平成29年度以前のESD(自然プログラムとその他プログラムまとめ)
CSSC訪問研修を受けました。
2月27日,教科「情報」で連携していただいているCSSC(技術研究組合制御システムセキュリティセンター)を生徒2名が訪問し,2時間余りの研修を受けました。模擬プラントや模擬システムを実際に操作しながら制御システムとセキュリティに関して現状と課題を学び,さらに情報社会で何が求められているかを考えました。
☆生徒の感想より(抜粋)
千葉友也さん
普段は入れないような研究施設を見学させていただき,とても貴重な体験となりました。施設のプロモーションビデオなどは想像以上に面白く,また施設内のシステムが連動した作りになっていて飽きることがありませんでした。内容を分かりやすく説明していただき,現在の世界や日本が置かれている状況をより理解できたと思います。また,施設モデルを使った実験や演習など楽しみながら学ぶことができました。稼働している状態はリアルで,あれが現実であったら大変な事態です。
情報社会の中で制御システムの重要性は日々高まっていると思います。それに伴い,セキュリティについても重大な責任があります。現実の世界では,ずる賢い手段や凶悪な方法など様々な手を使いクラッカーたちは攻撃してくるものだと理解していました。それが,今回の研修でさらに理解が深まり,一般的ではありますが私たちがセキュリティについてもっと知ることが大切だと思いました。
CSSC連携事業「情報システムと人間」講演会
2月17日,東北大学教授でありCSSC(技術研究組合制御システムセキュリティセンター)東北多賀城本部長の高橋信先生をお招きし,「情報の科学」の授業の一環として今年度2度目となる講演会を開催しました。「情報のホントとウソ」をテーマに,数多くの具体例を用いながら,情報社会を生きていくために私たちがもつべき大切な視点についてお話いただきました。生徒は「ヒューマンインターフェースの重要性」「メディアリテラシー」についての理解を深め,情報社会への関わりを再考する契機になりました。
☆生徒の感想より(抜粋)
柴田すぎ乃さん
情報社会に生きる私たちは情報の真偽を見抜く力が必要です。普段インターネットを使って調べるときに,当たり前のように最初の情報だけを見て,それをそのまま鵜呑みにしていることがあるので,複数の情報や異なる意見の情報など様々な方面からの情報を分析して判断しなければならないと思いました。
安積えりかさん
信じられる情報は,多数の情報源を活用し,科学的な根拠に基づいたものであることが前提ですが,自分で考えて判断していくメディアリテラシーの思考が重要であると思います。これからの生活の中では,偏った意見ばかりにとらわれないよう気をつけていけなければならないと思いました。
HOKKAIDO サイエンスフェステイバルに参加しました!
浦戸巡検生物班の2名が,平成28年1月30日(土)北海道大学フロンティア応用科学研究棟レクチャーホール(鈴木章ホール)で行われた,「HOKKAIDO サイエンスフェステイバル」に参加してきました。
このサイエンスフェスティバルは,北海道地区のSSH指定校が,一年間の活動状況,研究成果発表を行う場です。来年度から交流予定の北海道室蘭栄高校に紹介いただき,北海道教育委員会や北海道旭川西高校のご厚意で発表の機会を得ることができました。
口頭部門ではでは,現在本校が取り組んでいるESD(「持続可能な開発のための教育)の考えに基づいた『多賀城高等学校が取り組む防災・減災教育』についてを,ポスター部門では『マツ類のハイブリット調査』についてを発表してきました。口頭発表では津波標識設置活動の他の伝承活動についてや,宮城県の復興状況についての質問をいただきました。ポスター発表ではハイブリット松の特徴や樹齢による差などについての質問を受けました。
県外のSSH校の中で発表する機会を得たことで,自分たちの研究や発表の進め方をどのように進めたらよいかを学んだ一日になりました。今後は学校でこれらの経験を共有し,課題研究に活かしていきたいと思います。
参加生徒の感想
北海道地区のSSHに参加し,沢山の刺激を受けました。SSH発表会への参加は2度目でしたが,今回は北海道,しかも会場は北海道大学での開催でした。
