SSH2年次(2019年度)
SSH共同研究「釧路湿原巡検」
令和元年度 SSH共同研究「釧路湿原巡検」
1 主 催 北海道釧路湖陵高等学校
2 日 程 令和元年6月25日(火) 移動日
令和元年6月26日(水) 達古武湖森林再生事業地
夢が丘木道及び展望台
令和元年6月27日(木) 恩根内ビジターセンター
環境省釧路湿原野生生物保護センター・猛禽類医学研究所
3 参加生徒 災害科学科1学年 3名
4 対応者 北海道釧路湖陵高等学校 教諭 渡邊 理実 氏
同 教諭 宮澤 宜法 氏
釧路自然環境事務所・釧路湿原自然保護官事務所 自然保護官 矢部 敦子 氏
さっぽろ自然調査館 渡辺 展之 氏
5 実施内容・評価
(1)達古武湖森林再生事業地におけるフィールドワーク(沢班:水生生物)
夢が丘木道および展望台におけるフィールドワーク
ラムサール条約に指定されている釧路湿原において,水生生物の採捕とスケールの測定など,湿原環境の保全を目的とした科学的な探究方法を学んだ。さらには,釧路出身の生徒たちが生まれ育った自然環境を科学的に理解し,後世に残すことを目的とした環境教育の機会を与えるものとしており,本校から参加した生徒にとっても,自分たちが住む宮城の自然との共存について考える機会となった。
(2)恩根内ビジターセンターにおけるフィールドワーク
環境省釧路湿原野生生物保護センター・猛禽類医学研究所における研修
温根内木道では,ハンノキ林を抜けてヨシ・スゲ湿原に至る行程において,湿原における植生とそこに生息する動物の痕跡を観察した。
野生生物保護センター及び猛禽類医学研究所では,レッドデータにおいて絶滅危惧Ⅱ類に指定されているオオワシやオジロワシ,絶滅危惧ⅠA類のシマフクロウといった希少種の生息状況や保護活動の具体について学ぶことができた。これらの鳥類の生態調査や保護活動を通じて,少しずつ個体数を増やしてはいるものの,交通事故や感電事故が後を絶たない現状に,生物保護の難しさを生徒たちは直に感じ取ることができた。
6 生徒感想・巡検の様子
■災害科学科1年 池田 孝太(幸町中出身)
今回の巡検で最も印象的だったのは,釧路湖陵高校の生徒と一緒に行った沢班における調査活動でした。沢を登る際に,周囲に生える植物の種類を事前調査しておくとさらに楽しい活動になったと思いました。
また,釧路湖陵高校の生徒の方々が積極的にコミュニケーションをとってくださり,とても活動しやすかったです。ありがとうございました。
■災害科学科1年 門脇 孝太朗(宮教大附属中出身)
今回の巡検を通して,初対面の人たちとコミュニケーションをとることと,課題のとらえ方や解決方法を学びました。
人の手で環境を守ること,自然との共生とはどの様なことなのか,事前学習や実地での調査を通じて,疑問をさらに深めることができました。今後は課題研究などの学習の中で,今回学んだことを活かしたいと思います。
■災害科学科1年 伊藤 若菜(災害科学科1年,塩竈一中出身)
3日間の巡検で,当初の目的であった生物の多様性の理解や,環境科学における科学的な研究手法の研修などを達成できたと思います。北海道の雄大な自然に触れ,改めて野生生物の保護や自然環境における生物の多様性を感じました。また,貴重な生物の保護現場を実際に見ることで,保護の難しさと大変さを感じることができました。