防災学習プログラム 平成27年度

Post-disaster Innovation Forum 2016 @Sendai

 3月13日(日)に仙台市若林区にあるINTILAQ東北イノベーションセンターで行われたフォーラムに生徒会を中心とする生徒6名が参加してきました。午前中のワークショップでは,県内外の高校生が大地震に対する対策について意見交換を行いました。午後のグッド減災賞優秀賞受賞団体によるプレゼンテーションでは,必要な人に必要な支援を必要な分だけ届けるシステム「スマートサプライ」を開発した一般社団法人Smart Survival Projectが最優秀賞に輝きました。各団体のプレゼンテーションのあとは,発表者とのディスカッションを行い,交流を深めることができました。

【感想】
○2年1組岩佐彩音(多賀城中)
 ワークショップを通して実際に震災を経験した私達があたりまえだと思っている事と関東の人達があたりまえだと思っている事に違いがあることを感じました。また,震災当時の被災地以外の様子を聞き,全国が被災地に目を向けて支援してくれていたことを知りました。今回のワークショップでは自分の考えの幅を広げることができ,とても有意義な時間を過ごすことができました。
○2年7組亀山沙月(多賀城中)
 改めて震災当時のことを振り返り,あの時何があったらより良かったか,何が大変だったかを振り返ることができ,私自身忘れていることもあると感じました。震災の時の大変な事などを,経験していない人に伝えきれなかったような気がしたのが心残りです。また機会があれば今度はうまく伝える事ができるようにしたいと思います。
○1年3組加藤健太(塩竈二中)
 ワークショップでは,3日後に東日本大震災レベルの地震が起こると想定して,グループで話し合いスケジュールを立てるということをしました。グループごとに条件や縛りなどがあり,工夫を凝らし,グループ内で話し合い,発表しました。今回のワークショップを通して,日頃からいつ災害が起きても対応できるような備えをする事が大切であると思いました。
○1年4組門間大輝(塩釜二中)
 防災について志の高い高校生と話すことで,より一層防災についての知識が深まり,高校生活に活かそうと思いました。またこのような機会があれば参加したいです。

【写真】

  

  

宮城県震災復興課が作成した,ポスターが全国公開されました!

 宮城県では,東日本大震災で多くの皆さまからのこれまでのご支援に,深く感謝するために「宮城から感謝をこめて2015」を展開しています。この事業では,復興に向けて取り組む宮城の現状や魅力を伝えることによる東日本大震災の風化防止と,全国からいただいている支援への感謝の気持ちの発信,中長期的な支援意識や復興の気運の維持向上を目指し,宮城県内各地の復興現場を感謝とともに伝えています。
 この 「宮城から感謝をこめて2015」で本校が取り上げられました。ポスターは全国のJR駅,地下鉄駅,空港などに掲示されます。

https://sites.google.com/site/kanshamiyagi3/home/tagajyou

特別授業「住まいの安全」

 2月22日(月)に1年生家庭基礎の授業に東北工業大学ライフデザイン学部安全安心生活デザイン学科の先生方による特別授業がおこなわれました。
 3・4校時1年3組では菊池良覺先生の「安全な住まいのデザイン」,中島敏先生の「安全なモノのデザイン」の講義をいただいた後,「身近な家具の安全点検」を演習形式で行いました。
 普段,滅多に使用しないカッターナイフを使って鉛筆削りの実習を行った後,10分の1サイズの振動模型を用いた実習を行いました。グループ毎に作成した「突っ張り棒」で模型の本棚を固定し,その効果を自分の目で確認しました。新しい発想で本棚の固定を考えるグループもあり,各家庭で家具の固定について点検したり,新たに考えたりする良いきっかけとなりました。

 5・6校時1年7組では伊藤美由紀先生による「災害時に備える看護学」の授業がおこなわれました。講義では,家庭内での死亡事故が大変多いこと,加齢によって体の変化が生じることを確認しました。その後,視覚が狭くなることを体験できるゴーグルを装着して教室や廊下,階段の上り下りをしてみたり,片マヒを想定し,杖を使って歩行してみたりと,体験を通して,体の自由がきかなかったり,思うように行動できないこと,自分たち高校生とは感じ方が全く違うということをそれぞれ実感していました。授業のまとめで自分達にできることを話し合い,災害時はもちろんのこと,日常生活の様々な場面において,高齢者や障がいを持つ方の状況を理解し,気を配っていくことの大切さを確認していました。

国土地理院職員による「防災と地図」の特別授業を実施しました!

