平成29年度以前のESD

平成29年度以前のESD(自然プログラムとその他プログラムまとめ)

平成30年度宮城県高等学校理数科課題研究発表会

平成30年度宮城県高等学校理数科課題研究発表会

 

1 日  時 平成31年3月15日(金)12:50~16:00

2 会  場 仙台市若林区文化センター

3 参加生徒 多賀城高等学校  災害科学科生徒(1,2年生)
       宮城第一高等学校 理数科生徒(1,2年生)
       仙台向山高等学校 理数科生徒(1,2年生)
       仙台第三高等学校 理数科生徒(1,2年生)

4 発表題(本校生徒によるもの)
  地学分野 「蔵王山における溶岩流の広がり」
災害科学科2年 阿部竜生,川名啓介,佐瀬翼,佐藤麗奈,嶺岸寿紀
  地学分野 「津波シミュレーションプログラムから街づくりを考察」
災害科学科2年 大庭侑,菊地祐吾,久保田蓮,飯田琉希也

5 講  師 東北福祉大学 特任教授 庭野 道夫 氏
       東北工業大学   教授 大沼 正寛 氏

6 内容・評価
 県内の理数科設置校4校が一堂に会して行われる成果発表会である。各校2テーマずつ,合計8テーマを口頭発表する中で,本校は地学分野における2つの発表を行った。いずれも,災害分野において自ら発見した課題を調査・実験し,データをまとめ,被害想定やスケールを考慮した値の校正など,オリジナリティーのある研究発表であった。今後も検証を重ねることで,より実効的な災害をテーマとした研究として,皆に深く印象付けるものになるであろう。また,発表後の質疑応答では,質問者が研究の趣旨に鋭く切り込み,研究の展望に対して意見するなど,発表した生徒をより一層刺激するものであった。

7 生徒感想
■松浦 翼(1年7組 東豊中出身)
私たちは3月15日の理数科課題研究発表会に参加してきました。この発表会には,宮城県の理数科の高校が集まり,宮城第一高校や,仙台向山高校,仙台第三高校が参加していました。
今回私たち1年生は発表を聞くだけだったのですが,たくさんの発表を聞き,それぞれの課題をグループ毎の視点から考察しており,どのグループも探究心が凄く,発表の内容の濃さに驚愕しました。また,発表後には質疑の時間がありました。たくさんの人が積極的に手を上げて質問し,中には発表に対して提案をする人もおり,生徒同士でより良い発表を作ろうという意識を肌で感じることができました。
今回の発表会で得たものはたくさんありました。この得たものを来年の理数科課題研究発表会や,他の発表会などに活かしたいと思います。

■菊地 祐吾(2年7組多賀城第二中出身)
 今回の理数科発表会では,他校で行われているたくさんの課題研究を知ることができました。そこでは,自分では思いつかないような研究が多くあり,新たな考え方を学ぶことができました。また,研究の一つ一つがテーマ設定から結論まで無理なく一連の流れとして導き出されており,とても驚きました。
 今回の発表会では,自分も発表者の立場で参加し,私たちの研究である「津波シミュレーションプログラムから街づくりを考察」を発表しました。そこでたくさんの質問をいただき,自分たちの研究に足りないものに気づく機会となりました。この様な機会はなかなか無いことなので,この経験を大切にして,今後も継続して研究に励みたいと思います。

 

 

災害科学科浦戸巡検

 巡検の前日の7月13日(木),国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の小俣珠乃博士による事前講義を聴講し,翌日の7月14日(金)災害科学科1年生による塩竈浦戸巡検が行われました。今回の巡検には,昨年に引き続き二度目の参加となる北海道室蘭栄高校から5名の生徒が加わり,雲一つない晴天の中,地学班と生物化学班に分かれてフィールドワークを行いました。
 地学班は,寒風沢で目の前に広がる野々島の層準や見方を班ごとに小俣博士からレクチャーしていただき,その後野々島に渡って毛無崎での大塚層・松島層の観察を行いました。その後は大塚層に見られる小断層の走向・傾斜測定を通して,野々島一帯の地質構造を考察しました。露頭では小俣博士の解説を受けながら,班ごとにiPadでの測定を行いました。
 生物化学班は,寒風沢においてマツの生育環境を調査しながら,島の豊かな植生を観察しました。そして,野々島に渡ってから本格的にマツ及び土壌のサンプリングを行い,照度の測定,採集,iPadを使った記録など,役割を分担しながら必要なデータやサンプルを収集してきました。
 今回の巡検を通して,調査研究の具体的な手法を学び,教室では得ることのできない沢山の情報を手に入れることができました。今回の巡検から得た経験は,これからの課題研究に大いに役立つものとなります。

