平成27年度

防災学習プログラム 平成27年度

Post-disaster Innovation Forum 2016 @Sendai

 3月13日(日)に仙台市若林区にあるINTILAQ東北イノベーションセンターで行われたフォーラムに生徒会を中心とする生徒6名が参加してきました。午前中のワークショップでは,県内外の高校生が大地震に対する対策について意見交換を行いました。午後のグッド減災賞優秀賞受賞団体によるプレゼンテーションでは,必要な人に必要な支援を必要な分だけ届けるシステム「スマートサプライ」を開発した一般社団法人Smart Survival Projectが最優秀賞に輝きました。各団体のプレゼンテーションのあとは,発表者とのディスカッションを行い,交流を深めることができました。

【感想】
○2年1組岩佐彩音(多賀城中)
 ワークショップを通して実際に震災を経験した私達があたりまえだと思っている事と関東の人達があたりまえだと思っている事に違いがあることを感じました。また,震災当時の被災地以外の様子を聞き,全国が被災地に目を向けて支援してくれていたことを知りました。今回のワークショップでは自分の考えの幅を広げることができ,とても有意義な時間を過ごすことができました。
○2年7組亀山沙月(多賀城中)
 改めて震災当時のことを振り返り,あの時何があったらより良かったか,何が大変だったかを振り返ることができ,私自身忘れていることもあると感じました。震災の時の大変な事などを,経験していない人に伝えきれなかったような気がしたのが心残りです。また機会があれば今度はうまく伝える事ができるようにしたいと思います。
○1年3組加藤健太(塩竈二中)
 ワークショップでは,3日後に東日本大震災レベルの地震が起こると想定して,グループで話し合いスケジュールを立てるということをしました。グループごとに条件や縛りなどがあり,工夫を凝らし,グループ内で話し合い,発表しました。今回のワークショップを通して,日頃からいつ災害が起きても対応できるような備えをする事が大切であると思いました。
○1年4組門間大輝(塩釜二中)
 防災について志の高い高校生と話すことで,より一層防災についての知識が深まり,高校生活に活かそうと思いました。またこのような機会があれば参加したいです。

【写真】

  

  

宮城県震災復興課が作成した,ポスターが全国公開されました!

 宮城県では,東日本大震災で多くの皆さまからのこれまでのご支援に,深く感謝するために「宮城から感謝をこめて2015」を展開しています。この事業では,復興に向けて取り組む宮城の現状や魅力を伝えることによる東日本大震災の風化防止と,全国からいただいている支援への感謝の気持ちの発信,中長期的な支援意識や復興の気運の維持向上を目指し,宮城県内各地の復興現場を感謝とともに伝えています。
 この 「宮城から感謝をこめて2015」で本校が取り上げられました。ポスターは全国のJR駅,地下鉄駅,空港などに掲示されます。

https://sites.google.com/site/kanshamiyagi3/home/tagajyou

特別授業「住まいの安全」

 2月22日(月)に1年生家庭基礎の授業に東北工業大学ライフデザイン学部安全安心生活デザイン学科の先生方による特別授業がおこなわれました。
 3・4校時1年3組では菊池良覺先生の「安全な住まいのデザイン」,中島敏先生の「安全なモノのデザイン」の講義をいただいた後,「身近な家具の安全点検」を演習形式で行いました。
 普段,滅多に使用しないカッターナイフを使って鉛筆削りの実習を行った後,10分の1サイズの振動模型を用いた実習を行いました。グループ毎に作成した「突っ張り棒」で模型の本棚を固定し,その効果を自分の目で確認しました。新しい発想で本棚の固定を考えるグループもあり,各家庭で家具の固定について点検したり,新たに考えたりする良いきっかけとなりました。

