災害科学科ブログ

【災害科学科1年生】栗駒・気仙沼巡検を実施しました

1 目的

露頭見学や試料採取に適した県内外のフィールドにおける、地学分野の観察・調査の野外実習を通して、私たちを取り巻く地球環境を理解する。また、これまでの学習をもとに岩手宮城内陸地震や東日本大震災の被災地を巡り防災・減災に対する備えを自然科学的、社会科学的に考察することを通して、防災への意識付けの強化を図る。

(1)基礎的な観察・調査の方法を学ぶ。

  ⇒実験を通して、地滑りと土砂崩れの発生メカニズムの違いを理解し、それを他者に分かりやすく説明できる。また、それぞれの発生メカニズムを踏まえ、防災・減災に向けた具体的な対策を考えることができる。

(2)観察記録をもとに、結果をまとめる手法を学ぶ。

⇒気仙沼市内でのフィールドワークを通して、東日本大震災前後の市街地の状況を比較し、リアス海岸における津波被害の特徴を観察し、資料を提示しながらまとめることができる。

(3)まとめから新たな課題を設定することを学ぶ。

  ⇒岩手宮城内陸地震や東日本大震災の被災地における巡検活動を通して学習した内容に基づき、防災・減災についてハード・ソフトの両面から考察し、解決すべき課題を見出すことができる。

2 日 時   令和7年7月2日(水)〜7月4日(金)


3 参加者  災害科学科1年生徒(40名)

4 講師

東北大学学術資源研究公開センター 教授                 高嶋 礼詩 殿

栗駒山麓ジオパーク推進協議会 専門員                   原田 拓也 殿

ファシリテーター事務所 Pやん 代表取締役                山田 美保子 殿

気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館 元館長            芳賀 一郎 殿

一般社団法人南三陸ひとtomoni 代表理事              伊藤 俊 殿(南三陸町語り部)

気仙沼市・鹿折まちづくり協議会  地域活性化支援員     吉田 千春 殿

5 内容

 【1日目】栗駒ジオパークにて研修

   荒砥沢ダム、崩落地見学、体験プログラム(地滑りシミュレーション、水害シミュレーション)、

   ワークショップ(地すべりのしくみと避難行動についてプレゼン)

【2日目】気仙沼市内見学

  気仙沼市復興祈念公園見学、東日本大震災遺構・伝承館見学、

現地フィールドワーク(リアス式海岸特有の地形による津波の特徴がわかる地形を探す)

講話「過疎高齢地域における地域防災について」

【3日目】南三陸町見学

大谷海岸見学、震災遺構高野会館跡・南三陸町防災庁舎跡見学、ワークショップ(ホワイトボード)

 6 生徒感想

・今回の活動を通して、今まで自分にはなかった防災活動の視点がたくさん取り入れられました。一人だけで復興することは出来ない、地域住民をはじめ様々な人々と十分に話し合いを進めて全員が納得できる形で作り上げていくこと、形だけでなく人々が精神的にも立ち直れるものが復興だと感じました。

・辛い気持ちがありながらも、語り部をしてくださっている方もいるので、今回教えてくださったことをしっかりと自分の言葉で伝承していけるようにしたいです。

・3日間通して考えたことは、現地に来て自分の目で見ないとわからないことがあるということだ。現地に行って感じたこと、考えたことを学校の勉強に活かしたいと思ったし、一人でも多くの人に伝えて震災の記憶を風化させないようにしたい。

・巡検を通して感じた命を守るために必要なことは、➀日頃から訓練することで、いざというときに慌てることなくその場に合わせて最善を尽くし、臨機応変に対応すること②災害関連死を防ぐために、周りの人とのコミュニケーションをとることで自助・共助により地域のみんなで解決すること③震災遺構や被害現場を活用し次世代に具体的に伝承しなくてはならない。ということである。

 

宮城北部地震や東日本大震災の被災現場を見学し、改めて自然災害の恐ろしさを実感できた。この現状を伝え、避難行動を取ることの重要性を多くの人々に知ってもらうために、自分達がやるべき事を考え行動している生徒も見られた。3日間で、考え方や表情に変化が現れ、それが行動の変化へとつながり、それぞれの成長を感じることが出来た巡検であった。

 【1日目】 崩落地見学、地滑りシミュレーション、地すべりのしくみと避難行動についてプレゼン

【2日目】 気仙沼市復興祈念公園、東日本大震災遺構・伝承館

【3日目】震災遺構高野会館跡、三陸町防災庁舎跡、ワークショップ(ホワイトボード)