私たちは道外の高校生ということで何かと注目されましたが,初めての口頭発表で大変緊張し質疑応答では準備不足から失敗もしてしまいました。自分たちの口頭発表は多賀城高校の活動紹介でしたが,ほかの学校は主に研究発表で,同じ高校生が展開している活動の範囲のスケールに驚かされました。それらの発表は総じてレベルが高く,その発表に対してどんどん質問できる高校生はすごいと感じました。私は話を聞くのに精一杯で,置いて行かれる感じが悔しく感じられました。
ポスター発表は2回目だったこともあり,自分としては簡単に説明できているつもりでした。ほかの学校のポスターの内容は,先輩から引き継いだ研究内容などが多く,さらに踏み込んだ内容まで発展させた発表でした。その発展的な内容を丁寧に説明してくれる技術に舌を巻くばかりで,私もその技術を見習いたいと強く感じました。
いろいろな分野の研究が共同の場で発表を行う機会は,研究者としての見識の視野が広がるので,とても勉強になりました。どんどん質問できるよう,次の機会は頑張ります。
北海道サイエンスフェスティバルでは,道内の沢山の高校生の発表を見学してきました。生物分野のみならず物理分野・化学分野など,テーマは多岐にわたりさまざまな発展的な内容を含む研究を行っていて,私にとって理解することが難しい内容もありました。
自分たちの発表では,他の人に質問されたことを答えられないということが多々あり,まだまだ研究が足りないことを痛感しました。今回このように人前で発表するということは,私にとって初めての経験であり緊張や不安が大きく,先生に頼ってばかりでした。しかし同じ高校生の興味深い発表や,新たに質問されたことを通して今後の課題も見つかり,とても良い経験となり大いに触発されました。
今回限りで終わらせるのではなく,今後もこのような機会があればまた挑戦していきたいと思います。そしてこの経験を自分の今後に活かしていきたいです。
CSSC連携事業「情報セキュリティ」実習
1月25日~27日, CSSC(技術研究組合制御システムセキュリティセンター)研究員の方々を講師にお迎えし,情報科科目「情報の科学」の学習の一環として2年生対象(クラス別)に制御システムセキュリティの実習を行いました。制御システムとセキュリティ技術,サイバー攻撃の概要について講義を受けた後,体験シナリオに基づいて模擬システムでの制御の実際や遠隔操作を体験しました。さらに,グループワークで模擬システムを守るアイディアを検討・発表し,情報社会に欠かせないセキュリティについて考察を深めました。
☆生徒の感想より(抜粋)
長田千尋さん
今までは制御システムという言葉を聞いたことはありましたが,具体的にはどういうものなのかはよく分かっていませんでした。しかし,体験シナリオを使ってのグループワークを行い,どうしたらサイバー攻撃からシステムを守ることができるのか,どうしたら未然にサイバー攻撃を防ぐことができるのかを自分たちで考えたことで理解を深めることができました。
庄司遼さん
現代社会においてはほぼすべてのものがコンピュータ制御されています。この状態でサイバー攻撃が行われた場合の被害は測り知れません。そのような事態を防ぐために様々な対策がとられていることが分かりました。しかし,攻撃側の技術が高度化してきているため,その対策方法も高度な技術が求められていくと思われます。私達ができるその時々の最高の対策を複数講じることが大切だと思いました。
CSSC連携事業「情報セキュリティ」講演会
12月16日,電気通信大学教授でありCSSC(技術研究組合制御システムセキュリティセンター)理事長の新誠一先生をお招きし,2年生全生徒を対象にご講演いただきました。この講演会は,情報科科目「情報の科学」における単元「情報社会と情報モラル」の学習の一環として,特に情報セキュリティについて専門的側面から学ぶことで情報社会へ参画する態度を育成することを目的に実施したものです。講演では,現代社会の情報セキュリティ事情だけではなく,「未来を見るためにはまず過去を知ること(過去を知らない人に未来は見えない)」「1つではなく2つ・3つを意識した行動をすること(必ず裏付けをとること・2重3重に鍵をかけること・バックアップをとること)」など,これからの社会を担う高校生に熱いメッセージをいただきました。スマートフォンなどのネットワーク機器を自在に使いこなしている生徒にとって,情報社会への関わり方を再考するものとなりました。
☆生徒の感想より(抜粋)
阿部拓人さん