 平成28年2月19日(金)に国土交通省国土地理院東北地方測量部の職員の方々3名から,地理B選択者2年生を対象に,「防災と地図」の特別授業を行っていただきました。国土地理院は,日本で唯一の国家地図作成機関です。測量法や地理空間情報活用推進基本法に基づいて,地理空間情報の整備・更新・活用を推進しています。
 今回は,国土利用,開発,防災・減災の観点から国土地理院が作成している電子地図の利用方法について,大変わかりやすい講話と実習を行っていただきました。国土地理院で作成している電子地図は地理院地図と呼ばれています。この地図はWeb上で誰でもが操作できること,過去の航空写真など多くの情報が掲載されていること,標高に応じた色分けなどができること,少しの工夫で自分たちが得た情報をこの地図に重ね合わせる技術を学習しました。
 今後は,これらの知識と技術を自分たちの生活や防災・減災に活かす地図利用につなげていきたいと思います。

  

復興庁主催「新しい東北 交流会in仙台」

2月11日、仙台サンプラザで「新しい東北 交流会in仙台」が行われました。
復興庁が主催するこの催しは、東日本大震災から5年、復興の歩みの中で東北各地に生まれた「新たな挑戦」を紹介し、今後の復興の在り方を考えていく。という趣旨で、90を超える団体が一堂に会し、取り組みの内容を各ブースで紹介・展示しました。
「災害科学科」を開設する本校も、招待を受けブース出展とプレゼンへの参加をしました。
今回は生徒会副会長の鈴木菜々子さんと執行部の阿曽南美さん、小野寺杏さんが参加し本校の防災活動や災害科学科の紹介をしました。
途中、高木復興大臣も本校のブースを訪れ、鈴木さんらは活動の内容などを説明しました。


本校の津波標識を手にする高木復興大臣


本校の活動をプレゼンする鈴木さんら


新聞記者からの写真撮影を受ける左から阿曽さん、鈴木さん、小野寺さん

さらに、翌12日、髙木大臣は閣議後の記者会見で、この交流会に出席したことを 記者会見で語り、本校の津波標識活動を大変印象に残る活動だ。との感想を述べられました。 以下は会見の発言要旨です。

髙木復興大臣閣議後記者会見録(平成28年2月12日(金)10:33~10:37 於)復興庁)
復興庁HPより

1.発言要旨
 私から一点でございます。新しい東北交流会in仙台への出席の所感について申し上げます。   

 昨日、2月11日でございますけれども、新しい東北交流会in仙台に出席をいたしました。当日は約700名の方々の御来場がありました。   
 会場では、先導的なビジネスに取り組む6事業者の顕彰を行うとともに、ブース展示も視察してまいりました。女性や若者の皆様が活躍されている団体の取組や、外国人対応も意識した観光の取組など、従来の手法や発想にとらわれない、新たな挑戦が進んでいることを実感しました。今後も、4月からの復興・創生期間初年である本年を、地方創生のモデルとなる復興の実現に向け、第一歩としていくよう、全力で取り組んでまいりたいと考えています。   
 先ほど申し上げましたブース展示では、多賀城高校の生徒会の女子生徒さんが、津波がここまで来たというプレートを電柱などに貼り付けるなどして、復興の記憶を忘れないように、これからの教訓にするように、そんなような活動もなさっておりました。大変印象的でございましたので、一つ付言をさせていただくところでございます。   
 以上でございます。

