防災学習プログラム

 東日本大震災の検証や,日本・世界で起こる災害被害を調べ,防災・減災の基本知識を身に付け,自然環境との共存や人間社会の限界を理解し,東日本大震災の教訓,防災および減災に強い街づくりなどについて発信するプログラムです。このプログラムでは自治体や公共機関,大学,企業,NPOなどと連携協力しています。
 また,高校生をはじめとした全国の人々との交流を通し,自分たちが学んだことを発信していきます。

防災学習プログラム 令和3年度

京都市立塔南高等学校「防災ボランティアリーダー」との交流

 2月18日(金)17:00~18:00に京都市立塔南高等学校の防災ボランティアリーダーの代表6名と本校災害科学科2年生の代表8名が参加し,お互いの学校が取り組む防災活動に関する情報交換をオンラインで行いました。

 塔南高校では,防災ボランティアリーダーとして20名が活動しており,地域や行政機関と連携して防災・減災意識の向上を図るなど,防災・減災に意識の高い活動を行っています。塔南高校からは防災ボランティアリーダーの取り組みや防災クイズの紹介などがあり,本校からは東日本大震災における宮城県の被災状況や,本校が取り組む津波波高標識の設置活動,栗駒・気仙沼巡検などを紹介しました。

 お互いの活動報告が終わった後の意見交換では,本校生徒は東日本大震災で自らが体験した情報を伝えたり,現在の復興状況を伝えたりする等,防災・減災の高い志を持つ遠隔地の高校生と気持ちの繋がる交流を行いました。

防災 令和2年度

令和2年度 第25回「防災まちづくり大賞」最高賞受賞

総務省が主催し、防災・減災に関する優れた取組を表彰する「第25回防災まちづくり大賞」に、多賀城高校が最高賞である「総務大臣賞」に選ばれました。

この賞は、地域に根ざした活動や、災害に強い安全なまちづくり、人づくりの推進に顕著な功績のあった団体を顕彰するもので、本校は「東日本大震災の教訓を未来に伝え国内外の防災・減災に貢献する人材を育てる学校づくり」を評価されての受賞となりました。

受賞理由(概要)は

・津波標識の作成、設置活動や伝承活動としての被災地域「まち歩き」案内活動、全国の被災地へのボランティア活動、また中高生の交流による防災リーダーの養成は、模範的な取組みと言える。さらには災害科学科の設置など、先進的かつ防災新世代の育成拠点として期待できる。・東日本大震災から10年にふさわしい受賞候補団体。災害科学科の設置だけでなく、活動の起点となった津波標識の設置やロータリークラブと連携した「まち歩き案内」活動等、地域と連携した多彩な活動も高く評価できる。

 というものです。これまでの本校の取組、そして現在の活動が評価されての受賞となりました。

賞状と盾を持つ生徒会長の櫻井乃綾さん(左)と副会長の金谷紅さん(右)

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NHKラジオ(全国放送)に災害科学科生徒が出演 !

災害科学科の生徒12名が、NHKラジオ第1放送 毎週月曜~金曜 午前8時30分~11時50分に放送している「らじるラボ」という全国放送の番組に出演しました。

9月の防災月間にあたり、8月31日(月)から9月4日(金)、午前11時30分頃からの約10分間、全国のみなさんへ「高校生からの『備える』メッセージ」と題し、災害に対しての日頃の備え等を伝えました。

出演した12名は、2~3名ずつチームを組み、日替わりで5日間にわたり防災についての知識や話題を届けました。収録は8月26日の放課後、オンラインで学校とNHKのスタジオを結び行われ、吾妻アナウンサーとの掛け合いの中で、自分の伝えたいことをしっかりと語っていました。

 8月31日(月)のテーマ「自助」

  出演者:伊藤凜さん(3年・田子中出身)、佐藤清華さん(3年・幸町中出身)、

                      細井実桜さん(3年・高崎中出身)   

    9月1日(火)のテーマ「オリジナルハザードマップづくり」    

  出演者:門脇孝太朗君(2年・宮教大附中出身)、櫻井乃綾さん(2年・多賀城中出身)

 9月2日(水)のテーマ「非常用持ち出し袋」

  出演者:村上真綺さん(3年・五城中出身)、吉村綾華さん(3年・鹿島台中出身)

