アカデミック・インターンシップ

福島大学アカデミックインターンシップ

 平成30年7月31日に,福島大学人文社会学群人間発達文化学類アカデミックインターンシップが行われ,2学年の生徒24名(男子10名,女子14名)が参加しました。

 大学での学びを試行的に体験することを通して視野を広げ,学習意欲や進路意識を高めることを目的とする本取り組みは,福島大とは今年度が初めての実施となります。

 

 午前中は,鍵和田賢先生の講義「教会建築から読み解くヨーロッパの歴史」を受講しました。宗教改革に伴い複数の宗派が成立した16世紀の西ヨーロッパキリスト教世界の様相を,絵画や版画などの非言語情報を示しながら『世界史B』の知識と関連づけて確認した上で,教会建築に刻まれた宗教改革前後の宗派の,対立と共存の歴史を御講義くださいました。生徒達は,細部に注目して問いを発見し,歴史の大きな物語を編む歴史学の面白さや,大学における研究の意義の一端を体感することができました。

 午後には,中村洋介先生の講義「太平洋島嶼国における災害対応力・復元力の日本への導入」を受講しました。2013年3月に中村先生が実際に行ったソロモン諸島での現地調査のお話,ネンドー島の住民の多くが津波から逃げられた原因の分析,今後の防災協力への提言等は,学校設定科目「くらしと安全A」「くらしと安全B」「情報と災害」を学ぶ生徒達にとって,「自然災害等の現状,原因及び減災等について理解」を深め,首都圏直下型地震や南海トラフ地震,利府-長町断層に起因する地震等,現在及び将来に直面する災害に,どのような意志決定や行動選択,備えをするべきかを考える機会となりました。

 その後,倫理学の小野原研究室,社会学の牧田研究室,自然災害科学の中村研究室の3研究室を訪問し,卒業論文の中間報告を主とする模擬ゼミに参加しました。生徒達は,卒業論文が形作られていく過程を目の当たりにし,高校卒業後の大学生活をイメージできたようです。

 この度,初めて,福島大学人文社会学群人間発達文化学類アカデミックインターンシップを実施するに当たり,御尽力下さいました三浦浩喜副学長,自然地理学研究室の中村洋介先生をはじめ,鍵和田先生,小野原先生,牧田先生,入試課の安斉様,そして学生の皆さん,大変お世話になりました。ありがとうございました。

【生徒の感想①(普通科)】

 福島大学の雰囲気を感じたいと思ってAIに参加しました。大学と高校はキャンパスの広さ,雰囲気,講義やゼミといった授業の内容や様子が全く違います。AIやオープンキャンパスに参加し,実際に大学へ行って,見て,体験することの重要性を実感することができました。

 参加させて頂いた3つの模擬ゼミ(倫理学,社会学,環境学)は,先生ではなく学生が主体となって行われていました。どのゼミでも自分の興味のあることをただ調べるのではなく,調べたことと社会をつなげて考えたり,比較したりしていました。また,学生同士で意見交換や質疑応答などをする姿が印象的でした。

 大学生が「模擬ゼミに参加して内容が難しいと思っても,実際は自分の好きなことを調べるから楽しい。」と言っていたので,私も,今後,自分の興味・関心のあることを意識しながら,ニュースを見たり,本を読んだりしたいと思いました。また,国内だけでなく海外のニュースも見て,比較できるようになりたいと思いました。

【生徒の感想②(災害科学科)】

[目標] ・福島大学(生)の雰囲気を確認する。

       ・防災を研究なさっている中村洋介先生に御挨拶をする。

 今回,私はこの2つのことを目標に掲げて参加し,いずれも達成することができた。想像していたよりもずっと自由で,学生の皆さんは皆優しく,接しやすかった。ゼミをする教室は,ゼミ毎に雰囲気が異なっていたが,いずれも学生の皆さんが主体となって活動していた。

 今回,このAIに参加して,福島大学をより身近なものとして感じることができた。「大学での学びは楽しそうだな。」と思った。この夏,課外の活動が多く,勉強の時間を確保するのが少し難しい毎日ではあるが,今日の経験をこれから先の進路,将来の職業に活かすためにも,日々の勉強を頑張りたいと思う。