    

奈良大学文学部文化財学科 魚島純一教授の特別授業「保存科学への誘い」がありました。

 3月21日(火)2学年日本史B,地理B選択者を対象として,奈良大学文学部文化財学科教授の魚島純一先生の特別授業がありました。保存科学という一般的には馴染みのない研究ジャンルについて,軽やかな語り口と豊富な映像資料を基にわかりやすく解説して下さいました。
 前半は「文化財を科学の目で見てみよう」というテーマで,X線などを用いて仏像や土偶の体内を透視したり,古墳の石室に残された絵具の分析から埋葬者の身分を推測するといった興味深い話が続き,後半は「文化財を保存するということ」というテーマで,文化財の修理・修復や保存のための技術を紹介しつつ,その重要性についても考えさせられるといった構成でした。
 随所に文化財に対する魚島先生の熱意と愛情が伝わる,あっという間の90分でした。

  

参加生徒の感想(一部抜粋)
・私たちが住んでいる多賀城市は歴史的なものがとても多く,誇りを持っていましたが,それを支えている のは魚島先生のような文化財を守ってくれる方たちのおかげなんだとな感じました。
・私はもともと歴史にあまり興味がある方ではなく,保存科学という言葉も初めて耳にしたのですが,今回 の特別授業はメモをとる暇も惜しいくらい興味深いお話しをたくさん伺うことができました。
・文化財の保護はプロの方でしかできないと思っていたが,博物館のワークショップなどで素人でも文化財 保護に携わることができるというのが分かって,一度体験したいと思いました。

第4回全国海洋教育サミット

 2017年2月5日(日),東京大学伊藤国際学術研究センターを会場に第4回全国海洋教育サミット「海洋教育の新たな潮流」が開催されました。多賀城高校は海洋教育促進拠点に認定されており,小泉博校長がシンポジウムのパネリストとして本校の取り組みについて発表されました。

 開催にあたり、東京大学海洋アライアンス機構長の日比谷紀之同大学教授のあいさつに続き、文部科学省初等中等教育局・主任視学官の清原洋一氏が来賓のあいさつに立ちました。開会行事後、メインのシンポジウムが行われ、同大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター・主任研究員の及川幸彦氏のコーディネイターのもと活発な意見交換が行われました。
 パネリストとして4氏が、それぞれの取り組みについて発表しました。まず、福岡県大牟田市教育委員会・教育長の安田昌則氏が、世界文化遺産の三池港と有明海を活用した大牟田市の海洋教育の取り組みについて発表。引き続き、福島県南会津郡只見町教育委員会・教育長の齋藤修一氏が自然豊かな只見町の紹介をしながら、海洋教育と山間部のつながりについて熱心に話されました。佐賀県東松浦郡玄海町の小中一貫校・玄海みらい学園の学園長 岩崎一男氏は、玄海町における海洋教育の取り組みについて自身が作詞作曲した歌を交えながらユーモアたっぷりに話されました。
 本校の小泉博校長は、「宮城県多賀城高校の防災・減災学習~被災地から発信する防災学習モデル~」というテーマで、本校の防災・減災学習の基本的な考え方に基づいた取り組みについて話されました。特に「誰にでも 未来を創る 能力がある」という語り出しには会場の多くの参加者が共感を寄せ、本校が行っている防災から海洋教育にわたる幅広い教育活動に熱心に耳を傾けていただきました。

  

 シンポジウムの後,ポスター・セッションが行われ,ポスタータイトル『多賀城高校における防災・減災学習 -生徒会活動を通して- 』(本校のESDについて。2年生の小野寺杏さん,佐藤千咲さん),『土壌中のイオン濃度の測定と環境変化の一考察』(災害科学科の浦戸実習とその後の調査について。阿部大和君,鈴木勇汰郎君,瀬戸朝陽君)の2つを発表しました。多くの方が発表を聞きに来てくれ,多賀城高校の活動に感心していました。また,他の発表を聞くことで,参加した5名も大いに刺激を受けてきました。

  

  

今年度3回目のJAXA連携授業を行いました!