 5・6校時1年7組では伊藤美由紀先生による「災害時に備える看護学」の授業がおこなわれました。講義では,家庭内での死亡事故が大変多いこと,加齢によって体の変化が生じることを確認しました。その後,視覚が狭くなることを体験できるゴーグルを装着して教室や廊下,階段の上り下りをしてみたり,片マヒを想定し,杖を使って歩行してみたりと,体験を通して,体の自由がきかなかったり,思うように行動できないこと,自分たち高校生とは感じ方が全く違うということをそれぞれ実感していました。授業のまとめで自分達にできることを話し合い,災害時はもちろんのこと,日常生活の様々な場面において,高齢者や障がいを持つ方の状況を理解し,気を配っていくことの大切さを確認していました。

国土地理院職員による「防災と地図」の特別授業を実施しました!

 平成28年2月19日(金)に国土交通省国土地理院東北地方測量部の職員の方々3名から,地理B選択者2年生を対象に,「防災と地図」の特別授業を行っていただきました。国土地理院は,日本で唯一の国家地図作成機関です。測量法や地理空間情報活用推進基本法に基づいて,地理空間情報の整備・更新・活用を推進しています。
 今回は,国土利用,開発,防災・減災の観点から国土地理院が作成している電子地図の利用方法について,大変わかりやすい講話と実習を行っていただきました。国土地理院で作成している電子地図は地理院地図と呼ばれています。この地図はWeb上で誰でもが操作できること,過去の航空写真など多くの情報が掲載されていること,標高に応じた色分けなどができること,少しの工夫で自分たちが得た情報をこの地図に重ね合わせる技術を学習しました。
 今後は,これらの知識と技術を自分たちの生活や防災・減災に活かす地図利用につなげていきたいと思います。

  

復興庁主催「新しい東北 交流会in仙台」

2月11日、仙台サンプラザで「新しい東北 交流会in仙台」が行われました。
復興庁が主催するこの催しは、東日本大震災から5年、復興の歩みの中で東北各地に生まれた「新たな挑戦」を紹介し、今後の復興の在り方を考えていく。という趣旨で、90を超える団体が一堂に会し、取り組みの内容を各ブースで紹介・展示しました。
「災害科学科」を開設する本校も、招待を受けブース出展とプレゼンへの参加をしました。
今回は生徒会副会長の鈴木菜々子さんと執行部の阿曽南美さん、小野寺杏さんが参加し本校の防災活動や災害科学科の紹介をしました。
途中、高木復興大臣も本校のブースを訪れ、鈴木さんらは活動の内容などを説明しました。


本校の津波標識を手にする高木復興大臣


本校の活動をプレゼンする鈴木さんら


新聞記者からの写真撮影を受ける左から阿曽さん、鈴木さん、小野寺さん

さらに、翌12日、髙木大臣は閣議後の記者会見で、この交流会に出席したことを 記者会見で語り、本校の津波標識活動を大変印象に残る活動だ。との感想を述べられました。 以下は会見の発言要旨です。

髙木復興大臣閣議後記者会見録(平成28年2月12日(金)10:33~10:37 於)復興庁)
復興庁HPより

1.発言要旨
 私から一点でございます。新しい東北交流会in仙台への出席の所感について申し上げます。   

 昨日、2月11日でございますけれども、新しい東北交流会in仙台に出席をいたしました。当日は約700名の方々の御来場がありました。   
 会場では、先導的なビジネスに取り組む6事業者の顕彰を行うとともに、ブース展示も視察してまいりました。女性や若者の皆様が活躍されている団体の取組や、外国人対応も意識した観光の取組など、従来の手法や発想にとらわれない、新たな挑戦が進んでいることを実感しました。今後も、4月からの復興・創生期間初年である本年を、地方創生のモデルとなる復興の実現に向け、第一歩としていくよう、全力で取り組んでまいりたいと考えています。   
 先ほど申し上げましたブース展示では、多賀城高校の生徒会の女子生徒さんが、津波がここまで来たというプレートを電柱などに貼り付けるなどして、復興の記憶を忘れないように、これからの教訓にするように、そんなような活動もなさっておりました。大変印象的でございましたので、一つ付言をさせていただくところでございます。   
 以上でございます。

