SSH3年次(2020年度)

SSH3年次(2020年度)

「令和2年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」に参加しました。

 例年、神戸で行われる研究発表会が、今年はオンライン開催となった。本校からは災害科学科3年生4名(大堀楓河、工藤颯太、小竹叶多、西塚大翔)が参加し、「太陽光発電の電力を、災害時に高める方法」の発表題で研究発表を行った。結果は一次審査の段階で落選し、二次審査には進めなかったが、1年以上かけて研究してきた成果を発表する貴重な機会になると同時に、全国のSSH校における研究レベルの高さを実感して刺激を受けることができた。

生徒感想

■小竹叶多(3年7組田子中出身)

 全国SSH発表会に参加することで、発表のノウハウを学ぶことができました。これまで実験を繰り返し、まとめた内容を見ている人にもわかりやすく伝えなければ意味がないものとなってしまうため、ポスターをまとめる際には、文字の大きさやフォントの種類にまでこだわって作りました。これまでの課題研究を通して、様々な視点から事象を捉えることができるようになったと思います。一つの視点からでは解決できない問題を多角的に見ることで課題解決に至ることができ、楽しさすら感じられました。全国の同世代の人たちの持つ疑問や目の付け所には驚かされました。今後、日常生活を送る中で、常に疑問を見つけ出し、一歩踏みとどまって考える姿勢を続けていきたいと思います。

■西塚大翔(3年7組高砂中出身)

 私たちは、太陽光発電を低コストで電力を上昇させることを目的に課題研究を進めてきました。課題研究を本格的に始めたのは2年生の夏ごろで、始めた当初はとても人に発表できる内容ではなく、何回も手直ししたのは今となっては良い思い出です。この活動で得たものは多く、パワーポイントやエクセルなどのパソコンスキル、論理的思考力も向上したと実感しています。他の高校では経験できないようなことから多くのことを学ぶことができたと思っています。今回の経験で養ったことを、将来に活かしていきたいと思います。

第10回 高校生バイオサミット in 鶴岡

第10回 高校生バイオサミット in 鶴岡

1 目 的

 日頃取り組んだ研究の成果を発表するとともに,大学教員や県外高校生との意見交換を通して,科学的思考力や課題発見力,課題解決力,プレゼンテーション能力の向上を図る。

2 主 催  高校生バイオサミット実行委員会(慶應義塾大学先端生命科学研究所,山形県,鶴岡市)

3 日 時  2020年8月24日(月)~8月26日(水)

4 会 場  オンライン開催

5 発表題・参加者

  「宮城県多賀城高校Bursa.バスターズ ~多賀城高校の松枯れの原因を探る Part3~」

  〈科学部〉7名(普通科2年4名,普通科3年3名)

6 実施内容・評価

 生物部門のみの科学発表大会であるバイオサミットに,本校科学部から1テーマで参加した。参加を申し込んだ研究成果部門では,事前の一次審査(書類審査)で67テーマの中に選ばれ,続く二次審査(発表動画審査)では決勝進出の20テーマに選出された。これまで3年間継続してこの大会に参加してきた科学部マツ班であるが,決勝に進出できたのは今回が初めてのことである。

 決勝は,4分間の発表のあとに6分間の質疑応答をライブ配信するものであった。マツ班を代表して発表した生徒は,研究手法や調査結果を丁寧に解説し,研究者から多くの質問を受け,非常に刺激的な体験を得た。

 残念ながら入賞することができなかったが,大会後には審査員より,発表の態度や研究の展開に関して直接アドバイスをいただき,今後の研究につながる新たな課題を発見することができた。

7 生徒感想

▇普通科2年 吉田天比古(西山中出身)

 今年のバイオサミットは,例年と異なる発表形式だったため,これまで参加したどの大会よりも緊張と期待を感じるものでした。大会はZoomで行われ,代表者一人が発表を行わなければなりませんでした。そのため,質疑応答では自分が持つ知識と経験を駆使し,適切な答えを相手に伝えるという技術を養える良い機会になりました。

 また,セッションでは,互いに情報交換することができ,自分たちの研究にも通じるとても有意義な交流となりました。

▇普通科2年 志田昌也(高崎中出身)

 今大会では,コロナ禍の影響でリモート開催となり,私たちは四苦八苦しながら取り組みました。リモートという都合上,代表者一人がパワーポイントを用いて発表します。そのため私たち共同研究者は,発表原稿をつくったり,発表練習のタイムキーパーなどのサポートに徹しました。