 平成29年1月19日(木)宇宙航空研究開発機構(JAXA)の友人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット宇宙飛行士健康管理グループの医長嶋田和人さんをお招きして,今年3回目のJAXAとの連携授業を開催しました。テーマは『国際宇宙ステーションと栄養』。講師の嶋田さんはオハイオ州のラィト州立大学でエアロスペースメディシンの専門医認定を受け,その後旧NASDAに移り,20年間スペースシャトルや国際宇宙ステーション宇宙飛行士の健康管理を中心に航空宇宙医学に従事していらっしゃっいました。宇宙飛行士の選抜,定期検診,訓練中および飛行前・中・後の健康管理のほか,宇宙飛行に伴う身体変化の対策法の研究等を行っている,日本でも希有なお仕事をされている方です。
 嶋田さんからは,国際宇宙ステーションでの生活の様子や長期滞在における課題などについて,宇宙食と健康という観点からお話しをいただきました。宇宙食の栄養基準はWHO準拠になっていることやオートファジーの考え方,宇宙食の美味しさと食欲の関係などいろいろな話題を,わかりやすくお話ししていただきました。
 後半は宇宙食と災害時の栄養摂取との相違について学習しました。実際に「カレー」や,「えびピラフ」,「パン」,「バニラアイス」,「たこ焼き」5種類の宇宙食の試食も行いました。食材の形状が分からなくなったペーストや缶詰よりも,見た目に工夫された,このような食事の方が食欲などにも影響することなどを実際に体験しました。
 今後,防災・減災を考える上で,どのような食材を非常食としていくか,避難所の食事としてどのようなものが良いのかを考えるきっかけとなりました。

  

  

海洋教育フォーラムで発表しました

 11月12日(土)東北工業大学で行われた,日本船舶海洋工学会主催のフォーラムで本校の活動の様子を報告しました。
 このフォーラムは「海」をキーワードに広く市民に対していろいろな活動を知ってもらう趣旨で開かれているものです。本校からはESDの取り組みを中心に,生徒からは学習の様子や生徒会活動についての報告を行いました。会場からは大震災の伝承活動についてや現在の学習と将来自分が果たしたい役割などについて質問がありました。
 その他に前岩沼市長である井口経明氏から「千年希望の丘」の取組,三井造船の今北明彦氏からは福島沖で実験が行われている「浮体洋上風力発電」の取組,東京大学生産技術研究所の北澤大輔氏からは「海洋食料生産」の取組についての報告がありました。いずれの取組についても大変面白い内容でした。

 

1年 大久保理音さん
 今回,このフォーラムに参加して多くのことを学び,よい刺激を受けることができました。自分たちの行っている活動を伝えることも私たちの使命であり,大震災からの復興と伝承であることを再認識しました。
 講演の中で興味深かったのは,洋上風力発電です。風力発電のイメージは風の強い海岸線に立てられるものとのイメージがありましたが,その発電効率の良さや環境への影響を考えると洋上という選択肢は素晴らしいアイデアだと思いました。これらの設置コストが安価になり,さらに技術が発展すれば良いと考えました。
 このフォーラムで学んだことをこれからの学習に,活かしていきたいと思います。

JAXAとの連携授業を実施しました!

 10月28日(金)ALOS2(だいち2号)衛星画像の教育目的利用の共同研究を行っている宇宙航空開発機構(JAXA)から永井裕人研究開発員を迎え,連携授業を行いました。9月のつくば研修では人工衛星の画像処理についての研修を受けており,今回は衛星画像を用いることによって,どんなことがわかるのか,できるのかとういう話を中心に授業が展開されました。
 授業では生徒自身の課題研究のテーマと結びつけた話や,GIS(Geographic Information System:地理情報システム)を用いた災害対策についての話がありました。災害に襲われやすい地形の把握や過去の災害などを重ね合わせることによって,様々な情報の関連性が一目でわかるようになります。このような操作により,これまでには想像できなかった新しい情報を知ることができるようになることを学習しました。
 今後は東北地区や宮城県の人工衛星の画像の提供をJAXAから受けることで,防災・減災の学習に役立てていきたいと思います。

 

H28 つくば研修

 9月29日(木)~30日(金),災害科学科38名と普通科9名(希望者)の47名と引率5名で茨城県つくば市に研修に行ってきました。研究学園都市・つくばの様々な研究施設を巡り,最前線で活躍されている研究者の方々から直接学んできました。


写真:国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST) 地質標本館にて

○9月29日(木) ・・・全体で活動
 国土交通省 国土地理院 地図と測量の科学館
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST) 地質標本館