保健特別授業「災害時の救護・医療活動について~日本赤十字社の活動~」

 2月10日、保健の授業の中で学習する災害時の救護活動について、東日本大震災の際、日本赤十字社はどのように活動したのかを中心に、災害時にどう行動するか、どう備えるかという内容で、本校1年生120名を対象に特別授業が行われました。
 講師は日本赤十字社の佐藤知和さんで、この日のために東京本社から来ていただきました。ご自身も岩手県大槌町出身で、祖母や友人を津波で失ったという経験なども交え講義をいただきました。
 当日はNHKも取材に訪れ、夕方のニュースで放映されました(写真)

  

全国防災ジュニアリーダー育成合宿に参加してきました

 1月14日(木)~17日(日)の3泊4日で開催された全国防災ジュニアリーダー育成合宿に,生徒会長の岩佐彩音と生徒会副会長の加藤健太が参加してきました。
 兵庫県の淡路島にある国立淡路青少年交流の家で全国の中高生と寝食を共にし,阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓を共有するとともに,防災や減災の知識を学びました。舞子高校で行われた「震災メモリアル行事」では,本校の活動を紹介するだけでなく,他校の取り組みを学ぶことができました。また,21年前に発生した阪神・淡路大震災の追悼行事「1.17のつどい」に参加し,何年経過しても忘れてはならないことを再認識し,自分のできることを改めて考える機会となりました。他にも,講義やワークショップ,各施設の見学を通して,防災ジュニアリーダーとして成長するための有意義な時間を過ごすことができました。
 【本校生徒の感想】
○岩佐 彩音(2年,生徒会長)
 私は今回初めて参加し、防災に関しての知識やリーダーとしてどうあるべきかなど、今の私に足りないことを多く学ぶことができました。今回の育成合宿を通して大きく感じたことは、全国の中高生の防災意識の高さと、自分のリーダーとしての力の無さです。兵庫県の中高生は、実際に震災を経験していないけれど、当時の様子や被害状況、体験談から学んだ教訓や防災に関する知識が豊富で、他県の中学・高校も、これから予測されている地震に対して備える取り組みをしっかりとしていました。実際に震災を経験した私たちの方が、防災意識が低くなることがあってはならないと思いました。そして、私たちの被災体験をもっと多くの人に伝えて、防災意識を共有できたらいいなと思います。また,今回の合宿では、リーダーシップのある人達の中で、積極的になれなかった自分がいて、とても悔しい思いをしたので、これからは多賀城高校生徒会長として恥じない行動をしていきたいと思います。

○加藤 健太(1年,生徒会副会長)
 私は、今回の全国防災ジュニアリーダー育成合宿に参加して、全国の中高生が行う防災への取り組みに関する発表や講義を通じて、防災への意識を深めたり考え方を広めたりすることができました。私が「防災」と聞いて頭に浮かぶのは、東日本大震災に直面したことです。その時はまだ小学生だった私は、ただ恐怖に怯えるだけで、学校の先生や家族に助けられるばかりでした。でも、高校生となった今、今度は助ける立場になりたいと考えています。直接体験したからこそ、それらを後世に語り継ぎ、次に同様の災害が起きた時に犠牲者を少しでも減らせるよう努めるというのが私たちの使命であると考えます。今回の経験を踏まえて、私たち多賀城高校では、他校との交流の中で得た本校でも取り組めそうな活動を導入し、災害の風化を防ぐ取り組みや、地域の小中学校への出前授業を行うなどし、地域の輪を広げていきたいです。


学校の取り組みを発表する様子


ワークショップでの様子


1.17のつどいの様子

家庭基礎で「災害時の食事」を実施しました!

