました。この作品は,大代地区公民館入り口に飾られています。
【生徒感想】
3327 佐藤 遥
防災キャンプが始まる前は,初めて会う小学生と一日過ごすので,緊張と不安でいっぱいでした。しかし,様々な活動を通して,子供たちとの距離が縮まっていくのを感じました。互いを名前で呼び合うほど仲良くなり,緊張や不安はいつの間にかなくなっていました。
さて,このキャンプのメインは防災です。災害や事故に遭ったとき,自分の身を自分で守るための対策として,様々なことを体験しました。
特に印象に残った体験は,消防署の方から教えていただいた搬送法です。3,4人の子供たちが体格の良いラグビー部の高校生を持ち上げて運ぶことができたのです。搬送法を知っていれば,小学生でも簡単かつ安全に大人を運ぶことができることに驚きました。
他にも,自衛隊の敷地内では,災害時に倒壊した建物から人を救助するための道具を使わせていただきました。実際に東日本大震災でも使われた道具は,どれも普段は触れることのできないものばかりだったので,貴重な機会となりました。
また,夜は室内にテントを置いて寝ました。眠くなるまで女の子たちで恋の話をしたことも楽しい思い出です。
この防災キャンプでは,貴重な経験をさせていただきました。全てが新鮮でした。あっという間の24時間でした。参加して本当に良かったです。ありがとうございました。
「災害時の保育」を実施しました
7月22日,石巻在住の佐々木有香子さんを講師としてお招きし,1年生全体で「くらしと安全A」の授業として「災害時の保育」を実施しました。災害時の保育のあり方について、その体験談を聞くことで自分や子どもの命を大切にし,安全(防災・減災)についての考えを深めさせることを目的としたものです。
佐々木さんは東日本大震災当時,妹さん宅を訪れたときに津波に遭遇しました。妹さんは7ヶ月のお子さんを子育て中,佐々木さんは臨月を迎えている状況でした。目の前の国道は大渋滞。避難することもままならず,津波に襲われ3階の納戸に逃れた経験をお持ちです。妹さんと協力し7ヶ月の姪を何とか助けようと奮闘したこと,自分が臨月で移動もままならなかったことなどの話がありました。
佐々木さんは震災7日目に石巻赤十字で男の子を出産しました。震災で亡くなっていく方々のいる病院で,新しい命を世に送り出す奇跡や素晴らしさについてもお話しいただきました。
生徒からはこの経験から学んだこと,感じたことに,これから自分たちが気をつけていくべきことについて数多くの質問がありました。
亘理町防災キャンプin逢隈小
7/2(土)に,亘理町教育委員会生涯学習課が主催する「亘理町防災キャンプin逢隈小」に防災委員の1年生2名・ボランティア同好会の3年生2名が参加してきました。
亘理町立逢隈小学校3年生から5年生の児童ら,約30名を対象に「地震・津波について学ぶ時間」の講師を担当しました。本校生が,地震・津波の発生の仕組みと危険性,身の守り方について,スライドを使って説明しました。クイズを出したり,身の守り方を一緒に考えたりと工夫して説明することができました。
説明の最後に「今日,新しく学んだことがある人」と質問したところ,ほとんどの児童が手を上げてくれました。逢隈小の児童はもちろん,初めて小学生に説明をした4人にとっても貴重な学びの時間となりました。
生徒感想
私は今回の防災キャンプで初めて小学生とワークショップをしました。分かりやすく話せるか,みんなが思いついたことをちゃんと発表してくれるかなど,心配なことがたくさんありました。しかし,実際はみんな楽しそうに考えてくれたので,とても嬉しかったです。何度も練習してよかったなと思いました。子供たちには,今回学んだことを誰かに教えたり,自分の行動に生かしたりしてほしいです。とても良い経験ができました。
1年 清野寧音
小学生に地震や津波のことを教えるのは初めてでした。4人で打ち合わせをして,たくさんの意見を出し合ったので,より良いものにできたと思います。小学生に教えるに当たって,自分も地震や津波について知らなかったことを学ぶことができました。この経験を次に生かせるようにしたいです。
1年 髙田渚生
今回,小学生に説明するということで,どんな感じになるのかとても楽しみにしていました。練習も楽しくて,この企画に参加できてよかったと感じています。