○9月30日(金) ・・・災害科学科2グループ,普通科1グループの3コースに分かれ実施
災害科学科Aグループ:講義,施設見学
 国立研究開発法人 防災科学技術研究所(NIED)
災害科学科Bグループ:講義,実習,施設見学
 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
普 通 科Cグループ:施設見学
 国立科学博物館 筑波実験植物園
 国立研究開発法人 高エネルギー加速器研究機構(KEK)
 CYBERDYNE STUDIO

最後に,今回つくば研修に参加した47名全員でJAXAの一般展示を見学しました。

○生徒の感想より
【国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST) 地質標本館】
 地層からどのようなことがわかっているのか,過去の地球にはどのような生物がいるのかなど興味が持てる話がたくさんありました。今回だけではよくわからないことや,もっと知りたいこともあったので,今度は自分でもう一度行ってみて地層に対する考えを深めていきたいと思いました。


写真:国立研究開発法人 産業技術総合研究所(AIST) 地質標本館にて

【国立研究開発法人 防災科学技術研究所(NIED)】
 大型の降雨施設や,実際に揺らして実験できる施設など,宮城県にはないものをたくさん見て,知り,よく学ぶことができました。1つめの講義では日本海溝海底地震津波観測網S-netや津波浸水シミュレーションなどの地震や津波に関する内容,2つめの講義では火山の噴火の仕組みについてなど,授業ではあまり詳しく勉強しないことについて,詳しく分かりやすい説明を聞くことができて良かったです。ガイドさんの面白く分かりやすい説明が,聞いていて楽しいと思いました。


写真:国立研究開発法人 防災科学技術研究所(NIED)にて


写真:国立研究開発法人 防災科学技術研究所(NIED)にて

【国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)】
 JAXAではパソコンを使って衛星画像をより見やすくする作業を行いました。最初は難しい作業でしたが,最後の方では使いこなせるようになりました。また,グループ毎に画像を作成し,そこから分かったことを発表するグループワークでは,それぞれの班が分かりやすい画像を作成し,細かいところにも着目して発表していたので,お互いとても素晴らしい時間になりました。


国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて

浦戸巡検に行ってきました!(2016.07.15)

 災害科学科1年生が初の野外実習となる「浦戸巡検」に行ってきました。
 国立研究開発法人・海洋研究開発機構より講師として臼井洋一先生をお招きし,まず前日となる14日に事前講義をしていただきました。Google Mapを使って海嶺を探す実習をはじめ,日本列島を取り巻くプレートやその動きに関しての知識を深めました。
 翌15日は生物班・地学班に分かれ,塩竈市浦戸諸島野々島・寒風沢島へ渡っての実習が行われました。マリンゲート塩竃からチャーター船で寒風沢島に向かい,東京大学生産技術研究所・潮流発電施設も見学させていただきました。各自がiPadを実験・実習ツールとして所持し,各種アプリを用いて走向傾斜測定や観察記録,現在地の確認やルートの確認に活用しながらの実習となりました。

  

 生物班はまず寒風沢島でマツの葉のサンプリングを行い,午後から野々島に渡って毛無崎でのマツのサンプリングを行いました。出航ギリギリまで精力的にサンプリングを続けるなど,意欲あふれる実習を行いました。
 地学班は寒風沢島で浦戸諸島を形成する大塚層・松島層の概要を臼井講師から学んだ後,その場で走向・傾斜の測定法をご指導いただき野々島へ。地学班は「野々島で松島層・大塚層の境界をグループで探索せよ」という課題が課せられ,グループごとに島内随所をまわり,議論しながら境界面を探し歩き走向・傾斜の測定や岩相記載を行うなど,地学の基礎的な実習を通して浦戸諸島の地質に関する理解を深めました。
 学びを教科書で終えるのではなく,学校で学んだことを武器として実際にフィールドで課題解決に挑む経験は,大変意義深い学習となりました。
 また今回は北海道室蘭栄高等学校理数科2年生の有志13人も一緒に浦戸諸島で実習を行いました。「北海道内で地層がこのような形で見える場所はほとんどない」とのことで,室蘭栄高等学校の生徒も矢継ぎ早に臼井講師へ質問を重ねていました。
 今後生物班・地学班とも校内外の発表に向けて成果をまとめていきます。

  