 平成28年1月18日(月) ,岩手県立総合教育センターの支援指導部 川地 里美 研修指導主事をお迎えして家庭基礎特別授業「災害時の食事」についてを行いました。
 川地先生は,ご自身の被災体験や岩手県の様子などの話をまじえながら,災害時の栄養摂取の在り方を考えながら,どのように献立を考えていくかというお話と実習がありました。避難生活で配給される食品は炭水化物に偏りがちなこと,家庭の中になる備蓄食料はどんなものがあるかを調べること,これらを使って,最小限の熱と水でどのようにバランスを考えながら食事を食っていくかを考える内容でした。この授業を通し,自分や家族の健康を大切にし,安全(防災・減災)についての改めて考えるきっかけとなりました。震災の時の記憶を風化させないためにも,このような試みを続けて行ければと思います。

  

東北学院大学「避難シミュレーション」協力授業に参加しました。

11月21日(土)に東北学院大学・土樋キャンパスで行われた「避難シミュレーション」ワークショップに、本校有志生徒の1年生38名が参加してきました。

これは、COC事業の一環として行っている東北学院大学の「平成27年度東北学院大学学長研究助成金事業(研究者代表・志子田有光工学部教授)」がタイアップして実施するもので、 「避難シミュレーション」のほか、基調講演も行われました。

まずは、教養学部地域構想学科の松本秀明教授(地理学分野)による基調講演が行われ、縄文時代から現代までの数千年単位での 地域の自然環境の変化とそのメカニズムを理解することの大切さについて教えていただきました。 また、同研究室がNHKの「ブラタモリ」に出演した様子などが紹介されました。

次に、災害時の避難行動の特性に関する研究を行っている工学部電子工学科の学生の発表があり、ひき続き定められた条件下に基づき実際に避難するという「避難シミュレーション」に取り組みました。 これは、避難に要した時間や行動などの様々なデータを収集し、その分析や検証を行い今後の避難態勢を考えていく研究に役立てるものとなります。

  

  

多賀城市総合防災訓練に防災委員が参加

11月8日(日)に多賀城市内で広域に行われた「多賀城市総合防災訓練」に今年も本校生徒が参加してきました。 あいにくの雨天で肌寒い中、多賀城中学校と多賀城第二中学校,多賀城駅周辺にわかれ、主に「災害状況伝達訓練」を行いました。 これは、災害用のスマートフォンを使い、安否確認・災害状況の伝達・被災現場の写真送信と様々な情報を災害本部とやりとりし、 より正確な情報に基づき避難や救助に役立てるもので、有志が参加した本校防災委員一人ひとりがスマホを片手に、それぞれの想定の状況で訓練に参加しました。

プレートにGPS情報を貼る作業(多賀城駅周辺)↓


↑スマホで想定した災害状況を送る様子(多賀城中)

また、多賀城駅周辺の訓練に参加した生徒は、この「災害状況伝達訓練」のほかに、GPS表示機能のあるリストウォッチを装着し、 「津波波高表示プレート」のある場所をGPSで検索し、その場所を地図に上に表示していく作業(「UTMグリット地図)にも取り組みました。 今後もより汎用性の高い「津波波高表示プレート」にしていこうと、参加した生徒は雨に濡れながらも作業に取り組みました。

【生徒の感想】1年 佐藤きらら さん

今回の防災訓練では、津波波高プレートにその場所をGPSの数字で示す「UTMグリッドコード」と呼ばれる番号のシールを貼ったので、 実際に災害が起こったり、何かあったときに役立てばいいなと思います。 また、災害用の試作アプリが入ったスマホも使いました。 まだ開発途中ということでしたが、今回自分たちが試しに使ってみることにより、いろいろな意見を取り入れて、 もっとよい機能になり、多くの人の命を救うことにつながればいいなと思いました。

多賀城市の総合防災訓練に参加するのは初めてでしたが、とても充実した訓練にすることができてよかったです。 また、天候は悪かったのですが、災害はいつどのようなときに起こるか分からないので、訓練には適した天候だったのかなと思いました。 今回のような訓練にも今度進んで参加していきたいと思いました。

「新しい東北フォーラムin仙台」(主催:復興庁)に参加してきました。

10月12日(敬老の日)に、せんだいメディアテークにて「新しい東北」官民連携推進協議会(事務局:復興庁)主催の「新しい東北フォーラム」が開催され、本校生徒会と防災委員の代表8名が参加してきました。 東北では、震災復興に向けて、多様な主体(若者・学生、女性、企業・NPO・自治体等)が連携して、「コミュニティの形成」など様々な分野で、震災前には見られなかった「新たな挑戦」が行われています。

