平成29年度以前のESD

浦戸巡検に行ってきました!(2016.07.15)

 災害科学科1年生が初の野外実習となる「浦戸巡検」に行ってきました。
 国立研究開発法人・海洋研究開発機構より講師として臼井洋一先生をお招きし,まず前日となる14日に事前講義をしていただきました。Google Mapを使って海嶺を探す実習をはじめ,日本列島を取り巻くプレートやその動きに関しての知識を深めました。
 翌15日は生物班・地学班に分かれ,塩竈市浦戸諸島野々島・寒風沢島へ渡っての実習が行われました。マリンゲート塩竃からチャーター船で寒風沢島に向かい,東京大学生産技術研究所・潮流発電施設も見学させていただきました。各自がiPadを実験・実習ツールとして所持し,各種アプリを用いて走向傾斜測定や観察記録,現在地の確認やルートの確認に活用しながらの実習となりました。

  

 生物班はまず寒風沢島でマツの葉のサンプリングを行い,午後から野々島に渡って毛無崎でのマツのサンプリングを行いました。出航ギリギリまで精力的にサンプリングを続けるなど,意欲あふれる実習を行いました。
 地学班は寒風沢島で浦戸諸島を形成する大塚層・松島層の概要を臼井講師から学んだ後,その場で走向・傾斜の測定法をご指導いただき野々島へ。地学班は「野々島で松島層・大塚層の境界をグループで探索せよ」という課題が課せられ,グループごとに島内随所をまわり,議論しながら境界面を探し歩き走向・傾斜の測定や岩相記載を行うなど,地学の基礎的な実習を通して浦戸諸島の地質に関する理解を深めました。
 学びを教科書で終えるのではなく,学校で学んだことを武器として実際にフィールドで課題解決に挑む経験は,大変意義深い学習となりました。
 また今回は北海道室蘭栄高等学校理数科2年生の有志13人も一緒に浦戸諸島で実習を行いました。「北海道内で地層がこのような形で見える場所はほとんどない」とのことで,室蘭栄高等学校の生徒も矢継ぎ早に臼井講師へ質問を重ねていました。
 今後生物班・地学班とも校内外の発表に向けて成果をまとめていきます。

  

感想・小泉和馬(地学班・塩竃二中出身)
 この浦戸巡検は,地学分野の観察・調査の野外実習を通して,私たちを取り巻く地球環境を理解することが目的でした。その中で観察・調査・試料採取の方法について学ぶことが大きな発見につながったと思います。実際に地層で走向・傾斜を測定し,その島の地質が見えてきたように思いました。
 そして,松島層・大塚層というふたつの地層があることも分かりました。また潮流発電施設を見学し,技術の進歩を実感しました。今回の巡検で分かったことをしっかりまとめ,新たな課題を見つけていきたいです。

感想・鈴木穂乃佳(生物班・利府西中出身)
 私は初めて浦戸に行き,不安だった私の心を和らげるような楽しい時間となった。特に印象に残ったことはマツの観察だ。いつも何気なく見ているマツ。私の周りにはいつもマツがあったと思う。しかし浦戸に行き,いろいろなマツがあることを初めて気が付いた。クロマツ・アカマツなどである。チクチクの感じ方によりマツは違う。また授業で学んだことを実際に目で見ることができ,新鮮な気持ちになった。授業では口頭でただ事実だけを伝えられ,ただただそれを暗記していた。しかし自分の目で観察をする・・・それだけで不思議と頭に入ってきていた。これから先も学習を進めながら常に疑問を持ち,さらに追究していく姿勢を大切にしていきたい。