保健特別授業「災害時の救護・医療活動について~日本赤十字社の活動~」

 2月10日、保健の授業の中で学習する災害時の救護活動について、東日本大震災の際、日本赤十字社はどのように活動したのかを中心に、災害時にどう行動するか、どう備えるかという内容で、本校1年生120名を対象に特別授業が行われました。
 講師は日本赤十字社の佐藤知和さんで、この日のために東京本社から来ていただきました。ご自身も岩手県大槌町出身で、祖母や友人を津波で失ったという経験なども交え講義をいただきました。
 当日はNHKも取材に訪れ、夕方のニュースで放映されました(写真)

  

全国防災ジュニアリーダー育成合宿に参加してきました

 1月14日(木)~17日(日)の3泊4日で開催された全国防災ジュニアリーダー育成合宿に,生徒会長の岩佐彩音と生徒会副会長の加藤健太が参加してきました。
 兵庫県の淡路島にある国立淡路青少年交流の家で全国の中高生と寝食を共にし,阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓を共有するとともに,防災や減災の知識を学びました。舞子高校で行われた「震災メモリアル行事」では,本校の活動を紹介するだけでなく,他校の取り組みを学ぶことができました。また,21年前に発生した阪神・淡路大震災の追悼行事「1.17のつどい」に参加し,何年経過しても忘れてはならないことを再認識し,自分のできることを改めて考える機会となりました。他にも,講義やワークショップ,各施設の見学を通して,防災ジュニアリーダーとして成長するための有意義な時間を過ごすことができました。
 【本校生徒の感想】
○岩佐 彩音(2年,生徒会長)
 私は今回初めて参加し、防災に関しての知識やリーダーとしてどうあるべきかなど、今の私に足りないことを多く学ぶことができました。今回の育成合宿を通して大きく感じたことは、全国の中高生の防災意識の高さと、自分のリーダーとしての力の無さです。兵庫県の中高生は、実際に震災を経験していないけれど、当時の様子や被害状況、体験談から学んだ教訓や防災に関する知識が豊富で、他県の中学・高校も、これから予測されている地震に対して備える取り組みをしっかりとしていました。実際に震災を経験した私たちの方が、防災意識が低くなることがあってはならないと思いました。そして、私たちの被災体験をもっと多くの人に伝えて、防災意識を共有できたらいいなと思います。また,今回の合宿では、リーダーシップのある人達の中で、積極的になれなかった自分がいて、とても悔しい思いをしたので、これからは多賀城高校生徒会長として恥じない行動をしていきたいと思います。

○加藤 健太(1年,生徒会副会長)
 私は、今回の全国防災ジュニアリーダー育成合宿に参加して、全国の中高生が行う防災への取り組みに関する発表や講義を通じて、防災への意識を深めたり考え方を広めたりすることができました。私が「防災」と聞いて頭に浮かぶのは、東日本大震災に直面したことです。その時はまだ小学生だった私は、ただ恐怖に怯えるだけで、学校の先生や家族に助けられるばかりでした。でも、高校生となった今、今度は助ける立場になりたいと考えています。直接体験したからこそ、それらを後世に語り継ぎ、次に同様の災害が起きた時に犠牲者を少しでも減らせるよう努めるというのが私たちの使命であると考えます。今回の経験を踏まえて、私たち多賀城高校では、他校との交流の中で得た本校でも取り組めそうな活動を導入し、災害の風化を防ぐ取り組みや、地域の小中学校への出前授業を行うなどし、地域の輪を広げていきたいです。


学校の取り組みを発表する様子


ワークショップでの様子


1.17のつどいの様子

家庭基礎で「災害時の食事」を実施しました!