 9月3日(木)のテーマ「食」

  出演者:加川心愛さん(3年・向洋中出身)、和久凜佳さん(3年・田子中出身)

 9月4日(金)のテーマ「避難所とDIG・HUG」

  出演者:大堀楓河君(3年・塩竈一中出身)、目黒莉玖君(3年・蒲町中出身)、

      小野寺莉美香さん(3年・塩竈一中出身)

 

収録中の村上真綺さん(右)と吉村綾華さん(左)

 

 

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防災 平成31年度&令和元年度

第5回全国被災地語り部シンポジウムin東北

 2月24日(月)に南三陸町・ホテル観洋で行われた「第5回全国被災地語り部シンポジウムin東北」に生徒4名が参加しました。

 まずホテル観洋の語り部伊藤さんの案内で,戸倉小学校・戸倉中学校・震災遺構高野会館を巡りました。

 ホテルに戻り,基調講演・メインディスカッションの後に,小・中学生,高校生で行われた分科会「未来への伝承~震災遺構と私たちの向き合い方~」に参加しました。意見交換を通し,学びを深めることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《生徒感想》

3年 災害科学科 川名啓介

 今回のシンポジウムは,「語り部」「震災遺構」について改めて考えるよい機会となりました。

 語り部バスでは,津波がどのように到達したかや,どのように避難したかなど当時の様子を教えてもらいました。「語り部」がいるからこそ,あの日の出来事をたくさんの方に伝え,次に備えることができると感じました。

 また,分科会では,震災遺構について話し合い,地域が違うからこそ様々な意見が出て,とてもよい経験ができました。学んだことを活かし,私もたくさんの方に東日本大震災の教訓を伝えていきたいと思います。

 

3年 災害科学科 菅野圭汰

 南三陸町で行われた語り部シンポジウムに参加しました。バスで語り部さんの話を聞きながら震災遺構を巡りました。高野会館の中は,まるで3月11日から時間が止まったかのように津波の生々しい爪痕を私たちに見せつけました。

 分科会では,各校の活動を発表し合った後,震災遺構の保存について話し合いました。気仙沼や釜石など被害が大きい地域の生徒から津波の体験談を自分の耳で直接聞けたことは,これから大学で防災・減災を学ぶ上で大きな糧となると思います。

 時間が過ぎるのが早く感じ,気がつけば終わっていました。そんな濃い一日となりました。

 

3年 災害科学科 笹 千夏

 震災遺構である高野会館を見学したことで,改めて津波の恐ろしさを感じさせられました。階上中学校の生徒による語り部活動がとても内容が濃かったので,知見が深まりました。

 雁部さんの「震災遺構を必ずしも解体・保存に分けるのではなく,未定にするのも一つの道」という言葉に感銘を受けました。

 今までよりもさらに成長できたと思います。とても身になる一日でした。

 

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山王地区防災キャンプ

7月25日に山王地区公民館で開催された防災キャンプに6名の生徒がボランティアとして参加してきました。

山王地区の防災キャンプは今年度より1泊2日の日程で実施となりましたが、本校生徒は1日目の夕食までの参加といたしました。

小学生の参加者15名の他に、多賀城二中と仙台育英学園の生徒も小学生のお世話役として一緒に活動しました。グループのリーダーとして、グループ内のコミュニケーションを円滑に進めるために自己紹介ゲーム等でアイスブレーキングを行い、避難所での生活を想定したプライベート空間を確保するためのパーテーションなどの寝床づくり、サバ飯づくりでは空き缶を使った炊飯などを行いました。

寝床づくりでは段ボールを使って趣向を凝らしたパーテーションを作ったり、ベッドを作るなど様々なアイディアで一晩の寝床を作成していました。どういうコンセプトで作ったのかも各グループから発表がありました。

サバ飯は空き缶に適量の米と水を入れ、アルミホイルで蓋をしたものを焚火の上にのせて炊飯を試みましたが、アルミホイルが上昇気流で浮き上がり外れてしまったり、焚火の火力にムラがあったため、なかなか炊き上がらないなど苦労しました。