この講演を聴くまでは,情報化が著しく進歩したこの現代社会における情報ネットワークの問題点などを深く考えたことがなかったのですが,講師の先生の具体的なお話を聴いて,コンピュータの進歩に伴い,いかに私達が危険な状況下に置かれているか,また実際に問題も発生し始めているということを知り危機感を感じました。私達はコンピュータの仕組みや全容を知らないのにケータイやパソコンにお金や情報を安心して任せてしまうという危険な行為をしてしまっていることに驚きました。
早坂学起さん
セキュリティのしくみなどはもちろん専門的な知識が必要ですが,基本的な考え方は普通の防犯と変わらないのではないかと感じました。不審な出入りをさせない,監視する,鍵をかける,騙されない,確認をとる,たくさんの防犯を重ねるなど,形が違うだけでやっていることや考え方は昔から変わらないし,こうしたセキュリティは個人が意識するだけで大きな効果が出ると思いました。よく分からないモノに自分の一部を預けないと生活できない以上,セキュリティを考えるのは当然で,これまで以上に意識して生活していこうと思いました。
JAXA永井裕人さんに授業していただきました。
10月28日(木)、JAXAから永井裕人さんをお迎えして授業をしていただきました。 自然災害と環境問題に対して地球観測衛星データを使ってどのようなことができるのかグループディスカッションを通して考えました。 2年2組 佐藤匠くん
人工衛星というと、地図の作成やGPSへの利用などが頭に浮かびますが、今回の授業を通して衛星データがどのような働きをし、どのような効果がみられるのか詳しく知ることができたのでとても良い経験となりました。 私は小学6年生のときに東日本大震災を経験しました。 人工衛星データを利用し、災害発生時により早く正確な情報を人々に伝えることができるシステムが開発されたら良いなと思いました。
H27年度 つくば研修を行いました!
9月27日(日)と28日(月)の2日間,第1学年の希望者33名が茨城県つくば市にある「産業技術総合研究所 地質標本館」,「宇宙航空研究開発機構(JAXA) 筑波宇宙センター」,「防災科学技術研究所」に行って来ました。 つくば研修2年目となる今年度は「科学的な視点で自然災害を学び、災害から命やくらしを守る力を身につけること」を目的として,「自然災害を科学し,行動する~高校生の私にできること~」というテーマで実施されました。
1日目[9月27日(日)] |
【産業技術総合研究所 地質標本館】はじめに地質調査総合センターの概要について講義を受け,災害軽減のため,活断層や火山などの地質研究,調査・観測が大変重要であることを学びました。 その後,地質標本館内をテーマ毎に解説していただきながら,日本列島周辺の震源分布,地震による液状化現象(はぎ取り標本),デスモスチルス骨格標本などを見学しました。 (写真撮影や記録はi-Padを利用)
地質調査総合センターの藤原治先生と下川浩一先生にお世話になりました。
【(JAXA) 筑波宇宙センター】
【1日目のまとめ…夕食後にホテルにて】
2日目[9月28日(月)] |
【防災科学技術研究所】2日目は,防災科学技術研究所で研修を行いました。 午前は地震(ペットボトル地震計),気象(雨粒の形)について,午後は気象(竜巻)について実習・講義の後,大型耐震実験施設と大型降雨実験施設を見学しました。
講師として淺野陽一,出世ゆかり,鈴木真一各先生方にお世話になりました。
【ペットボトル地震計作成中】
【雨粒を見てみよう!】
【竜巻発生にチャレンジ】
【大型耐震実験施設の見学】
今回見学した「産業技術総合研究所 地質標本館」,「宇宙航空研究開発機構(JAXA) 筑波宇宙センター」,「防災科学技術研究所」はいずれも,日本を代表して研究開発を推進する組織(国立研究開発法人)です。 講師の先生方は最先端の研究に携わっておられていますが,専門的な内容を高校生にもわかるように説明してくださいました。 参加した生徒たちは今回のつくば研修を通じて自然災害のしくみを学び,自分たちがどのように「防災・減災」について発信していけるか考えていました。
石巻市牡鹿半島で野外実習を行いました
9月26日(土),27日(日)の2日間, 「野外観察を通じて地学の調査法や考え方,私たちを取り巻く地球環境を理解する」ことを目的とし,2年生11名が牡鹿半島で野外実習,多賀城高校で実習まとめ作業を行いました。 講師として東北大学学術資源研究公開センターの西弘嗣先生,高嶋礼詩先生をお招きしました。