 この大会は全国から選抜された研究ということでレベルが非常に高く,賞を逃したことはとても残念ですが,他校のレベルの高い研究発表を聞くことができ,とても刺激を受けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

多賀城市八幡上二地区における津波波高標識設置活動について

 8月5日(水)に,多賀城市八幡上二地区において,津波波高標識設置活動を行いました。

 この活動は,東日本大震災時に地域をどのくらいの高さの津波が襲ったのか,その痕跡を計測したり,住民から聞き取り調査を行ったりして,電柱などに津波波高を示す標識を設置するというものです。八幡上二地区における活動は今回で3回目でした。

 当日は八幡上二地区より区長さん,副区長さん,多賀城市交通防災課より2名,本校防災委員生徒3名が参加しました。

 今回の設置場所は,多賀城市立八幡小学校の正門前で,建設中の津波避難道路に上がる階段にも近い場所です。設置した標識が小学生だけでなく地域住民の防災・減災につながることを願っています。

 

 

 

今回,許可をいただき,建設中の津波避難道路を見学させていただきました。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《生徒感想》

▇1年 災害科学科 玉川 淳之介

 私は今回の津波波高標識設置活動を通して,震災の経験を後世へ継承していくことの重要性に改めて気付かされました。私は,波高標識を設置することによって,震災時の津波の高さを認識しやすくなり,地域の方々の防災意識もより一層高まるのではないかと考えました。

 また,今回特別に建設途中の高架橋に入らせていただき,見学することができました。現在は砂利の上を舗装する作業をしており,復興が進んでいることを改めて意識させられました。

 今回の活動は地域の方々や私にとって重要な意味をもつ活動となりました。

 

▇1年 災害科学科 菊地 優衣

 私はこの活動でたくさんの貴重な体験をすることができました。

波高標識を設置する際には,道路側と歩道側の高さがずれないようにするのが難しかったです。今回設置した波高標識が,誰かの「震災を知り,災害について学ぶきっかけ」になればいいなと思いました。

 また,多賀城巡検のときには行けなかった避難道路も歩かせていただき,道路の構造や災害時の避難経路などを実際に見て知ることができました。

 一緒に標識を設置してくださった区長さんは,2回も津波を経験しており,そのお話も聞くことができてよかったと思います。区長さんたちのように,ここで起きた災害を知らない人や将来のために,震災を経験した私たちが今できることを積極的に行っていきたいと思いました。

 

▇3年 災害科学科 小野寺 莉美香

 八幡小学校前の道路に波高標識を設置させていただきました。地域の方や震災の経験がない世代にも防災への興味をもってもらうきっかけになってほしいと思いました。

 また,建設中の清水沢多賀城線を見学させていただき,授業で習った避難階段や耐震補強対策を直接見ることもできました。

 東日本大震災の津波だけでなく,チリ地震津波も経験している区長さんから,当時の様子や地域への想いなど,たくさんお話を聞くこともできました。とてもよい経験になりました。ありがとうございました。

 

科学部「メダカ班」塩竈市浦戸諸島における現地踏査

 私たち科学部「メダカ班」のメンバー3人と災害科学科2年生の課題研究「地質班」の4人は,令和2年8月2日(日)に塩竈市浦戸諸島に渡り,現地踏査を行いました。私たち「メダカ班」は,寒風沢島及び野々島においてメダカの生息調査を,課題研究「地学班」は桂島において地質の把握とデータ測定を行いました。
 「メダカ班」がはじめに訪れた寒風沢島では,島の奥部にある田んぼの一角でメダカの生息を確認しました。梅雨明け初日の晴天の元,風景画のようなのどかな景色の中でメダカを追いかけ,大いに夏を感じることができました。
 その後,渡船を使って次の目的地である野々島に渡り,波音が響く浜辺で昼食を済ませ,昨年にメダカの生息が確認されている海辺の細い水路でメダカを確認し,生体を採取しました。水は少し濁っていましたが,メダカが生きていくのに支障が無いらしく,数多くのメダカの生息が確認できました。
 今回のメダカの生息調査では,東日本大震災以降のメダカの生息の有無と,メダカを採集した場所のpHを測定しました。今後の研究では,現地で採水したサンプルの塩分濃度を測定し,さらには浦戸諸島のメダカの塩分耐性を調べ,市販のメダカとの比較実験を行いたいと思います。

▇1年普通科 渡邉 廉(塩竈市立玉川中出身)