災害科学科ブログ
1年「石巻・女川巡検」を実施しました
1 目的
東日本大震災で甚大な被害を受けた被災地を視察することを通じ、震災の記憶を未来と世界に発信する主体者としての資質を涵養する。
(1)学校の管理下にある子どもが犠牲になった事故としては戦後最悪の惨事となった大川小学校をはじめ石巻地区のそれぞれの被災状況を知り、犠牲になった方々への慰霊を行うとともに、今後の防災・減災活動の意識づけの強化を図る。
(2)甚大な被災とその後の迅速な復興を遂げている女川地区をモデルに、「災害と復興」について学習する。
2 日時
令和7年2月18日(火)8:00~16:50
3 実習場所
石巻市門脇地区(みやぎ東日本大震災津波伝承館、震災遺構門脇小学校)見学
女川町(駅前商店街シーパルピア散策)
震災遺構大川小学校(講話・見学)
4 生徒感想 災害科学科1年 阿部 華凛(仙台市立宮城野中学校)
今回の石巻・女川巡検では、門脇小学校と大川小学校の二つの小学校に行って当時のことの話を聞いたことが最も印象に残っています。最初に訪れた門脇小学校では、震災の数年前から学校の裏山への避難訓練が実施されていました。そのおかげで、震災当時、避難する際に生徒たちはスムーズに避難することができ、在校していた生徒・教職員と山に避難してきた地元住民は全員無事でした。次に訪れた大川小学校では、震災当時、津波による被害が大きく、少し距離のある高台へ避難する途中だった児童78人中74人、教職員11人中10人が犠牲となりました。その背景には、後に発生した裁判で明らかになったことがあります。それは、危険管理マニュアルがこの地域に適したものとはいえず、避難訓練も充分に行われていなかったことです。また、大川小学校にも裏山があり、そこへ避難するという選択肢もありましたが、しかし実際にはその判断はされませんでした。これらの要素が積み重なって大きな被害へとつながりました。この2つの学校を比較すると、事前準備の徹底が被害の差が大きく開いてしまった要因の一つであると考えます。今回の学びを通して私は、災害科学科の一員として、2年次から本格的に始まる「まち歩き」や外部の活動などで伝えることにより、地域の防災・減災に貢献していきたいと思いました。
【災害科学科】「令和7年度東日本大震災アーカイブシンポジウム」にて、災害科学科の取組を発表しました!
1.シンポジウム概要
令和8年は、東日本大震災(平成23年)から15年、熊本地震(平成28年)から10年の節目を迎えます。この間、国内外のさまざまな機関が、それぞれの強みを生かした特色ある震災アーカイブを構築し、継続的に運営してきました。これに伴い、教育現場での継続的な活用事例も生まれています。
これらの取組は、震災の記録・記憶を次世代へ継承する上で重要な役割を果たしてきました。本シンポジウムでは、特別講演としてハーバード大学のアンドルー・ゴードン教授を迎え、同大学の「日本災害DIGITALアーカイブ」や日本の震災アーカイブの取組の意義について、海外の日本研究者の視点からご講話いただきました。
また、熊本県および石川県の震災アーカイブ担当者から、震災アーカイブの構築・運営の現況について報告が行われました。
2.主催等
主催 : 国立国会図書館及び東北大学災害科学国際研究所
後援 : デジタルアーカイブ学会
3.参加生徒 災害科学科 2年生 阿部愛、釘宮沙英、鈴木蓮、真部航成
4.実施内容・評価
現地では約70名、オンラインでは約80名が参加しました。本校からは教員および災害科学科2年生4名が参加し、災害科学科設立までの経緯や、防災・減災・伝災活動について、震災アーカイブの活用事例に触れながら発表を行いました。
参加者からは、災害科学科の取組が、東日本大震災の教訓を次世代へ伝承するために非常に有意義な活動であるとの感想をいただきました。
生徒感想
■災害科学科2年 真部 航成(まなべ こうせい)
東日本大震災アーカイブシンポジウムに参加し、私たちが行っている「津波伝承まち歩き」活動と、伝承に関する課題研究の発表を行いました。2011年3月11日に発生した東日本大震災から15年が経過しようとしている現在、当時の記憶や教訓が風化しつつあると感じています。