1日目(9月26日(土))
野外実習実習地は牡鹿半島の月の浦漁港,荻浜,狐崎漁港,福貴浦漁港,鮎川漁港,御番所山公園の6か所。 それぞれの地点で露頭(地層)の観察,走向傾斜の計測,記録を行いました。 浦戸野外実習に引き続き,今回の実習も宮城教育大学COC事業の協力を得て,i-Padを用い写真撮影や記録を行いました。
野外実習の最後は,御番所山公園から金華山を観察しました。 今回の各実習地点で観察した地層からわかる牡鹿半島の成り立ちを説明していただき,1日目の実習を終えました。
2日目(9月27日(日))
実習のまとめ作業2日目は,多賀城高校でまとめの作業を行いました。1日目に測定した走向傾斜を地図上にプロットする作業や牡鹿半島の地質構造の確認をしました。 また,地層観察からわかった地球の地殻変動や海水準変動をまとめる作業をしました。
講師の先生方は,大学の講義レベルの内容を高校生にも理解できるように噛み砕いてご指導してくださいました。 参加した生徒たちも先生方のお話に真剣に耳を傾け,自分たちの住んでいる宮城県,そして地球がどのような地殻変動を経て現在に至るのかを学ぶことができました。 「実際に歩いて露頭を観察することで,地層の成り立ちや危険箇所を知ることができ,防災にも役立つ。」というお話もいただきました。
「課題研究の進め方」について講義をしていただきました
9月29日(水)1学年を対象として、後期から「総合的な学習」で取り組む課題研究に沿った学習への取り組み方について,東北大学災害科学国際研究所講師の久利美和先生に講演をいただきました。 多賀城高校では今年度から総合的な学習の時間を用いて「防災・減災」をテーマとした課題研究について全校で取り組む計画です。
久利先生には,「論文」とはどういうものなのか「学会での発表」とはどのようなものなのかを,わかりやすく説明していただきました。 「論文」とは自分の意見を根拠を持って発表するものであり,「学会」は自分の研究について他の人から意見をもらったり,協力者を募る場面であるとの話をいただきました。 「発表」の機会ではどうしても失敗をしないようにとか,綺麗な結果を求めがちになりますが,自分の研究に対して応援してもらえる良い機会である,質問が沢山あるほど良い研究につながるとのお話しをいただきました。
今後は発表の機会に、積極的に自分から考えを発表したり,質問したりするようにして研究を深めていきたいと思います。
「浦戸から地球に思いを馳せて」
塩竈市浦戸野々島で野外実習を行いました & 海上保安庁の測量船「天洋」と巡視船「まつしま」」に乗船しました
7月19日(日),20日(月)2日間をかけて,(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)との連携事業「浦戸から地球に思いを馳せて」と題して, 2年生を中心とした生徒23名が塩竈市浦戸諸島野々島での野外実習,多賀城高校での屋内実習を行いました。 JAMSTECとの連携事業は昨年度から引き続きの実施となりました。
地学班の講師は6月9日に行われた事前研修に引き続き小俣珠乃研究員をお招きしました。 プレートテクトニクスの理論と世界に広がる造山帯の話など前回の講習の内容が,実際のフィールドワークで実感できたものになりました。 校内実習では松島湾の成り立ちを,地殻プレートの動きなど地球のダイナミクスを推測できる実習を行っていただきました。
7月19日(日) 野外実習
8:45 マリンゲート塩竈に集合
事前学習で学んだことを出発前に再度確認し,さらに本日の実習内容についての確認です。実習は,地学班と生物班に分かれて行います。
9:30 出航
塩竈市営汽船に乗り,いざ出発。台風の影響もほとんどなく,海の青さと松島の緑がきれいな実習日和となりました。 塩竈市営汽船は浦戸諸島と塩竈港を結び,日曜,祝日には5往復しかありません。 浦戸諸島は,大小様々な島からなり松島湾の南東部に位置する島々です。 桂島,野々島,寒風沢,朴島には集落があり,歴史と豊かな自然に恵まれたところです。
塩竈市営汽船HPはこちら
10:01 野々島着
ここからは,地学班と生物班に分かれての活動です。