このフォーラムは、こうした挑戦に取り組んでいる様々なひとを呼んで、その様子や未来に向けたメッセージを発表しました。
 まずは、防災委員等の有志が「ボランティア・ワールドカフェ」(大学生・高校生によるワークショップ)に参加しました。 岩手大学や東北大学など東北から集まった大学生に混じり、本校生徒も活発に意見交換し、未来に向けた「東北からのメッセージ」をまとめ、発表しました。

また、1階オープンスクエアでは「新たな挑戦」リレートークが行われ、スピーカーとして本校生徒会の岩佐彩音さん(2年生)と佐藤千咲さん(1年生)が、「多賀城高等学校が取り組む防災・減災教育」というテーマ発表しました。

司会の青柳光昌氏(ソーシャルイノベーション本部チームリーダー)から将来の夢を問われると、「これまでの防災の取り組みを世界や多くの人に役立てていきたい。」という抱負を語っていました。

【感想】◇1年佐藤里紗さん「私が今まで参加してきた防災関係のディスカッションでは、大学生などの大人の方がいなかったので、今回は大人の視点から考えを聞くことができました。 その中で特に、「震災後すぐに前向きになれることができたか。」という問いには、「あの震災から生きのびることができた私がすべきことは、前を向き自分の震災経験を語ることが大切だ。」ということです。 次の災害などの教訓としてつなげ、多くの人に広げてもう二度とみんなが辛い思いをしないでほしいと思います。 その思いを一人一人が持てる様々な活動にこれからも取り組んでいきたいです。」

  

海上保安庁 水難安全教室を開催

8月26日(水)宮城海上保安部・巡視船くりこま潜水士の寺門保安官ほか15名の方々を招き、「海上保安庁 水難安全教室」が本校プールで開かれました。

これは、水難事故から身を守る上で必要な知識・技術を身につけ、また,救助の際の注意事項を知り,安全に救助する方法を習得することを目的にしています。

雨の降る少し肌寒い中、1年生が着衣のままプールに入り着衣泳からスタート、続けて力を抜いて浮き続ける 「背浮き」を演習。はじめはすぐに沈んでいましたが、浮くコツを身につけるとみんな長く浮くことができました。 次に、身の回りにあるものを使い浮くことが補助できるということで、空のペットボトルを使い「背浮き」をしてみました。 これには、とても楽に浮くことができたことで、みなから驚きの声が上がっていました。

最後に、救命胴衣を着用した「背浮き」を行い、救命胴衣の大切さを身をもって知ることができました。

(↓着衣をしての「背浮き」の演習)

STAND UP SUMMIT 2015!

日 時:2015年8月10日~12日
場 所:東京ビックサイト
参加者:2年 庄司 遼,蜂谷 茱美  1年 遠藤 瑠衣,佐々木 ひかり,菅原 寧々
8月10日(月)一日目

〇13:00
参加した5名は東京にしては涼しい8月11日に東京ビックサイトに着きました。他の参加者もぞくぞくと到着です。

  

〇14:00
いよいよ東北地区の学生交流会の開始です。まずは参加している団体の紹介です。 東北からの参加校は岩手県盛岡第二高等学校,宮古第一中学校,東北高校,東北福祉大,福島昌平高校, そして多賀城高校です。それぞれが学校紹介を行いました。 多賀城高校は2年生の庄司遼君が多賀城の歴史や本校での防災教育の紹介,来年度の災害科学科開設について紹介しました。

  

〇15:00
映画「ちえりとチェリー」の鑑賞会です。中村誠監督から作品の見所が紹介されました。 作品はコマ撮りのパペットアニメ作品で,小さな女の子の成長を通し,みんなが一生懸命に命をつないでいくことの大切さをテーマにした作品でした。 鑑賞後には監督への質問が行なわれました。近々全国での公開だそうです。