そこで私たちは、「津波伝承まち歩き」活動には災害に関心のある人しか参加しないという課題に着目し、災害への関心が低い人にも参加してもらう方法を考えています。現在の「津波伝承まち歩き」活動は、多賀城高校のホームページのみで参加受付を行っているため知名度が低く、限られた人しか参加していません。そこで私たちは、情報発信の方法によって「津波伝承まち歩き」活動の認知度は大きく変わるという仮説を立て、課題研究に取り組んでいます。その一環として、活動を広めるための動画作成を行っています。
今回のシンポジウムを通して、私たちが作成した「津波伝承まち歩き」動画は、東日本大震災の教訓を後世に伝え広める有効な方法である一方、震災アーカイブもまた、災害の教訓を伝承する有効な手段の一つであることを学びました。震災アーカイブの中には、誰でも閲覧したり、記録を投稿したりできるものがありますが、震災デジタルアーカイブの持続性は約10年と非常に脆いことも分かりました。この点は、私たちが行っている「津波伝承まち歩き」活動にも重ねて考えることができます。活動を後世に伝えていくためには、誰かが引き継いでいく必要があります。その際、「誰かがやってくれる」のではなく、「自分がその誰かになること」が、伝承を行う上で大切だと感じました。今後は、私たちの伝承を受け取った人が防災や減災の行動につなげてくれることを目標に、「津波伝承まち歩き」活動をより良い取組へと発展させていきたいと思います。
【災害科学科】まなぼうさい@イオンモール新利府南館
1)目的
災害科学科における防災教育の取組を広く発信することを通して、生徒が日々の学びの意味を明確にするとともに、防災・減災・伝災への意識醸成を行う。さらに、他団体の内容を生徒の探究活動や今後の連携に活用する。
2)場所 イオンモール新利府南館 2Fライブスクエア
3)参加者 災害科学科1年生
4)日程・時程 12月6日(土)
5)発表内容
「北海道・三陸沖後発地震注意情報ワークショップ」(監修:仙台管区気象台)
災害科学科1年生がファシリテーターとして、来場者とワークショップを実施する。
【生徒感想】 災害科学科1年 柿崎 莉星
今回のイベントは、私にとって災害科学科として初めて、一般の方々に知識を発信する場でした。参加者に、どのような身を守る行動をとるべきかを、楽しく、かつ真剣に考えてもらえるように意見を引き出すことは難しかったです。そのため、投げかける質問や提示する条件の順番を工夫し、思考がスムーズに進むよう意識して話し合いを進めました。その結果、参加者が楽しみながら、こちらが投げかける質問に対して真剣に考え、理解を深めている様子が見られ、その姿にやりがいを感じました。その2日後、実際に青森県沖で震度6強の地震が発生し、初めて後発地震注意情報が発表されました。ワークショップで学び、発信した知識が現実のものとなり、日頃から蓄えてきた知識や準備してきたことが、災害時にどれほど重要であるかを痛感しました。おそらく、このワークショップに参加した方々は、自分の身を守る正しい行動をとることができたのではないでしょうか。この経験を通して、災害科学科の存在意義を改めて感じました。災害科学科として学んできた知識を実際に活かし、未来の防災活動に貢献できるという喜びと責任を感じるとともに、これから起こる災害によって失われる命が少しでも減るよう、日々学びを深め、行動していきたいと思います。
【災害科学科】「世界津波の日」2025高校生サミットin仙台
1)目的
世界各国の高校生が津波の脅威と対策について学ぶ場として、開催されている「世界津波の日」高校生サミットに参加し、活動発表、意見交換、交流を通し、将来のリーダーの育成と、世界各国の「きずな」をいっそう深める。
2)主催/共催 仙台市、仙台市教育委員会、宮城県、宮城県教育委員会、東北大学災害科学国際研究所、外務省、国連防災機関(UNDRR)神戸事務所
3)期日 2022年10月19日(水)~10月20日(木)
4)会場 東北大学災害科学国際研究所
5)参加生徒 災害科学科2年生 2712菊地広宣、2727平間夢人、2728平山智悠
6)実施内容・評価