感想・小泉和馬(地学班・塩竃二中出身)
 この浦戸巡検は,地学分野の観察・調査の野外実習を通して,私たちを取り巻く地球環境を理解することが目的でした。その中で観察・調査・試料採取の方法について学ぶことが大きな発見につながったと思います。実際に地層で走向・傾斜を測定し,その島の地質が見えてきたように思いました。
 そして,松島層・大塚層というふたつの地層があることも分かりました。また潮流発電施設を見学し,技術の進歩を実感しました。今回の巡検で分かったことをしっかりまとめ,新たな課題を見つけていきたいです。

感想・鈴木穂乃佳(生物班・利府西中出身)
 私は初めて浦戸に行き,不安だった私の心を和らげるような楽しい時間となった。特に印象に残ったことはマツの観察だ。いつも何気なく見ているマツ。私の周りにはいつもマツがあったと思う。しかし浦戸に行き,いろいろなマツがあることを初めて気が付いた。クロマツ・アカマツなどである。チクチクの感じ方によりマツは違う。また授業で学んだことを実際に目で見ることができ,新鮮な気持ちになった。授業では口頭でただ事実だけを伝えられ,ただただそれを暗記していた。しかし自分の目で観察をする・・・それだけで不思議と頭に入ってきていた。これから先も学習を進めながら常に疑問を持ち,さらに追究していく姿勢を大切にしていきたい。

尚絅学院大学主催「環境マルシェ」に参加しました

 平成28年6月26日(日)にサンモール一番町商店街アーケードを会場に開催された環境PRイベントに,昨年度浦戸巡検生物班の代表として参加してきました。環境をテーマとした他の高校の取り組みや,多くの企業の展示発表を見ることができ,水や食品といった身近なものから,企業やNPO法人の環境への取り組みなど,多様な面から環境について考えることができました。
 また,今回の高校生によるポスター発表において,私達が研究した「浦戸諸島におけるマツ類のハイブリッド調査」への取り組みを評価していただき,「環境構想学科賞」を受賞することができました。
 マツのハイブリッド調査については,今年の浦戸巡検に参加する後輩たちが引き継いでくれるということなので,私達には不十分だった点や遺伝子調査など,さらなる発展的な研究になることを期待しています。

その他のプログラム

復興庁から「新しい東北」復興・創生に関して顕彰されました

 復興庁は,東日本大震災の発災から5年が経過し,今年度から復興・創生期間に入ったことを機に,現在,被災地で進む「新しい東北」の実現に向けた取組について,大きな貢献をしている個人及び団体を顕彰することとしました。
 その結果,本校は集中復興期間5年間の活動を顕彰する「復興功績顕彰」に選定されました。選定された理由は,生徒が地域の住民の方々へ聞き取り調査を行い津波標識を設置する活動や,自治体と連携して被災状況を説明したり案内したりする「まち歩き」,地域や近隣学校や社会施設などと協力した防災に関する活動を実施されるなど,「新しい東北」の実現に向けた取組に大きな貢献があった,ということです。
 2月9日(木)「新しい東北」交流会 in 仙台の中で行われた顕彰式には,学校代表として木村千恵生徒会長が出席し,記念の盾をいただいてきました。
 今後,この賞を励みとして活動の幅を広げ,全国や世界に防災・減災学習のパイロットスクールとして発信していきたいと思います。

「現地寄贈先高校生からの学習成果発表会」

 平成29年1月26日(木)に東京の豊洲にあるアスクル株式会社を会場に「現地寄贈先高校生からの学習成果発表会」が開催され,本校を代表して2名が参加しました。昨年,アスクル株式会社とその協賛企業により,東日本大震災で被害を受けた複数の高校への復興支援事業が行われ,その一環として本校は体育館設置の大型スクリーンとプロジェクターの寄贈を受けました。このことについて,今回,宮城県の復興状況と学校における防災教育,そして寄贈品の活用状況などを報告しました。
■小松愛佳(2年1組 塩竈二中出身)
 アスクル株式会社本社は,会社と言って想像するような堅苦しさのないオフィスで,その開けた一角で発表会が行われました。東京での学校紹介,社員の方々の気遣い,他校の発表を通して,様々なことを吸収できた良い経験になりました。そして,沢山の会社の協力があって多高にスクリーンが寄贈されたことに改めて感謝したいと思います。
■渡邊昌太郎(2年7組 高崎中出身)
 学習成果発表会に参加し,多賀城高校での防災活動について発表を行いました。また,他の高校での取り組みを聞いたり,会社の方々のお話を直接聞いたりして,自分の知識を深め,視野を広げる良い経験になりました。今回の活動を通して,精神面でも大きく成長することができました。高校での活動を,これまで以上に頑張っていこうと思います。

 

東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと連携協定を結びました!

