SSH5年次(2022年度)
第12回 高校生バイオサミットin鶴岡
1 目 的
科学部において,日頃取り組んできた研究の成果を発表し,研究者や参加校の生徒との対話を通じて相互交流を行うことで,発信力やコミュニケーション力の向上と,探究心の一層の伸長を図る。
2 主 催 高校生バイオサミット実行委員会
3 期 日 令和4年8月22日(月)~8月24日(水) 2泊3日
4 会 場 鶴岡市先端研究産業支援センター(鶴岡メタボロームキャンパス)
5 発表題・参加者
『マクラギヤスデの生息調査Part2 ~生息の北限と未知なる生態を探る~』
〈科学部ヤスデ班〉3名(普通科2年2名,災害科学科2年1名)
6 参 加 者 生徒:科学部ヤスデ班の生徒3名 引率:科学部顧問 小野 勝之
7 感 想
▉普通科2年 濱野 瑞紀(中野中出身)
私たち科学部ヤスデ班は,昨年度から継続してマクラギヤスデの研究を行ってきました。高校生バイオサミットへの参加に向けて,青森県に足を運んで生息調査を行ったり,実験室で歩行速度の研究を行ったりすることで,その研究内容をレポートにまとめ,提出しました。
私たちの研究は,本戦出場のためのレポート審査を無事通過し,8月8日の1回戦を勝ち抜き(74チーム参加),決勝戦に進む20チームに選出されました。
決勝戦では,発表時間が8分間(質疑応答4分間含む)という短い時間での発表ではありましたが,研究の成果をしっかりと伝えることができたと思います。
大会では他のチームの熱意あふれる発表や,最先端の研究を行う施設を見学することができ,生物学について深く学ぶことができました。結果として入賞を逃してしまいましたが,私たちにとって実りある大きな経験になりました。
「令和4年度スーパーサイエンスハイスクール(SSH)生徒研究発表会」
1 目 的
全国から集まったSSH校の課題研究への取組を直接見ることで,多種多様な研究と高度な取組などを体感し,科学技術に対する興味・関心を高めるとともに,この経験を学校に持ち帰り,参加者のみならず学年の課題研究への取組等に波及させることを目的とする。
2 主 催 文部科学省,国立研究開発法人科学技術振興機構
3 期 日 2022年8月3,4日
4 会 場 神戸国際展示場
5 ポスター発表題・参加者
「蔵王山噴火シミュレーション」〈災害科学科〉3年2名
6 実施内容・評価
兵庫県神戸市の神戸国際展示場を会場とし,対面式で開催されました。本校からは災害科学科3年生2名(亀山俊斗,栗山拓斗)が参加し,「蔵王山噴火シミュレーション」の発表題で研究発表を行いました。入賞することはできませんでしたが,1年以上かけて研究してきた成果を発表する貴重な機会になると同時に,全国のSSH校における研究レベルの高さを実感して刺激を受けることができました。
生徒感想
■栗山拓斗(3年7組利府中出身)
SSH生徒研究発表会では,私たちが研究した火山,蔵王山についての知識を多く持つ専門家の方や他校の生徒との質疑応答を行いました。私たちとは異なる視点からのアドバイスを頂くことができて大変有意義な時間を過ごせたと感じています。他のSSH校の研究発表には興味を引かれ,面白く思うものが多くあり,聞き手が興味を持ってくれるような発表を行う事が大切だと知りました。SSH生徒研究発表会という大きな舞台で自分達が行ってきた課題研究を発表したことは大きな自信へと繋がりました。この経験を活かして,進路決定に向け取り組んで行きたいです。
自然環境調査体験プログラム2022
1 主 催 株式会社青葉環境保全
2 日 程 令和4年7月10日(日),23日(土)
3 会 場 樽水ダムB地区公園エリア,(株)エコリス・・・7/10(日)
東北大学大学院環境科学研究科 本館・・・7/23(土)
4 参 加 者 科学部1年生4名
5 実施内容・評価
環境調査・評価を行う専門家「自然環境調査員」と行動を共にする自然環境調査体験プログラムに,科学部の1年生4名が参加しました。
プログラム初日は,参加校(仙台第二高校,泉館山高校,東北学院高校,城南高校,尚絅学院高校,富沢中学校,多賀城高校)の生徒が5つの班(植物班,魚類・底生動物班,哺乳類・両生類・は虫類班,昆虫班,鳥類班)に分かれて,樽水ダムをフィールドに生物の観察や捕獲を行いました。生徒達は,調査の現場で用いられる各種用具を実際に用いて,人工林や乾性草地,河川等に生息する生物を捕獲,記録しました。午後からは会場を移して,専門家の手ほどきを受けながら個体の同定作業を行いました。この日の調査において,絶滅危惧種や緊急対策外来種など多種多様な生物が見つかったことで,ダム湖を中心とした豊かな生態環境を実感することができました。