小学生の参加者は翌日まで事故等もなく無事にプログラムを終えたとのことでした。小学生にとってもよい思い出となったことと思いますが、高校生にとってもよい経験となりました。山王地区公民館の皆様をはじめ、関係者の皆様ありがとうございました。

 

参加者感想

 災害避難所用間仕切りとして段ボールのパーテーションを班ごとに作成、発表したり、アルミ缶を焚火の上の網に乗せて炊飯する「サバ飯」体験の手伝いをしました。

 他の高校生ボランティアと協力しながら、小学生が怪我なく楽しめるようにサポートしました。このような活動は楽しみながら学ぶことができる貴重な体験活動なので、今後も積極的に参加したいと思います。

2年 髙橋和寛

 

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第4回福島第一廃炉国際フォーラム・学生セッション

第4回福島第一廃炉国際フォーラム・学生セッションに参加してきました。

 8月2~4日富岡町を主会場にした「第4回福島第一廃炉フォーラム・学生セッション」(主催:原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF))に本校科学部の代表4名が参加してきました。オリエンテーション後、福島第一原子力発電所内サイト(1F)を視察。楢葉町サイクリングターミナルに会場を移し、1F廃炉に向けた研究開発の取組の現状や福島イノベーション・コースト構想について学びました。その後、講演内容を踏まえたテーマごとの話し合いがもたれ、翌4日のプレゼンテーションに向けた準備に入りました。
 4日(日)富岡町文化交流センター「学びの森」を会場に「地元の皆様と考える1F廃炉」フォーラムが開かれ、班ごとにプレゼンテーションを行いました。

【感想】
 3日間の活動の内、2日目には実際に福島第一原子力発電所を見て回ったり、現地の人たちの活動の内容を聞いたりし、3日目には、2日目に学んだことを活かして発表をしました。
 福島第一原子力発電所を見学するというのは滅多にない体験なので、実際に見ることができて良かったと思います。それと同時に、今、現地に置かれた状況を実感しました。そして、福島の人や周辺の学校の人たちと共に廃炉について考えることができた良い体験になったと思います。(2年市川一紀)

 私が今回、廃炉フォーラムに参加して心に残っていることがあります。それは、「福島第一原発」の現状についてです。今回、初めて原発に入りました。今まで原発についてはテレビなどからしか情報を得ることがなく、私は深く考えることなく原発に対し怖いと感じていましたが、自分の目で見て、感じたことで、原発への印象が変わったように感じます。この経験から、多様にある情報から事実を抽出できるようになりたいと思います。(2年伊藤瑛玲奈)

今回、私は廃炉フォーラムに参加して、たくさんの経験をすることができました。
 廃炉資料館では、原発の現状や廃炉について説明を受け、実際に原発を見学しに行きました。原発についての正しい知識を身につけることができ、実際に目で見ることで原発周辺の地域の復興がほとんど進んでいないということを改めて実感しました。グループでの活動では、関東からの高校生や地元の高校生もいたので、様々な視点からの意見を聞くことで、考えをより深めることができました。
 廃炉フォーラムに参加する前までは誤解していたことや知らなかったことがたくさんあったので、今後は、正しい知識を身につけた上で福島原発や廃炉について考えていこうと思いました。(1年佐藤蒼太)

 この廃炉フォーラムで私は原発に対する思いが何倍にも膨れ上がりました。それは施設を見学したことだけではなく、グループディスカッションを通じて参加した人の思いに触れたからだと思います。皆の原発に対する思いは私が考えていたよりも強く感動しました。しかし、それと同時に福島の人と宮城の人で大きな温度差があるなと感じました。これは、福島県民の人に比べて他県民の原発に対する興味・関心が薄いことが原因だと思います。この意識を改善するのは難しいけれど、できることをして、私の身の周りの意識だけでも変えていきたいと思います。(1年武田侑真)

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多高祭での防災・減災に関する展示について

8/31(土)に行われた多高祭において,災害科学科1・2年生と防災委員会が非常食試食コーナーや防災・減災に関する展示,防災スタンプラリーを行いました。

くわしくはこちら→R1多高祭における防災・減災に関する展示について.pdf

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防災学習プログラム 平成30年度

多賀城市大代地区公民館「防災キャンプ」

多賀城市大代地区公民館「防災キャンプ」に参加しました!