11月5日の「世界津波の日」は、津波の脅威と対策への理解と関心を深めることを目的に、2015年12月の国連総会において日本が提唱し、採択されました。翌2016年からは、世界各国の高校生が防災について共に学ぶ場として「世界津波の日」高校生サミットが開催されています。
2025年11月、仙台市において、自然災害による被害の最小化と国土強靱化を担う将来のリーダー育成、および国際交流の深化を目的に本サミットが開催されました。日本を含む10か国の高校生88人が参加し、3つの分科会での議論を経て、今後の行動指針や決意を「仙台未来宣言」として取りまとめました。
本校からは災害科学科2年生の平間夢人さんが副議長として参加しました。平間さんは、ニューヨークの国連本部において本サミットのPR活動を行ったほか、「仙台未来宣言」の発表という大役を立派に務めました。
<生徒感想>
■災害科学科2年 平間 夢人
私は先生に「今行っている課題研究を世界津波の日というイベントに参加してみない?」と言われました。私たちの課題研究をもっと多くの人に知ってもらえる機会だと思い、深く考えず「やってみます」と答えました。その後、先生から「ニューヨークにある国連で世界津波の日をPRすることになる」と聞かされ、とても驚きました。最初は実感がわきませんでしたが、同時に大きな責任と貴重な機会をいただいたのだと感じました。実際にニューヨークに訪れてみると、日本では感じることのできない強い刺激を受けました。多様な価値観や考え方が当たり前のように共存していて世界の広さを実感しました。また、国連で発表を行うときは、これまで経験したことのないほど緊張しました。大きな不安もありましたが、練習してきたことを思い出し、落ち着いて発表することができました。世界津波の日では、私たちの課題研究を発表する機会があり、とても緊張しました。日本だけでなく、多くの国の高校生が参加していたため、不安もありました。しかし、レセプションなどを通して他国の人たちと交流する中で同じ災害というテーマでも国などによって考え方や捉え方が異なることを学びました。また、副議長として意見を述べたり、発表を行なったりする場面もあり責任の重さを感じましたが、実際にやってみると、思ったより落ち着いて取り組むことができました。最初は軽い気持ちで引き受けたことでしたが、今では、私にとって大きな学びと成長に繋がったと感じています。
【災害科学科】SS野外実習 大郷・浦戸巡検を実施しました
10月21日(火) に、1年生災害科学科の巡検が実施され、2コースに分かれて活動を行いました。
| <大郷コース> 令和元年洪水対応、地域の防災活動、復旧・復興(講義)、今後の対策・堤防の構造(講義)、堤防・避難道路(現地調査) |
災害科学科 吉村聡(大崎市立鹿島台中学校卒業)
今日の活動を通して、大郷町が令和元年台風で一級河川の吉田川が決壊したにも関わらず、犠牲者0人という記録を残すことが出来たのは、過去の洪水の経験を生かし、地域の人々が協力し合い、迅速に避難する体制が出来ていたからだと分かりました。大郷町では、避難できていない人たちを素早く助けていくため、「避難しました」や「助けて~」と書いてある旗を配付し救助を効率よくしたり、高齢の人たちにも分かりやすい地区の防災マップを配付するなど自主防災意識が非常に高いと感じました。そのようなことから、大郷町はこれからも洪水に全力で対策し、犠牲者を出さないところとして続いていくと僕は思います。
| <浦戸コース> 塩竈層群、船入島~桂島の貫入岩体と海底火山について(陸上からの観察、船上からの観察と現地解説) |
災害科学科 阿部穹(仙台市立田子中学校卒業)
今回の巡検を通して、現地で地層を自分の目で見て観察することはその場所の地形を理解することに繋がるため、地形を理解する上で大切だと思いました。現地での観察では観察対象のものを立体的に見ることができるので、色々な角度から観察し、違う視点で見ることの大切さを学ぶことが出来ました。また、疑問に思ったことはすぐにその場で聞くようにし、「後から」ではなく「今」理解をするようにしたことで理解を深められたと思います。学んだ知識を今後の活動に活かし、よりよい防災・減災の取り組みに取り組んでいきたいです。