プログラム2日目は,初日の5つの班を解体・再編した4つの班に分かれて,生物の関係性を複雑に表現する環境情報図を作成し,班ごとに樽水ダムを中心とした環境を考察し,全体発表を行いました。異なる分野の生徒達が意見を交わすことで,生態系のまとまりを可視化する良い取り組みでありました。
2日間行われた体験プログラムを通じて生物調査に関するプロの仕事に触れることで,参加生徒は職業観を具体的にイメージできるようになりました。
【プログラム初日(7/10(日))】
【プログラム2日目(7/23(土))】
SSH共同研究「釧路湿原巡検」
1 目的
生徒が学ぶ理科及び課題研究における学習充実のため,北海道を代表する自然環境の一つである釧路湿原において野外実習を行う。なお,この実習は北海道釧路湖陵高等学校がSSH地域巡検として位置付けている実習であり,環境の保全を目的とした環境調査の手法を学び,環境科学における科学的な探究手法を研修するとともに,生物多様性を育む自然環境を科学的に理解することを目的とする。
2 行程
令和4年6月30日(木)
11:00多賀城高校を出発し,仙台空港から空路北海道釧路市へ
令和4年7月1日(金)
7:30出発・釧路湖陵高校へ(タクシー借り上げ)
8:00釧路湖陵高校理数科1年生とともに出発
9:00達古武湖森林再生事業地におけるフィールドワークの実施(森林:昆虫 沢:水生生物)
12:00昼食休憩後,森林再生事業地及び細岡展望台におけるフィールドワーク
16:00プログラム終了,釧路湖陵高校へ移動,17:00解散
令和4年7月2日(土)
8:10出発(タクシー借り上げ)
9:00温根内ビジターセンターにて研修
11:30環境省釧路湿原野生生物保護センター・猛禽類医学研究所にて研修
*予定されていた釧路市丹頂鶴自然公園への訪問は,クマ出没による臨時休園により除外。
14:35釧路空港発,空路仙台空港へ(19:05多賀城高校着)
3 参加生徒
災害科学科1年生3名
4 生徒感想
▉災害科学科1年 遠藤 彩吏(多賀城第二中出身)
私たち生徒3名は,湿原の植生や野生動物,そして自然保護活動など,今回の巡検を通して沢山のことを学びました。
釧路湖陵高校の生徒の皆さんと一緒に活動した達古武湖森林再生事業地におけるフィールドワークでは,森林班と沢班に分かれて,湿原や隣接する森林での生物調査を行いました。私は森林班の活動に参加して,隣り合わせにある自然林と人工林でも生息している昆虫に違いが見られ,環境の変化を表現する指標として用いることができることを知りました。
最終日に訪れた温根内ビジターセンターでは,湿原に設置された木道を散策しながら,釧路湿原の自然や歴史について学び,湿原が動植物の生育環境のためにあるだけではなく,水の循環や地球温暖化の抑制にも貢献するなど,私たちの生活に深く結びついていることを学びました。最後に訪れた,環境省釧路湿原野生生物保護センター・猛禽類医学研究所における講話では,自動車や列車と衝突することで治療を必要とする大型猛禽類(オオワシやシマフクロウなど)を保護し,野生復帰を目標として治療・リハビリを行っている現場を見ることができました。
人間生活の影響で変化した自然や動植物の生活環境を元通りに戻すことは難しいかもしれません。しかし,今起きている現実にしっかりと向き合い,人間と自然が上手に共存していくことが大切であると感じました。私たちは,自然を調査し改善に向けて努力する団体や,動物を保護し,原因を究明する団体など,様々な活動が関わることで快適な日常生活が成り立っていることを忘れてはいけません。今回の巡検で学んだことをしっかりと今後の学習活動に活かしていきたいです。
オープンスクールでSSHの活動をPRしました!
過日行われた多賀城高校のオープンスクールにて,SSHの活動をPRしました。
事前質問では「SSHは来年度も継続しますか?」というご質問をいただきました。是非とも来年度も継続できるように頑張りたいと改めて思いました。ご質問してくれた中学生の皆さん,ありがとうございました!
今週末も普通科対象のオープンスクールがあります。皆さんのお越しをお待ちしております。