2016年7月の記事一覧

航空写真の防災・減災への利用について特別授業がありました!

 7月16日国際航業株式会社の技術本部の鈴木雅人氏が来校し,災害科学科の学校設定科目「社会と災害」において,航空写真の利活用についての特別授業を行っていただきました。
 航空写真の利用,特に防災・減災と関連した事柄について丁寧に説明をしていただきました。現在は航空機からの撮影だけではなく,ドローンのようなUAV(Unmanned aerial vehicle)による撮影も増えてきているそうです。これらの画像を等高線や地形図と合わせて3D処理することで様々な情報が得られたり,地上から海上までシームレスな地形情報を得ることで様々なシミュレーションが可能になっているとの話をいただきました。

  

 後半は,地図と航空写真を用いたハザードマップづくりを行いました。多種多様な地図や情報を組み合わせることで,今までには分からなかった危険箇所の把握が出来ることを学びました。秋にはJAXAから人工衛星画像の活用についても学ぶので,これらを組み合わせて学習していきたいと思います。

  

今年も「海猿」が来てくれました!

 7月12日(火),本格的な水のシーズンを前に,宮城海上保安部・巡視船くりこま潜水士の方々を招き,「海上保安庁 水難安全教室」を本校プールで行いました。水難事故から身を守る上で必要な知識・技術を身につけ,救助の際の注意事項を知り,安全に救助する方法を習得することを目的にしています。
 まずは『劇団くりこま』による寸劇が披露されました。誤って海に落ちた場合に,慌てて服を脱ごうとすると溺れてしまうので,慌てずに「背浮き」で救助を待つ大切さを教えていただきました。

  

 続いて実際に,3年生が着衣のままプールに入る「着衣泳」を体験しました。体の力を抜いて浮き続ける難しさを体験しました。潜水士の方によると,人間は比重の関係で2%は水面から上に出して浮くことが出来るそうです。その2%が顔の部分であることが大切であり,そのために力を抜くことが必要です。続いて空のPETボトルを使っての『背浮き」です。たった一本のPETボトルを使うだけで,かなり楽に浮くことができました。

  

 次に,救命胴衣を着用してみました。ほとんど苦労することなく浮くことが出来る救命胴衣の大切さを知ることができました。また,新型の水に落ちると膨らむタイプの救命胴衣についても実際に見学することが出来ました。
 最後に,本校卒業生である田中潜水士が,救助の実際についてのデモンストレーションを見せてくれました。

  

熊本県へ! 熊本県立東稜高等学校 御船町立滝尾小学校との生徒交流

7月4,5日の2日間に渡り熊本県を訪れました。

 今回の目的は被災地にある学校と生徒間交流を行うことです。訪れたのは「熊本地震募金」で集めた義援金を寄付させて頂いた、熊本県立東稜高等学校、御船町立滝尾小学校です。

熊本県は宮城県から約1500km離れており、飛行機で約4時間かかります。7月4日は気温が33度まで上昇しました。

はじめに熊本県立東稜高等学校を訪れました。

  

 熊本地震後は避難所となり2000人の避難者を受け入れたそうです。しかし自治会との協力により避難所運営はスムーズに行われたことを教えていただきました。

  

地震の傷跡も見ることができました。今年度、授業は遅れて始まり現在も体育館を使用できない状況ですが、生徒の皆さんは元気に活動していました。

  

 生徒間交流では、生徒会長の福永君を中心とした生徒会執行部の皆さんと交流しました。はじめは緊張していた皆さんでしたが、徐々に打ち解け、防災活動やお互いの学校文化について話が盛り上がりました。

  

次に7月5日です。5日はまず、熊本城を見学しました。熊本城への立ち入りは禁止されていたので、熊本市役所の14階 展望室から被災箇所を見学しました。

  

ニュースでおなじみの箇所、「飯田丸五階櫓 いいだまるごかいやぐら」です。

激しく壊れていますが、復旧工事がはじまっていました。
熊本城の次は御船町立滝尾小学校へ向かいました。

  

現在、学校への道が崖崩れにより寸断されているため、滝尾小学校は御船中学校の敷地内に間借りして授業を行っていました。

  

滝尾小学校は全校生徒75人ほどの小さな小学校です。コミュニティーホールを段ボールで四つに仕切り、授業を行っていました。それぞれの授業の声が入り交じっていましたが、生徒は元気に授業に取り組んでいました。

  

防災をテーマにした活動では5,6年生と交流しました。皆さん、しっかりと自分の意見を発表してくれました。

  

給食もごちそうになりました。一緒に食事をすると緊張もほぐれ、児童の方からいろいろと話しかけてくれました。おかげさまで短い時間でしたが、すっかり打ち解けることができました。
被災地の皆さんは、厳しい環境の中でもしっかりと部活や勉強に取り組んでいました。私たちの義援金が少しでも力になればと思いました。

 今後も生徒会の活動として様々な被災地支援を行っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。 (写真は募金活動に参加した生徒会執行部とボランティ同好会の皆さんです。)

生徒感想 災害科学科 長谷まりん

 7月4日、5日と熊本を訪問して2つ印象に残ったことがあります。まず1つ目は、熊本地震も現地の人にとっては「予期せぬ」災害であったことです。自分の住む場所で震災が起きるとはあまり考えず、地震に対する備えや、心の準備が十分でなかったというお話が印象的でした。現在日本では、どの地域でも地震が起こりうる状況ですので、耐震工事を含めた災害に対する備えを地域格差のないように行っていく必要性を感じました。
 2つ目は被災地の子どもたちの変化です。滝尾小学校の先生が「児童たちがイライラしやすくなった」と教えてくださいました。東日本大震災の時私は小学4年生でしたが、大きな不安を感じ、同じようにイライラして落ち着かなかったことを覚えています。被災地の子どもたちには心のケアが必要だと実感しました。
 二日間の交流で、被災地の高校生と意見を交換し、小学生と触れあうことで元気をもらいことができました。 今後も防災をテーマに自分に何ができるか学んでいきたいと思います。