地学班は宇内浜付近に移動し,露頭の観察を行いました。i-Padのアプリケーションソフトであるクリノメータを用い断層面の走向傾斜を測定しました。引き続きi-Pad上で地層のスケッチをしました。
最後に浜の砂を椀がけし,有色鉱物を観察しました。
生物班は千代崎(毛無﨑)に移動し植生を観察しました。続いて,特に松の観察を行いました。野々島にはアカマツとクロマツが自生しています。 また,そのハイブリッド種も存在しています。そこでこれらの分布について葉を採取することで,植生分布を確かめることとしました。植生分布を調べることで,遷移の様子がわかります。
14:23 野々島発
無事に実習を終えて野々島を出港です。島のあちこちではまだ,震災復興のための護岸工事が行われています。 塩竈市街地や松島湾の被害が少なかったのは,浦戸諸島が津波の盾になったからだと言われています。 島民全員が高台に避難して無事だったそうですが,離島ゆえに直後の物資搬入や,その後の復旧・復興も遅れがちになっているとも聞きました。 実習中にも被災跡を目にすることがあり,私たちも何らかのお手伝いができればと考える野外実習でもありました。
14:54 マリンゲート塩竈到着
15:00 海上保安庁測量船,巡視船への乗船見学
当日は「塩竈みなとまつり」も開催され,翌日は「海の日」ということもあり,常日頃御協力をいただいている第二管区海上保安本部,宮城海上保安部のご厚意により 測量船「天洋」と巡視船「まつしま」に乗船させていただく機会を得ることができました。
「天洋」はマルチビーム探査機を備えた測量船で,水路を確保するために沿岸部の海底について調査する船です。 震災後は港湾に沈む車などの発見など水路の安全のために活躍しています。
「まつしま」は災害発生時に孤立した沿岸や離島などで救援活動を中心に行うことができます。 被災者の収容,沿岸物資を積むスペースの確保や一度に200名分の調理ができる能力など最新鋭の装備が施されています。
7月20日(月) 屋内実習
生物班では,前日島内で拾ってきたマツの葉についての観察を行いました。アカマツとクロマツが自然の状態で生育している場合には,アカマツは内陸に,クロマツは海岸に多いと言われています。 また,アカマツは幹の下部が暗褐色,上部は赤褐色をしています。クロマツは下部から上部まで暗褐色をしています。葉では、アカマツはやわらかく,クロマツはかたく暗緑色と言われています。 また,アカマツとクロマツの自然交配種(ハイブリッド)も存在しており,一概に区別することは難しいことが多いと言われています.。
区別を顕微鏡で行うと,樹脂道が表皮についているのがアカマツ,葉肉内に入っているのがクロマツと区別がつくことを利用し,アカマツ,クロマツ,ハイブリッド種を区分する実習をおこないました。
地学班では,島内で観察してきた地層やそこで測定してきた走向傾斜から地質図を作成する作業をおこないました。松島湾内では中新世時代前期の松島層と大塚層が地表付近で見られます。 松島層は凝灰岩、大塚層はシルト岩がそれぞれ主体となっており,これらの地層は北西-南東の走向をもち,ゆるやかな背斜,向斜構造をくり返し形成しながら分布しています。 野々島では松島層と大塚層の境界が観察できたことや,大塚層に見られる小断層などについても解説されました。
また,後半には野々島の海岸で砂,さらに椀がけした砂,加えてJAMSTECの調査船が採取した深海堆積物について実体顕微鏡で観察しました。 様々な鉱物の同定について小俣先生から御指導をいただきながら,その違いについての観察をおこない, 様々な鉱物についてi-Padで顕微鏡写真を撮影し,その写真に直接iPAD上で特徴を記載するなどして観察記録を取りました。
この事業はパナソニック教育財団の助成対象であり,宮城教育大学のCOC事業の協力を得て行われました。 実習ではノーペーパーでi-Padに保存されたいる地図に直接記録を書き込む,クリノメーターや方位磁石としての測定器具として使う, 写真や動画を撮影する記録媒体として用い,データを共有するなどの取り組みをおこないました。 これまでに無い,校内外での多面的なタブレットの活用としても意義深い実習となりました。
海洋研究開発機構:海洋に関する基盤的研究開発や海洋に関する学術研究に関する業務を総合的に行う研究機関
パナソニック実践研究助成
宮城教育大学COC:「宮城協働モデルによる次世代型教育の開発・普及」