 平成28年12月7日(水)本校は東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センターと「海洋教育促進拠点としての連携に関する協定」を締結しました。
 協定では海洋教育の実施に関わる事項や,普及に関わる事項について,それぞれの専門性を活かして協力することを申し合わせました。本校は今後,東京大学海洋アライアンスの有する人的な教育資源や研修などについて協力をいただくことが可能になりました。
 また,現在センターは本校を含め,全国で20カ所の教育委員会や学校、社会教育施設等と協定を結んでいます。これら特徴ある地域が集うセンター主催の各種イベントへの参加や,交流も期待できます。

 

多賀城市内で本校の活動を紹介しました!

 10月20日(木)から23日(日)まで,イオン多賀城店における企画『震災復興5年間のあゆみ』において,「多賀城市の震災復興のあゆみ」,「キリンビール仙台工場復興の軌跡」とともに本校の防災・減災活動が紹介されました。
 本校の波高表示活動やまち歩き,被災地案内ボランティアの様子を伝えた展示パネルの前には,関心を持った市民の方々が足を止めてくださいました。私たちは地域の方々に私たちの活動を理解してもらうことは,大震災の伝承と新たな震災への備えにつながると考えています。今後も地域の方々に御理解・御協力をいただきながら防災・減災活動を進めていきたいと思います。

 

長島復興副大臣が来校しました!

 7月13日(水)長島忠美(ながしま ただよし)復興副大臣が来校されました。長島副大臣は新潟県中越地震で被災した新潟県古志郡山古志村の最後の村長でした。平成16年10月,村長2期目の時に中越大震災に遭遇,村長として中心被災地であった旧山古志村にて全住民避難および復興の陣頭指揮にあたった方です。
 まずは5時間目に,副大臣には1年生の「自然科学と災害A」と「くらしと安全A」をご覧いただきました。「自然科学と災害A」では避難所を想定した菌の培養実験です。手を洗った場合と,洗わなかった場合の違いについて,実際にその違いを培地を用いて実験観察している様子をご覧いただきました。「くらしと安全A」では妊婦体験や乳児を抱き上げる体験をご覧いただきました。このような災害弱者をどのように避難させるか,どんな支援ができるのかを考えさせる授業です。2つの授業とも副大臣は生徒の中に入って,いろいろな質問をなされながら,見学されていました。

 

 続いて6時間目は副大臣の特別授業です。災害科学科の1年生を対象に旧山古志村での経験や,災害についての考え方,地域コミュニティの大切さについてを熱く語っていただきました。被災を乗り越えて,新たなまちづくりを皆が協調して行っていくことが大切だとの話や,当時の山古志村の子ども達への思いや,現在どのような活動をしているかという話をしていただきました。
 特に東日本大震災を経験した私たちへのメッセージとして,若い世代が次の世代へ語り継ぐ大切さ,災害時の苦労や工夫を他の地域へ発信していく大切さについての期待の言葉をいただきました。生徒からは村長時代に苦労されたこと,被災の大小による格差や考え方の違いを埋める工夫,熊本など新たな被災地の方々への接し方など,多くの質問や意見が出され,その一つひとつに丁寧にお答えいただきました。この真摯な対応に多くの生徒が共感を覚えました。

 

 放課後には,生徒会執行部の役員などを交えた意見交換です。この場には産官学それぞれの立場の助言者として島田昌幸様(株式会社ファミリア代表取締役),石塚直樹様(一般社団法人みやぎ連携復興センターチーフコーディネーター),今村文彦教授(東北大学災害科学国際研究所所長),鈴木洋様(県教育庁教育監兼教育次長),鈴木学様(多賀城市市長公室長兼震災復興推進局長の5名の方々にも参加していただきました。まずは生徒会活動の全体報告やボランティア活動,津波標識設置・聞き取り活動,国際交流活動を報告しました。これらの活動について各助言者からは地域に根ざした活動,新たな産業やその知識で救える命と知識だけでは得ることの出来ない学力の大切さ,地域作り・まちづくりの視点やその工夫などについての意見をいただきました。また,私たちが計画している東日本大震災メモリアル行事についても皆様から大きな期待と協力についてのお言葉もいただきました。

 