8月10日(金)・11日(土)と1泊2日で,多賀城市大代地区公民館で行われた「防災キャンプ」に本校生徒5名(防災委員・有志)が参加しました。今年で3年目となるこのキャンプには,多賀城東小学校の4~6年生だけでなく東豊中学校の生徒も参加しました。小・中・高校生が協力し,防災に関する様々な内容について体験を通して学びました。

【消防士による心肺蘇生法とAED実習,消火器体験】

【公民館のかまどベンチを利用してのビニール袋炊飯】

【大代地区自主防災組織による防災資材組み立て体験】

【本校生によるDIG(災害図上訓練)】

【ろうそくづくり】

【生徒感想】

3年 災害科学科 阿部 大和(気仙沼市立小泉中学校出身)

 自分たちが担当をした小中学生との災害図上訓練は,自分にとってとても刺激になりました。高校生の私が普段,災害図上訓練のような活動をするときは,当然ながら高校生同士で行います。ですので,今回の場合,小学生と共にいかに要領良く進め,でもヒントを与えすぎないで小学生から考えを引き出すということに難儀しました。

 自分の担当した班では,地図の読み取りに時間をかけ過ぎてしまい,肝心の話し合いとまとめがかなり急ぎ足になってしまいましたが,小学生はみんな真面目に取り組んでくれました。小学生にとって今回の経験が災害時に役立つかどうかは分かりませんが,リスクマネジメントの感覚を少しでも感じてもらえていれば幸いです。

今回は反省点も多々ありますが,実際に行わなければ得られないものだと思うので,とても良い経験となりました。次の機会に生かしたいと思います。

 

2年 災害科学科 佐瀬  翼(多賀城中学校出身)

 私は,災害を想定して公民館に1泊する防災キャンプは初めてだったので,災害時のイメージをもつ,知識を活かすという意味でとてもいい経験ができました。また,小中学生と1泊を通しての交流や協力しての活動もあまり経験がなかったので避難所での共同生活もイメージできたので良かったです。

 小中学生は,1つ1つの活動に全力で取り組んでいました。少しはしゃいでいても,いざとなると目の輝きが増して一生懸命になる姿に感動しました。東日本大震災の時には,小学生や幼児だったのに防災・減災について関心があり,自分の考えもしっかりともっていて驚きました。これから,もっと下の世代も防災・減災に関心をもち,防災キャンプなどに参加してほしいと思います。

小学生と接したことで,昔の自分を思い出して当時を振り返ることもできました。貴重な機会をありがとうございました。

 

2年 普通科 武藏 陽治(東仙台中学校出身)

 今回のキャンプはとても充実したものとなりました。地域の方々が企画してくださったサバ飯作りやテント組み立てでは,学校の授業では得ることができない知識を得ることができました。

また,私たちが企画した災害図上訓練では,小学生が真剣に取り組んでいて,高校生の私たち以上に防災についてしっかりと考えているのだなと感じました。

参加する前は不安しかありませんでしたが,小学生が防災について真剣に考えながら私たちの企画に参加してくれたため,自分たちの活動がとても良いものだったと気付き,達成感を得ることができました。

 今回のキャンプの成功は,地域の方々やボランティアで参加してくれた中学生のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。

山王地区公民館防災キャンプ

  防災委員会より7名の生徒が防災キャンプにボランティアとして参加してきました。自己紹介を兼ねたゲームを本校生が中心となり実施し、グループ毎に交流を深めるきっかけをつくることができました。カートンドッグ作りは小学生のお手伝いとして、防災に関する講義や実習には小学生と同じ目線で参加することができました。本校生としても、とても有意義なものとなりました。

 

 小学生・中学生・高校生、地域の方々との交流はとても楽しく貴重な体験でもありました。今日は1日を通してサバ飯のカートンドッグ作り、仙台管区気象台による講義、消防士・消防団による消火器の使い方と簡易トイレの作り方についての説明を行いました。小学生は今年も積極的で本当に楽しく学んでいて、その姿はとても凜々しく2年連続参加して良かったと改めて感じました。小学生には来年も是非参加して欲しいし高校生も積極的に参加することで防災の輪が広がると思いました。(3年 関根愛美)