また機会があれば,ぜひこのメンバーでもっと良いものをつくってみたいです。
3年 葛岡莉奈
初めて小学生を対象に地震や津波のメカニズムを説明しました。はじめは不安がありましたが,防災意識が高い子供たちで反応も良くて,こちらでは考えられなかった意見も出てきたので,とても楽しく説明できました。
今回,小学生に分かりやすく説明するために自分たちで調べたところもあり,私自身の地震や津波の知識も深まりました。今後もこのような活動を通して,災害の恐ろしさや災害時にどう逃げるのが安全かを伝えるとともに,自分の知識も増やしていきたいです。
3年 鈴木菜々子
海上保安庁・日本赤十字社災害合同訓練
7月20日に行われた海上保安庁・日本赤十字社災害合同訓練において、1年生の保健委員8名を中心に医療看護系志望の3年生を含めた本校生徒16名が要救助者役として参加しました。
今回の訓練は、2015年に締結された海上保安庁と日本赤十字社の協定に基づいて、海上保安庁の機動力と日本赤十字社の医療救護活動を生かして相互に連携し、災害時の傷病者の救出から医療活動までの対応を確認するためのものです。南海トラフ沖で起こった地震による津波被害で、多数の要救助者が発生する、といった想定で訓練は行われました。
機動救難士の方から要救助者としての演技指導を受けます。
傷病者の特徴や症状について、丁寧に指導していただきました。
要救助者役の生徒は実際に警備救難艇に乗船し、船ごと釣り上げられて巡視船でトリアージ・応急救護を受けました。
トリアージ訓練の前には、赤十字病院の医療救護チームが準備した医療資機材を巡視船へ搬入する様子を甲板上から見学しました。
また、ヘリコプターでの移送訓練を間近で見学し、実際にヘリの中に座らせていただきました。
午後からは、操縦室内や医務室等を見学しました。
普段の船内での生活の様子や東日本大震災当時の海上保安庁の活動などについても説明があり、生徒たちも興味深く質問していました。
また、特別に日赤の指導員の方々に船内で救急法の講習をしていただきました。
船独特の揺れがある中で行う心肺蘇生法の難しさを感じながら、実技を行っていました。
海上保安庁・日本赤十字社のみなさんとの集合写真
高校生がこの訓練に参加するのは全国でも初めてということで、生徒たちは緊張していましたが、参加した生徒からは「人を助ける仕事に就きたいと思った」「てきぱきと動ける医療従事者になりたい」といった感想が聞かれ、将来の目標につながる貴重な経験になりました。
防災・危機管理ジャーナリスト 渡辺 実さんの授業を受けました
7月21日,防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実さんの特別授業がありました。
渡辺さんは,防災・減災に関するジャーナリストで,以前から現場主義を貫く草分け的なジャーナリストです。東日本大震災はもちろんのこと,1978年(昭和53年)6月12日に発生した宮城県沖地震でも取材経験があるそうです。「防災」とは実験ができない学問であることから,現場に行って自分の目で確かめることが大切だ,という信念に基づいた方です。
渡辺さんによれば,現代は「天地動乱の時代」であり,世界各地で地震や火山噴火が起こっている話がありました。日本でも,過去の歴史に照らし合わせると,今後は関東地震(首都直下型地震),南海トラフ地震,火山の噴火などが懸念され,これらについての備えが急務であることもお聞きしました。
また,熊本地震の特徴としては,2回の震度7の地震,広域余震,大雨豪雨災害による複合災害であることを聞きました。東日本大震災の経験が活かされていることや相違点について,仮設住宅としてのトレーラーハウスの活用などの興味深い話もありました。私たちは熊本地震から,内陸地震の顔,次の宮城県沖地震への備え,防災の基本は被災地にあることを学ぶことが必要だとのアドバイスをいただきました。「防災」から「減災」へ,「減災」から「備災」へと発想や行動を変えていくことが大切だとのことです。
7月28日から,災害科学科1年生4名が渡辺さんの案内を受けながら熊本地震の被災地を訪れます。
サイエンスディ「心豊かに生きたい」に参加してきました!
