STAND UP SUMMIT 2016

 平成28年8月8日~10日,東京ビッグサイトで開催されたSTAND UP SUMMIT 2016に2年生4名,1年生5名の計9名が参加しました。「STAND UP SUMMIT 2016」は東日本大震災の復興イベントとして2014年に開催されて以来今回が3回目であり,本校は昨年度に続いて2回目の参加となります。今年度は,本校の他に,盛岡第二高校,宮古市立第一中学校,仙台青陵中等教育学校,東北高校,東北福祉大学,小高工業高校,小高商業高校,福島工業高等専門学校,足立区立第六中学校,調布市立第三中学校,阿蘇中央高校,東海大学農学部,さらに台湾やアメリカの学生も加え,合わせて350名を超える多くの学生・生徒が「未来は自分たちが創っていく」という強い意志のもと集い,災害からの復興について考え,発信していくイベントとなりました。

 初日は,パラ・パワーリフティング49kg級の日本記録保持者で,ロンドンパラリンピック日本代表の三浦浩さんの講話とパワーリフティング体験や車椅子体験を行いました。三浦さんからは,怪我をしてからパワーリフティングをするようになった経緯や思いを通して,「できない理由より,できる方法を考える」ことが大事だということを伝えていただきました(※三浦さんは,8月24日にリオデジャネイロ・パラリンピック日本代表に選出されました)。夕方の交流会では,東北の大学生や高校生が同世代である熊本の高校生を東北に招いて実施した「復興や未来を考えるプロジェクト」の報告や,武蔵野大学の学生ボランティアの進行による親睦を図るレクリエーションが行われました。

 2日目は,レセプションホールにて第1部「復興セッション」が行われました。15のセッション(テーマ)に分かれ,社会人,大学生,高校生,中学生がそれぞれのテーマを切り口に復興の未来についてアイディアを出し合い,意見交換をしながら,1枚のポスターにまとめていきました。午後には,各セクションのポスター発表が行われ,互いの考えを共有しました。15のセッションとテーマは以下の通りです。
○三陸鉄道株式会社(鉄道) ○特定非営利活動法人GRA(人材育成) 
○臨海広域防災公園管理センター(防災公園) ○アメリカ大使館(観光)
○福島県庁(風評被害) ○日本赤十字社(国際連携) ○東北福祉大学(防災士)
○早稲田大学(レジリエンス) ○社団法人ふくしまプロジェクト(ペットとの避難)
○東北三紙(メディア) ○NPO法人ボランティアインフォ(ボランティア)
○宮城県タクシー協会(語り部タクシー) ○綾里漁業協同組合(漁業) 
○一般社団法人ワカツク(学生起業) ○コカ・コーライーストジャパン株式会社(自動販売機)

 第2部は国際会議場に会場を移して行われました。「為末大Special talk show」では,男子400mハードルの日本記録保持者であり,現在はスポーツ,社会,教育分野で幅広く活動している為末さんと陸上・短距離(障害者スポーツ)選手の池田樹生さん(中京大学)が,逆境や失敗をどのように克服するのかについて,ご自身の経験を織り交ぜてのトークが繰り広げられました。引き続き,FM東京の公開録音を兼ねた「復興ディスカッション~私たちの未来~」では,為末さんのコーディネートのもと,東北,東京,熊本それぞれの中高生や大学生が震災やその後の復興への思いを語り合いました。この日の締めくくりは,style-3とサンプラズ中野くんのスペシャルコンサートです。バイオリンとウッドベースのユニットであるstyle-3がアップテンポの曲を披露して会場を盛り上げ,サンプラザ中野くんはパッパラー河合さんのギターとともに「TOMOSHIBI?地震がきたら」「タニシのるすばん」「旅人よ」を熱唱し,会場は最高潮に。最後は「Runner」を会場全員で歌い閉幕しました。

最終日は,当初参加学生・生徒によるバーベキューの予定でしたが,高温で炎天下の厳しい状況となったため,急遽,隣接する東京臨海広域防災公園内にある防災体験学習施設「そなエリア東京」を訪問することになりました。防災体験「東京直下72h TOUR」を行ったり,緊急災害現地対策本部が設置されるオペレーションルーム施設を見学したりしました。

 参加した生徒は,この3日間で見て,感じて,学んだことを身近なところから周囲に発信していく決意をもったようです。

参加者の感想
○遠藤 瑠衣さん(2年)
 私は昨年も参加したのですが,昨年とは違った気持ちで話し合いに参加することができました。1日目は,同じ東北から集まった学生の人たちといろいろなプログラムを通して仲良くなれました。2日目は,海外・東京・熊本の学生も参加して15グループに分かれ,復興について話し合いました。私のグループは海外の学生さんが3人いて,通訳を通していろいろな経験や思いを共有し合いました。話し合いの後,1つのポスターを皆でつくって参加者全員の前で発表しました。私はその発表の代表者になり,私以外話す人は外国人であったため打ち合わせを英語でするのは難しかったけれど,通訳さんに手伝っていただきながら準備を進めました。発表直前,私が緊張しているのに気付いたメンバーの1人が「Relax! Relax!」と笑顔で話かけてくれたので,発表は時間内にでき大成功でした。2度目の参加となった今回のSUMMITでしたが,話し合いを重ねるたびにどんどん深く中身の濃いものになってきていると思いました。震災から5年たった今でも復興が進んでいないところもあるし,忘れかけられている事実もあります。この思いや実体験を私たちが未来に伝えていかなければならないと改めて実感した3日間でした。

○五百蔵 匠さん(1年)
 中・高・大の学生と幅広い年代の人が,同じ目線で同じことについて考えられる絶好の機会だと思いこのSUMMITに参加しました。皆の意見が違っていて,そういう考えもあるのかと思うこともありましたし,自分一人で考えたり同学年だけで話し合ったりするよりも視野が広くもって活動することができました。熊本から来てくださった学生さんとも話しをする機会もあり,テレビなどの報道では分からないことも教えてもらうなど貴重な体験となりました。ディスカッションでは,発表に出られませんでしたが,来年参加できることになったら発表させてもらいたいと思います。全体を通して,人との交流も深められて楽しかったし,自分にとってプラスになりました。また参加して,自分の意見をもっと言ったり進んで交流したり,積極的な行動をとっていきたいです。とても充実した3日間でした。