 これまで小学生や中学生と交流する機会があまりなかったので、とてもよい経験になりました。防災についても改めて学ぶことができたので良かったです。(3年 若松実花)

 今回はボランティアということで参加しましたが、災害についてこれから実践できるようなことばかりでした。いくら物質を備えたところで、それを効果的に使うことができなければ無用の長物となるので、しっかりと知識も身につける必要があると感じました。(1年 佐藤 遥希)

 今回の山王地区公民館防災キャンプは、小中高生と大人の方々と行いました。普段の防災についての学習は、小学生のみ、中学生のみといった偏った年齢層の集団で行うことが多いと思うのですが、実際に災害が起こったら地域の方々と協力しなければならないので、そういった点では、今回の防災学習は実際に近い形で行えたと感じています。普段行えないようなことも沢山行って、災害に関する知識も深まりました。(1年 松山 翔海)

 当日は暑かったので、怪我に加えて熱中症も心配されていましたが何事もなく楽しく終わることができました。事前研修ではカートンドッグを試作しました。そのときはアルミホイルの巻きが足りず、焦げてしまいました。その失敗から当日はアルミホイルの巻く回数を増やすことによりよい焼き加減となりました。魚肉ソーセージの他にも、ちくわを挟んだものもつくりました。絶品でした。

 活動を終えて小学生が興味を持って主体的に取り組んでいる姿はとても良かったと思います。また、災害時に役立つ情報を知ることができて良い経験になりました。しかし、一方で交流が少し足りなかったかもしれないという思いもあります。また、多高生として、防災についての知識をさらに深めていく必要性を実感しました。次回にこういった活動に参加するときには今回の反省を活かしていきたいと思います。(1年 千葉 美月)

 

 

岩沼市玉浦地区子ども育成会「防災キャンプ」に参加しました。

 7月21日(土)に,本校1,2年生の防災委員15名が,岩沼市玉浦コミュニティセンターで行われた「防災キャンプ」に参加しました。
 玉浦地区では,子ども育成会が毎年「防災キャンプ」を開催しています。
 防災委員は,小学校4~6年生を対象に「災害図上訓練」を担当しました。2名が進行役を務め,13名が各グループに入って活動をサポートしました。
 まず,スライドを用いて「地震・津波の基礎知識」を確認しました。

 次に,玉浦地区の地図を用いて,津波が心配される場合に避難できる「3階以上の建物」に印を付け,その場所からコンパスで200m,400m,600mの円を地図に示して避難所要時間を把握させました。
 玉浦地区の小学生は,自分の地域を知り,しっかりと災害時の避難場所を考えていました。

 そして,西日本豪雨の写真や資料を提示し,岩沼市のハザードマップも確認させました。
 玉浦地区は,大雨によって阿武隈川が氾濫した場合,浸水域になると想定されており,今回の豪雨災害は決して他人事ではないことを確認することができました。
 最後に,台風や大雨で洪水の心配があるときには,避難指示が出なくても川が氾濫する前に内陸部への避難が必要であることを確認しました。

 防災委員は,玉浦地区の小学生,地域の方とともに津波・洪水の避難場所や避難するタイミング等を考えることができました。小学生が真剣に考える姿に刺激をいただきました。貴重な機会をありがとうございました。
【生徒感想】
1年 普通科 千葉 美月(田子中学校出身)
 私は今回進行役を務めました。打ち合わせ期間が短かったので,私は限られた時間で要点を整理し,小学生に伝わるような表現を考えました。バスの中でも原稿を見直し,いざ本番。本番では緊張してしまい,思ったように話せませんでした。しかし,小学生は積極的に活動してくれたのでよかったです。
 今回,うまく進行できず悔しさも残りました。この経験を多高祭での発表やこれからの生活に活かしていきたいです。

1年 普通科 堀内 海里(塩竈第三中学校出身)
 今回の防災キャンプは,私にとって初めての校外での活動でした。バスでの移動中に,玉浦地区の災害公営住宅も見ることができ,以前よりも復興が進んでいることが分かって嬉しく思いました。
 今回の活動は,小学4~6年生を対象に行ったものでした。震災当時,2~4歳だったので,当時の記憶はほとんどないと思います。しかし,ワークショップでは,小学生たちが「ここは危ないから行かない方がいいよね。」「避難するときはここに逃げよう。」と話し合っており,自分のこととして考えていてすごいと思いました。
 私たち防災委員のプレゼンテーションやワークショップによって,防災・減災に関する知識がより深められたと思うので,今後もこのような活動を一つ一つ大切にしていきたいと思います。