7月17日に東北大学川内萩ホールで開かれたサイエンスディ対話フォーラム「心豊かに生きたい~災害とあなたの残したい未来社会~」に3年生1名,2年生1名,1年生4名が参加しました。
フリーアナウンサー柳生聡子さんの全体進行でフォーラムが進められ,会は災害科学国際研究所奥村誠副所長の講演からスタートしました。奥村先生は防災の全容を話せる専門家はいないこと,いろいろな立場の人が防災・減災を考えていく必要があることを,まず話されました。続いて築館市通大寺の金田諦應住職の講演です。金田住職は,軽トラックにお茶とスイーツを積んで,被災地を巡る「移動傾聴喫茶」のお話しをされました。この喫茶は「カフェ・デ・モンク」(坊主のカフェ)という名前だそうです。そこでは多くの被災者が自分の言葉で震災のことを話し始めるまでのことや,震災後の初めての供養は小学校5年生2名を荼毘に付したことなどの話でした。最後の講演者は合同地球会社地球村研究所代表の石田秀輝東北大名誉教授の講演でした。石田先生は現在,鹿児島県沖永良部島を拠点に活動をされています。専門はネィチャー・テクノロジーという自然に学ぶ科学技術です。少しの不自由,不便さを知恵でカバーすることで、新しい生活スタイルが確立出来ることなどの話を伺いました。
この基調講演に続いて,FM仙台の板橋恵子さんがコーディネーターとなり,はじめに私たちの活動の紹介です。多賀城高校が取り組む防災・減災活動の紹介や、1年生は災害科学科入学の動機などを話しました。また,これからの復興のあり方や,防潮堤についての考え方など,基調講演を基にした私たちの考えや感想に対して演者がコメントするという形式で会が進められていきました。
大きな舞台で,いろいろな考えや活動をされている方々とお話しできたことは大変貴重な経験となり,私たちがこれから活動する上での大きなヒントとなりました。3名の先生のお話しは今回参加できなかった生徒にも聞かせてあげたいと思い,また同じように意見交換の機会を設けられれば良いのに,と思う時間となりました。
参加生徒の感想
1年生 千葉陽太
災害科学科に入学してから3ヶ月が経ち,自然科学の話,防災・減災に努力されている方々の話,報道から見た災害の話など多くの機会をこれまでいただいてきました。今回はこれまでのような外部講師の講義ではなく,演者の話を聞き,自分の考えを述べる初めての体験でとても緊張しました。震災直後から様々な立場で活躍されている3名のお話しを聞き,これから自分はもっと多くのことを学び,実践していく必要があることを実感しました。3名の先生方から声をかけていただいた通り,これからは私たちが未来に伝えて,よりよい社会をつくっていきたいと思います。
1年生 藪内さくら
3名の先生方の大変貴重な経験を聞くことができ,「そうだ」と共感できる話や「なるほど」と納得する話などを、沢山きくことができました。私は当時小学校4年生で,知っていることよりも知らなかったことの方が多かったように思います。この経験をこれからの学びにつなげたいと強く思いました。
1年生 佐々木実夢
3名の先生,「本当にありがとうございました。」とお礼が言いたい気持ちです。ステージにあがって,何を話そうかと戸惑っていましたが,コーディネーターの板橋さんに自分の気持ちを上手く引き出してもらえたことも感謝です。復興のために力をつくしている先生方の実のあるお話を聞いて,私も頑張ろうという気持ちになることができました。
航空写真の防災・減災への利用について特別授業がありました!
7月16日国際航業株式会社の技術本部の鈴木雅人氏が来校し,災害科学科の学校設定科目「社会と災害」において,航空写真の利活用についての特別授業を行っていただきました。
航空写真の利用,特に防災・減災と関連した事柄について丁寧に説明をしていただきました。現在は航空機からの撮影だけではなく,ドローンのようなUAV(Unmanned aerial vehicle)による撮影も増えてきているそうです。これらの画像を等高線や地形図と合わせて3D処理することで様々な情報が得られたり,地上から海上までシームレスな地形情報を得ることで様々なシミュレーションが可能になっているとの話をいただきました。
後半は,地図と航空写真を用いたハザードマップづくりを行いました。多種多様な地図や情報を組み合わせることで,今までには分からなかった危険箇所の把握が出来ることを学びました。秋にはJAXAから人工衛星画像の活用についても学ぶので,これらを組み合わせて学習していきたいと思います。
今年も「海猿」が来てくれました!
