部活動

サンケイスポーツ 2012年2月11日(土)の記事より

宮城合同“絆”初勝利/高校ラグビー

平成23年度・東北高校ラグビー新人大会1部5,6位決定戦(10日,福島・いわき市21世紀の森公園内多目的グラウンド)メモリアル白星! 多賀城と仙台一(ともに宮城)の2校で構成された初出場の宮城合同が,山形中央(山形)に25-7で勝利した。前半12分,今大会チーム初トライで勢いづいて逆転すると,今年度(昨年12月)の花園(全国高等学校ラグビー大会)出場校に一歩も引かず応戦。宮城県勢では大会史上初の合同チームが,初白星で“金星”を挙げた。

余韻をかみしめる。ジワジワとこみ上げる勝利の感激。しかも,相手は全国大会出場校。試合中の厳しい表情から一転,SO佐々木大地主将(2年,多賀城)の紅潮したほおが一気に緩んだ。

「うれしい。相手は山形1位だけど,毎日練習を積み重ねていけば勝てるんだと感じた」

前半2分に先制トライを許し,同8分にはプレー中に後頭部を強打したWTB佐藤大和(2年,多賀城)が救急車で運ばれる緊急事態。大事には至らなかったが,動揺は隠せない。序盤は相手にリズムを奪われ,守勢にまわった。

だが,同12分にCTB平沢一樹(2年,仙台一)がゴール右隅へ,今大会チーム初トライ。待っていたこの瞬間に,味方のテンションも上がる。攻撃への意思統一がテンポを生み,その後はFW陣の激しいタックルとBK陣の素早い展開が機能。今年度の花園出場校に25-7で快勝だ。

“裸のつき合い”で親睦を深めた。普段,選手たちが顔を合わせるのは週末の合同練習のときだけ。だが,今大会では福島入りした7日から一緒に行動。学校別ではなくポジション別で集まることも増えた。宿泊先にある大浴場にもみんなで入り,HO坂本光(2年,仙台一主将)は「一緒にいていろいろ話し合えたのがよかった」。同じ部員不足という共通の悩みを抱えながら,大会に出られた喜びを共有。ともに過ごした時間だけ,チームの絆は深まった。

これでチームはいったん解散。次の大会は5月下旬のインターハイ県予選があるが,合同として出場するかは未定。それでも,坂本は「もう一度合同でやって勝ちたい」。佐々木主将も「合同で(I部1回戦で敗れた)磐城(福島)を倒したい」。また会う日まで。そのときを信じ,互いに鍛錬を重ねる。

花園出場の山形中央を破る“金星”を挙げた宮城合同。HO坂本(中央)の迫力の突進 (撮影・有吉広紀)(写真:サンケイスポーツ)