生徒の感想
1年 赤堀恵夏さん
 副大臣の授業を受けて思ったことは子どもや高齢者などの年代に関わらず,すべての世代の人々が災害について,それぞれが考え,次に災害が起こったときに,どのようにすれば被害が拡大しないかを話し合う必要性があることを改めて実感しました。
 また,災害科学科1期生である私たちは,いつ起こるか分からない災害が目の前で起きた時,私たちが毎日の授業で学んできた知識を駆使し,避難を促進させる最初の一人として行動し,多くの人々の期待に少しでも応えられる頼もしい存在になりたいと思いました。副大臣の行動力に学んで,自らが考え判断し,率先して行動できる様になりたいです。
1年 瀬戸朝陽
 今日のお話しを聴き私が特に考えたことは,今後の震災あるいは過去にあった震災を,どのように後世へ伝え,忘れさせないようにしていけばよいかでした。このことについて今日の授業では「映像などで直接伝えるのはどうなのか」などの話があり,私は「自分が教えるのならばどうすべきか」ということを深く考えました。また,「震災を忘れないことが大切」ということも話の中にありました。このことについて,私たちは震災の足跡を科学的にたどり,本当の災害の姿をきちんと認識して,その事実を伝えていかなければならないと思いました。

報道番組のディレクター 堤早紀さんに熊本の様子を話していただきました!

 7月11日(月)NHK仙台放送局放送部・報道番組ディレクター堤早紀さんに熊本地震の様子を話していただきました。堤さんは熊本地震についての取材として4回南阿蘇村や益城町,御船町に入られた経験をお持ちです。特にDMAT(災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Team)やJRAT(大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会 Japan Rehabilitation Assistance Team),地元の医師の活躍などについての取材を通して番組作りをされてきました。
 今回の熊本地震の特徴や,震災直後に南阿蘇に入ったときの移動,食料,宿泊についてのご苦労,災害現場でのDMATの活躍などについてお話しをいただきました。今回のお話しで,私たちがニュースや新聞で知る被災地の姿とは違った面も知ることができました。私たちが興味のあった「東日本大震災の教訓を活かすことはできたのか」については,活かすことができた場面も,そうでない場面もあったことについてもお話しいただきました。災害はその種類や場所によっても異なるので,その対処の仕方も異なることから簡単には比較が難しいそうです。罹災証明や避難所運営では宮城県の行政関係者の助言が活かされていたこと,医療チームやリハビリテーションといった対処が早かったことなどは,東日本大震災の経験が活かされた場面だったそうです。また,「受援」という援助を受け入れる姿勢や心の大切さについても知ることができました。
 堤ディレクターからは,東日本大震災の教訓をどのように伝えていったらよいのか,生徒と一緒に考えていきたいという提案もいただきました。いつもは取材をしていただく生徒ですが,報道の難しさについても知ることができる一日でした。

 

『東日本大震災5周年復興フォーラム』で安倍総理に本校を紹介しました!

 6月6日(月)東京都内幸町のイイノホールで行われた,復興庁主催「東日本大震災5周年復興フォーラム~新たなステージ復興・創生へ~」に参加してきました。このフォーラムは,東日本大震災から5年の節目を迎えたこの機会に,震災の経験・教訓を広く共有するとともに,復興の現状を国内外に正確に情報発信することを目的として開催されたものです。
 私たちは,唯一高校生としてブース展示とミニプレゼンテーションの時間をいただき,本校の防災・減災学習の取組を紹介する機会を得ることが出来ました。ブースには安倍総理大臣,高木復興大臣,長島復興副大臣などにお出でいただき,私たちの活動を説明することができました。
 特に安倍総理大臣には多くの時間をとっていただき,学校の防災・減災教育の説明のほかに,私たちの将来の夢などについても話すことができました。総理からは「震災の経験,防災学習の機会を十分に活かして今後も頑張って欲しい」との励ましのお言葉をいただきました。
 ミニプレゼンテーションでは,限られた時間ではあったが,多くの参加者の前で特色ある活動を話すことができ,本校の活動に興味関心を持っていただきました。その中のいくつかの団体や企業などの方には,今後来校していただいて講義をいただいたり,ご助言をいただくことを約束していただきました。