7月12日(火),本格的な水のシーズンを前に,宮城海上保安部・巡視船くりこま潜水士の方々を招き,「海上保安庁 水難安全教室」を本校プールで行いました。水難事故から身を守る上で必要な知識・技術を身につけ,救助の際の注意事項を知り,安全に救助する方法を習得することを目的にしています。
まずは『劇団くりこま』による寸劇が披露されました。誤って海に落ちた場合に,慌てて服を脱ごうとすると溺れてしまうので,慌てずに「背浮き」で救助を待つ大切さを教えていただきました。
続いて実際に,3年生が着衣のままプールに入る「着衣泳」を体験しました。体の力を抜いて浮き続ける難しさを体験しました。潜水士の方によると,人間は比重の関係で2%は水面から上に出して浮くことが出来るそうです。その2%が顔の部分であることが大切であり,そのために力を抜くことが必要です。続いて空のPETボトルを使っての『背浮き」です。たった一本のPETボトルを使うだけで,かなり楽に浮くことができました。
次に,救命胴衣を着用してみました。ほとんど苦労することなく浮くことが出来る救命胴衣の大切さを知ることができました。また,新型の水に落ちると膨らむタイプの救命胴衣についても実際に見学することが出来ました。
最後に,本校卒業生である田中潜水士が,救助の実際についてのデモンストレーションを見せてくれました。
熊本県へ! 熊本県立東稜高等学校 御船町立滝尾小学校との生徒交流
7月4,5日の2日間に渡り熊本県を訪れました。
今回の目的は被災地にある学校と生徒間交流を行うことです。訪れたのは「熊本地震募金」で集めた義援金を寄付させて頂いた、熊本県立東稜高等学校、御船町立滝尾小学校です。
熊本県は宮城県から約1500km離れており、飛行機で約4時間かかります。7月4日は気温が33度まで上昇しました。
はじめに熊本県立東稜高等学校を訪れました。
熊本地震後は避難所となり2000人の避難者を受け入れたそうです。しかし自治会との協力により避難所運営はスムーズに行われたことを教えていただきました。
地震の傷跡も見ることができました。今年度、授業は遅れて始まり現在も体育館を使用できない状況ですが、生徒の皆さんは元気に活動していました。
生徒間交流では、生徒会長の福永君を中心とした生徒会執行部の皆さんと交流しました。はじめは緊張していた皆さんでしたが、徐々に打ち解け、防災活動やお互いの学校文化について話が盛り上がりました。
次に7月5日です。5日はまず、熊本城を見学しました。熊本城への立ち入りは禁止されていたので、熊本市役所の14階 展望室から被災箇所を見学しました。
ニュースでおなじみの箇所、「飯田丸五階櫓 いいだまるごかいやぐら」です。
激しく壊れていますが、復旧工事がはじまっていました。
熊本城の次は御船町立滝尾小学校へ向かいました。
現在、学校への道が崖崩れにより寸断されているため、滝尾小学校は御船中学校の敷地内に間借りして授業を行っていました。
滝尾小学校は全校生徒75人ほどの小さな小学校です。コミュニティーホールを段ボールで四つに仕切り、授業を行っていました。それぞれの授業の声が入り交じっていましたが、生徒は元気に授業に取り組んでいました。
防災をテーマにした活動では5,6年生と交流しました。皆さん、しっかりと自分の意見を発表してくれました。
給食もごちそうになりました。一緒に食事をすると緊張もほぐれ、児童の方からいろいろと話しかけてくれました。おかげさまで短い時間でしたが、すっかり打ち解けることができました。
被災地の皆さんは、厳しい環境の中でもしっかりと部活や勉強に取り組んでいました。私たちの義援金が少しでも力になればと思いました。
今後も生徒会の活動として様々な被災地支援を行っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。 (写真は募金活動に参加した生徒会執行部とボランティ同好会の皆さんです。)
生徒感想 災害科学科 長谷まりん 7月4日、5日と熊本を訪問して2つ印象に残ったことがあります。まず1つ目は、熊本地震も現地の人にとっては「予期せぬ」災害であったことです。自分の住む場所で震災が起きるとはあまり考えず、地震に対する備えや、心の準備が十分でなかったというお話が印象的でした。現在日本では、どの地域でも地震が起こりうる状況ですので、耐震工事を含めた災害に対する備えを地域格差のないように行っていく必要性を感じました。 |
平成28年度3学年防災ワークショップ
5月30日(月)の5,6校時,3学年の生徒を対象とした防災ワークショップが開催されました。今年度は,二つのグループに分かれて実施されました。一つは「社会支援ワークショップ」,もう一つは「防災図上訓練」でした。
「社会支援ワークショップ」では,株式会社アソボットから本谷忠大氏を講師にお招きし,3年1組から5組の生徒を対象に,武道場でアソボットの事業内容説明と今回のワークショップの概要の説明をいただきました。今回のワークショップでは,まず,様々な支援活動を行っている団体が記載されている『Hello Life!』という冊子を読み,その後,その冊子を読んで,自分が支援したいと思う団体を選び,その支援活動基金としてメッセージを添えてSocial Passとして500円分を寄付するということが説明されました。この500円は,社会貢献のためとして集められた募金が,高校生に様々な支援活動を行っている団体について知ってもらい,支援に関わる一歩を踏み出してほしいという願いから提供されたものでした。生徒たちは各教室に移動した後,熱心に冊子を読み,支援金と一緒に送るメッセージカードに,自分が選んだ団体に対する気持ちを書き込んでいました。
もう一つのワークショップは「防災図上訓練」でした。こちらは株式会社八千代エンジニアリングから 寺脇 学氏と籠田純士氏を講師にお迎えして実施されました。まず,3年6組と7組の生徒を対象に,視聴覚室で「大規模災害(洪水・土砂)に備えて」というタイトルで講義を聴きました。今回は数百年に1度起こるかどうかという地震や津波ではなく,多賀城市近辺で発生した過去の洪水災害が紹介されるなど,より頻度が高く身近に発生する可能性がある洪水と土砂災害についての意識を高めるための講義でした。講義の後は,各教室に移動し,「防災図上訓練」を体験しました。グループを作り,模造紙に書かれた地形図を見ながら,災害が起こりそうな状況でどのような情報を収集できるのか,それをもとにどのような判断を下すのかについて考えました。生徒たちは,講師にアドバイスいただきながら,熱心に意見を交わし合い,その後,グループごとに話し合ったことを発表しました。講師の方からは,防災について大切なのは,まず知識を豊富に持つこと。そしてその地域の特性をよく把握すること。さらに時間経過に応じた答えを考えることが大切だとお話いただきました。
これらの防災ワークショップは,生徒たちが,自分たちの命を守るだけでなく,周囲の人の命を守るために自ら考えて行動できる人材になるためのきっかけとなったようです。
防災リュック(ライフセーブリュックサック)開発者を招いての特別授業を行いました!