1年 災害科学科 細井 実桜(高崎中学校出身)
 防災キャンプに参加した小学生は,楽しそうに,そして真剣に活動に参加してくれていたので,しっかり自分の住む地域について考えているなと思いました。
 私は災害科学科ということもあり,今回の活動がとても楽しかったです。特に,スライドを用いた「地震・津波の基礎知識」では,新しく分かったこともあり,参加して良かったと思いました。またこのような機会があったら,参加したいです。

2年 災害科学科 佐瀬 翼(多賀城中学校出身)
 防災キャンプに初めて参加しました。まず,小学生が明るく元気で圧倒されました。それでも,やるときは真剣に活動に参加し,しっかり意見を発表できていて立派だと思いました。
 私のグループでは,高い建物の場所,自分の家からの避難所要時間を考えただけでなく,どこに避難するべきか様々な意見が出て,有意義な活動となりました。私自身も玉浦地区のことや小学生の防災に対する考えを知ることができて,とても勉強になりました。
 このような大規模な防災学習ができるのも,スタッフの方々の力があってこそ,誰かの支えがあってこそだと感じました。各地域でも防災キャンプを行い,より多くの人が参加してくれたら良いと思いました。

塩竃一中 防災活動

 6月10日(日)に,本校2年生の防災委員13名が,塩竈一中の「防災活動」の講師を務めました。  この日は,塩竈市総合防災訓練の日で,塩竈一中では,市全体の避難訓練の後に学年毎に防災活動に取り組みました。
本校防災委員は,中学2年生115名と地域の方を対象に「多賀城高校における防災活動の発表」「防災ワークショップ」を行いました。「多賀城高校における防災活動の発表」では,「災害科学科の授業内容」も紹介しました。塩竈一中の生徒さんは,私たちの発表を興味深く聞いていました。

「防災ワークショップ」は,地域の方にも参加していただき,12グループに分かれて行いました。グループ毎に自分が「沿岸部」「都市部」「山間部」のどこにいるかを決めてもらい,その場所で台風が接近して大雨と強風が心配されるときに「起こりうる災害や被害」と「事前の備えや身を守る行動」を考え,最後には全体で発表しました。地域の方がたくさん参加してくださり,中学生と活発な意見交換が行われて有意義なワークショップとなりました。防災委員にとって貴重な経験となりました。ありがとうございました。

【生徒感想】
2年 災害科学科 小角神月(高崎中出身)
 ワークショップでは,メインファシリテーターをさせていただきました。不安と緊張はありましたが,他の防災委員メンバーと塩竈一中の生徒さん,地域の方々のおかげで,限られた時間の中でスムーズに進めることができました。中学生だからこそ思いつく考えもあり,私自身が学ぶこともありました。この経験を災害科学科の活動でも活かしていきたいです。

2年 普通科 長浜ひかる(塩竈一中出身)
 今回は自分の出身校ということもあり,やりやすいところもありました。自分が中学生のときは,高校生と一緒に防災について学ぶ機会はなかったのですが,後輩たちは,みんな防災への意識や自分の意見をしっかりもっていて凄いなと思いました。もっと中学生と高校生とで防災について考える機会が増えると良いと思いました。

2年 普通科 武藏陽治(東仙台中出身)
 始まる前は心配でしたが,話し合いが活発に行われていたので,とても良かったです。また,地域の方々のご協力もあり,貴重なご意見をいただくことができました。そして,私自身も防災に対する意識が高まったように思います。今後の活動でも,防災・減災についての知識を多くの人に広められるよう,努力していきたいです。

2年 災害科学科 佐瀬 翼(多賀城中出身)
 中学生は,僕たちの説明をしっかり聞いてくれました。また,たくさん質問をいただきました。そんな前向きな姿勢を見て,中学生の防災意識の高さや何事にも全力で向き合い解決しようとする積極性を感じ,素晴らしいと思いました。自分にも新たな発見があり,とてもいい経験ができました。ありがとうございました。