 平成28年1月18日(月) ,岩手県立総合教育センターの支援指導部 川地 里美 研修指導主事をお迎えして家庭基礎特別授業「災害時の食事」についてを行いました。
 川地先生は,ご自身の被災体験や岩手県の様子などの話をまじえながら,災害時の栄養摂取の在り方を考えながら,どのように献立を考えていくかというお話と実習がありました。避難生活で配給される食品は炭水化物に偏りがちなこと,家庭の中になる備蓄食料はどんなものがあるかを調べること,これらを使って,最小限の熱と水でどのようにバランスを考えながら食事を食っていくかを考える内容でした。この授業を通し,自分や家族の健康を大切にし,安全(防災・減災)についての改めて考えるきっかけとなりました。震災の時の記憶を風化させないためにも,このような試みを続けて行ければと思います。

  

東北学院大学「避難シミュレーション」協力授業に参加しました。

11月21日(土)に東北学院大学・土樋キャンパスで行われた「避難シミュレーション」ワークショップに、本校有志生徒の1年生38名が参加してきました。

これは、COC事業の一環として行っている東北学院大学の「平成27年度東北学院大学学長研究助成金事業(研究者代表・志子田有光工学部教授)」がタイアップして実施するもので、 「避難シミュレーション」のほか、基調講演も行われました。

まずは、教養学部地域構想学科の松本秀明教授(地理学分野)による基調講演が行われ、縄文時代から現代までの数千年単位での 地域の自然環境の変化とそのメカニズムを理解することの大切さについて教えていただきました。 また、同研究室がNHKの「ブラタモリ」に出演した様子などが紹介されました。

次に、災害時の避難行動の特性に関する研究を行っている工学部電子工学科の学生の発表があり、ひき続き定められた条件下に基づき実際に避難するという「避難シミュレーション」に取り組みました。 これは、避難に要した時間や行動などの様々なデータを収集し、その分析や検証を行い今後の避難態勢を考えていく研究に役立てるものとなります。

  

  

多賀城市総合防災訓練に防災委員が参加

11月8日(日)に多賀城市内で広域に行われた「多賀城市総合防災訓練」に今年も本校生徒が参加してきました。 あいにくの雨天で肌寒い中、多賀城中学校と多賀城第二中学校,多賀城駅周辺にわかれ、主に「災害状況伝達訓練」を行いました。 これは、災害用のスマートフォンを使い、安否確認・災害状況の伝達・被災現場の写真送信と様々な情報を災害本部とやりとりし、 より正確な情報に基づき避難や救助に役立てるもので、有志が参加した本校防災委員一人ひとりがスマホを片手に、それぞれの想定の状況で訓練に参加しました。

プレートにGPS情報を貼る作業(多賀城駅周辺)↓


↑スマホで想定した災害状況を送る様子(多賀城中)

また、多賀城駅周辺の訓練に参加した生徒は、この「災害状況伝達訓練」のほかに、GPS表示機能のあるリストウォッチを装着し、 「津波波高表示プレート」のある場所をGPSで検索し、その場所を地図に上に表示していく作業(「UTMグリット地図)にも取り組みました。 今後もより汎用性の高い「津波波高表示プレート」にしていこうと、参加した生徒は雨に濡れながらも作業に取り組みました。

【生徒の感想】1年 佐藤きらら さん

今回の防災訓練では、津波波高プレートにその場所をGPSの数字で示す「UTMグリッドコード」と呼ばれる番号のシールを貼ったので、 実際に災害が起こったり、何かあったときに役立てばいいなと思います。 また、災害用の試作アプリが入ったスマホも使いました。 まだ開発途中ということでしたが、今回自分たちが試しに使ってみることにより、いろいろな意見を取り入れて、 もっとよい機能になり、多くの人の命を救うことにつながればいいなと思いました。

多賀城市の総合防災訓練に参加するのは初めてでしたが、とても充実した訓練にすることができてよかったです。 また、天候は悪かったのですが、災害はいつどのようなときに起こるか分からないので、訓練には適した天候だったのかなと思いました。 今回のような訓練にも今度進んで参加していきたいと思いました。