平成28年6月8日(水)「くらしと安全A」の時間に,一般社団法人DSC事業部長の宮坂龍彦氏をお招きし,防災リュックについて,その開発経緯と機能を学びました。
宮坂さんは,震災直後に東松島市の野蒜海岸付近に入り,行方不明者の捜索やボランティアに携わったそうです。その時の経験を通し,一人でも多くの命を守りたいとの思いから防災リュックの開発に至った話を聞きました。
紹介していただいた防災リュックを身に付けることで,長時間仰向けのまま水に浮いていることが出来るそうです。災害時に目立オレンジ色のリュックの中には非常用の水や携行食も入っています。今後本校ではこのリュックの使い勝手や中身などについて考えていきたいと思います。
東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」を用いたモデル授業
平成28年3月18日(金)本校のコンピュータールームにおいて,国立国会図書館電子情報部 諏訪康子 主任司書を講師とした特別授業がおこなわれました。
国立国会図書館が開発した東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」は,全国にある東日本大震災のデジタルアーカイブ(電子記録)をとりまとめたものです。宮城県図書館が作成したアーカイブ,多賀城市が作成したアーカイブ,NHKのニュース映像など様々なデータベースを検索できるシステムです。震災を後世に伝える,各地に伝える方法としての有効な手段として注目の高い仕組みです。
授業では,アーカイブの仕組みや検索の仕方を学習し,最後にはアーカイブを用いた防災ポスターの製作を行いました。
今後は,このデータベースを様々な授業で資料として用いるほか,課題研究などでの学習活動で活用していきたいと思います。
※「ひなぎく」
「ひなぎく」は,国立国会図書館東日本大震災アーカイブの愛称。「ひなぎく」は、東日本大震災に関する音声・動画、写真、ウェブ情報等のデジタルデータや,関連する文献情報を一元的に検索・活用できるポータルサイト。
政府の「復興構想7原則」や「東日本大震災からの復興の基本方針」において,地震・津波災害,原子力災害の記録・教訓の収集・保存・公開体制の整備を図り,国内外を問わず,誰もがアクセス可能な一元的に活用できる仕組みの必要性が掲げられた。東日本大震災の記録を国全体で収集・保存・公開するため,宮城県図書館など国内外の様々な機関・団体と協力し,アーカイブ構築に取り組んでいる。
平成28 年度全国防災ジュニアリーダー育成合宿2日目
合宿2日目です。
「朝の集い」で1日が始まります。
朝食後、講義2「阪神淡路大震災を語り継ぐ」、
講義3「南海トラフ地震について」を受けました。
こちらは講義中に行われた縦波、横波の実演。
その後、多賀城高校 災害科学科の活動、学校の防災活動全般について発表をおこないました。
午後は防災活動アクションプランの作成です。
「アクションプランは1年で実現可能な計画であること」との指導を受け、各学校毎にアクションプランの作成をおこないました。
多くの生徒が「学校全体を巻き込んだ防災活動を展開したい!」と考えていた事が印象的でした。
アクションプランについて本校生徒の発表。
熊本県立第二高等学校から質問を受ける我らが多賀城高校生。
参加したすべての学校が発表を行いました。
どの生徒も熱心に発表を聞き、新しいアイディアを取り入れようとしていました。
次回は最終日になります。