平成28年度

特別授業「高齢者と健康」

 8月29日、宮城大学看護学部の高橋和子教授をお迎えし、『高齢者と健康』と題し特別授業をしていただきました。この授業は、教科「保健」の『加齢と健康』『高齢者のための社会的取り組み』の内容を踏まえ、さらに高齢者の災害時における安全について学ぶことを目的としたものです。

 前半は加齢に伴う心身の変化と社会的変化、災害の発生と高齢者への影響を学び、授業後半のグループワークでは、災害時における高齢者の困りごとを考え、さらにどんな備えが必要であるかを検討しました。

【生徒の感想】

  • 資料の「生きがいを感じていない人の割合」から社会との関わりが少ないお年寄りが生きがいを感 じていないのだということが分かり、祖父母や地域の高齢者と話をしたり、挨拶をしたり、日常的 に関わりを持っていきたいと思った。
  • 高齢者にスポットを当ててこれだけの意見が出るということは、外国人や赤ちゃんがいる家庭、妊 婦さんにはどんな配慮ができるのか共有できたらいいと思った。
  • 加齢に伴う心身・社会的変化も個人によって違い、高齢者を助けようという考えだけでなく、互い に支え合って地域をよりよくしていく考えを持たなくてはいけないのかなと思った。
  • 災害発生時だけでなく、発生から1ヶ月後、1年後と問題・課題となる内容も変化することを知っ た。高齢者に「危ないから」という理由で全てやってあげるのではなく、体力や健康を維持しても らうために「この人には何ができるのか」を考えることが必要だと思った。
  • 家族が高齢者を支えるだけでなく、地域で支え合う「地域包括ケアシステム」というものがあるこ とを初めて知った。
  • 高齢者は自分たちより体が動きにくく、日常生活はもちろん、災害時はその何倍も苦労することを 学んだ。日常的に関わり合いを持ち、サポートしていくことが大切だと気づいた。

【グループワーク:高齢者が災害時に困らないために必要な備えは?】

  • 高齢者の健康維持や地域作りとして、体力作り、ラジオ体操、避難訓練の実施、回覧板にはイベン ト系の催し物を盛り込んでみる
  • 非常食や飲料水は多めに準備しておくこと、また非常食は高齢者でも食べられる物を準備する
  • 若者が蘇生法、止血法を学ぶ
  • 独り暮らしの高齢者の把握、ハザードマップの作成と避難ルートの確認
  • 避難所は広くバリアフリーであること、車いすやラジオ、発電機を準備しておく

などの多くの意見が出されました。