3年 大槻有矢
 とても緊張したが,自分たちの行ってきた津波波高表示活動をはじめとした取組を説明できました。総理にはとても熱心に聞いていただき自分たちの活動に自信を持つことができました。自分たちが行っているもっと多くのことを伝えたかったです。
2年 佐藤千咲
 海外からの旅行者等に被災地を案内する活動を紹介したところ,大変興味を持っていただきました。このように国内だけではなく,国外にも発信していくことが求められていることを改めて実感しました。
1年 阿部大和
 気仙沼で被災した経験や将来は地元に戻って気仙沼の復興に頑張りたいことを伝えると,是非地元の復興に若い力を活かして欲しいとの励ましを受けました。とても緊張した時間でしたが,災害科学科の1回生として頑張っていこうと決意を新たにしました。
1年 成田朱里
 小学校の時の被災の様子や,その時に感じたことを素直に話すことが出来ました。現在学校で学んでいる自然災害の話やフィールドワークについてお話しすることが出来ました。このような学習を大切にして,防災・減災に貢献できるように,もっと多くの学習をしていこうと思うようになりました。
 この様子は首相官邸のHPや政府インターネットテレビでも公開されています。
 首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201606/06forum.html
 政府インターネットテレビ
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg13807.html

東北大学災害科学国際研究所との包括連携協力締結について

 平成28年6月1日,東北大学災害科学国際研究所において,東北大学災害科学国際研究所と,文化,教育,学術等の分野で相互に協力し,学校教育及び学術の振興並びに地域社会の発展と人材の育成をはかることを目的とした,「包括連携協定」を締結しました。締結式には,今村文彦所長と本校からは小泉博校長が出席し,協定書の取り交わしを行いました。これまで東北大学とは「リーディングプログラム推進機構と県教育委員会との防災教育に関する連携協定」に基づき連携を行ってきましたが,今回は特に研究所と本校の間での連携を強化したものとなります。
 今後は,研究所と本校とが,それぞれに有する資源を活用し,学術研究、防災教育,地域社会の振興と発展,さらには未来を担う人材の育成について連携協力を行っていきます。

 これまでの取組の一部
 ・防災講話での特別授業・講演,災害科学科開設式での講演
 ・災害科学科教材への協力
 ・課題研究の進め方についての講演,助言
 ・オープンキャンパスにおける研究所見学と講話
 ・多賀城市の減災市民会議,防災まち歩きでの連携
 ・多賀城見聞憶への協力
 ・2014BOSAI CAMPでの連携
 ・国連防災世界会議パブリックフォーラムにおけるシンポジウムでの連携

今村所長の挨拶より
「大学,高校,地域,企業などが防災・減災については大きな役割が与えられている。特に宮城県,仙台市の役割として震災の教訓を国内外に発信していく使命がある。多賀城高校とはこれまでの連携協力を踏まえて,人材育成に研究所が積極的に貢献していきたい。大学院生,大学に限らず,小・中・高校生とともに災害科学とはいったい何なのかを追求していくことが大切だ。災害を科学的にとらえることはもとより,被害の拡大のプロセス,影響などをきちんととらえていく必要がある。これまでの自然科学の分野にとどまらず,社会科学,人文科学,医学,精神分野など様々な視点が災害を考える上では必要である。このような視点から各々の立場で災害を理解し,行動していくことが大切であり,この包括連携を人材育成のモデルとしたい。」

インターアクトクラブ第1回学校例会

2年4組髙橋里奈(中野中)
 5月20日(金)の放課後に第1回目となるインターアクトクラブ学校例会が行われました。
今回は,4月下旬に行った熊本募金の報告と今後の活動について話し合いました。第1回ということもあり,活発な意見交換とまではいきませんでしたが,インターアクトクラブの力強いサポートにより,これからのボランティア活動についての意欲を高められたと思います。6月には,第2回定例会および創立記念祝賀会が行われます。祝賀会には多くの来賓の方々が来られるそうなので,多高生としての誇りを持ち,多賀城高校の様々な活動をアピールをしたいと思います。

 

インターアクト創立総会・提唱クラブ締結調印式

 本校が積極的にボランティア活動へ取り組んでいることから、この度、多賀城ロータリークラブ様から、社会貢献をする高校生の支援をしたいという申し出をいただきました。
 国際ロータリークラブが提唱するインターアクトクラブを本校に設置するという形で様々な活動へ援助いただくことになり、去る3月24日、創立総会が、国際ロータリー2520地区ガバナー(代表)菅原裕典様はじめ、多賀城ロータリークラブの方々をお迎えし、本校体育館で行われました。
 今後、大きな災害が起きた場合の本校生徒の被災地支援や、今年度、開催を検討している「東日本大震災メモリアル行事」(仮称)などへの協力・支援が期待されています。