  

〇16:30
翌日の大会フィナーレのリハーサルです。歌手のGILLEさんが自ら指導にあたり本番での合唱の音合わせを行いました。 その中では翌日のスペシャルゲストである国枝慎吾さんの紹介ビデオが流され,その偉大さについて改めて気づかされることとなりました。

  

〇18:00
夕食の時間です。夕食前にはアイスブレイクのゲームを行い,懇親を深めました。

  

〇20:00
ホテルへのチェックイン前には東京ビックサイトの壁面にプロジェクションマッピングが映し出されました。 映像は東京五輪がモチーフとなっており,内容は スポーツや世界の踊り文化となっていました。 巨大な映像は大迫力そのものでした。

  

8月11日(火)二日目
〇9:00
2日目のスタートです。晴れ間の広がる東京湾を眺めながらビックサイトへ。

  

〇10:00
STAND UP SUMMIT 2015開会式です。はじめに主催者である東京ビックサイトの竹花社長からこのイベントを開催するにあたっての話がありました。 震災からまだまだ学ぶところが多いはずであるのに,未だそれが十分ではない。是非,若い世代が震災から学んだことを次世代に伝えて欲しいとの話でした。 東京オリンピックの時には日本を動かす中心となる中高生,大学生への熱い思いが語られました。続いて画家の井上文太さんからの挨拶です。 挨拶の大切さが主題でしたが,物事を素直に捉え,それに向かってチャレンジしていくエネルギーの代名詞が挨拶であるとのことでした。

  

〇10:20
午前のセッションが開始されました。この日は東京の中学生,高校生,大学生も加わり総勢350名のイベントです。 セッションの数は15。本校からはそのうちの5つのセッションに1名ずつが参加しました。 福島県庁主催のセッションでは風評被害を乗り越え,復興していくに必要なものは何か。 日本赤十字社主催のセッションでは震災・復興として国際協力では何ができるのか。 早稲田大学主催のセッションではまちづくりをどう進めていったらよいのか,10年後,20年後にはどのようなまちになってほしいのか。 ふくしまプロジェクト主催のセッションでは震災とペットの関係について,ペットと避難するにはどのようにしたらよいのかなどを話し合いました。 コカコーラが主催するセッションではどのような自動販売機があれば震災時の支援になるのかです。 その他にも興味深いセッションが多くありました。午後にはセッション毎にポスター発表が行なわれました。

  

  

  

〇14:00
いよいよ国枝慎吾さんのspecial talk show です。 国枝さんの自己暗示力は「自分は最強だ!」と世界ランキング1位になるまで自分に言い聞かせ, それに似合うまで努力を惜しまなかったという言葉には重みがありました。 また,試合中は自分のペースを決して乱すことない工夫などの話は納得するものがありました。

〇15:00
FM東京の公開録音を兼ねた「復興ディスカッション~私たちの未来~」のパネルディスカッションです。 東北代表の中・高・大学生と東京の中・高・大学生の比較と復興への思い,将来の夢への話がパネラーから報告されました。 特に東北代表の学生が話す,震災時の様子や現在の復興状況については会場の皆が聞き入ることになりました。 被災地の思いを背負って話をした東北地区の生徒の声は東京の生徒にはどのように聞こえたでしょうか。

  

〇16:40
SPECIAL CHARITY LIVE は被災地でのコンサート活動などを通じて復興支援に取り組んでいるバイオリニストの古澤巌さんと歌手のGILLEさんによるスペシャルライブでした。 古澤さんのすばらしいバイオリンの音色,そしてパワフルな歌声のGILLE さんの歌声はとても心地よいものでした。

〇17:50
いよいよフィナーレです。前日練習した成果の発表の時です。 GILLE さんの‘Try Again’を参加者全員で歌い,国枝さんに向けたメッセージボードを示すことができました。

〇19:00
セッション毎のグループで夕食。前日とは変わってかなり打ち解けた夕食となりました。

8月12日(水)三日目

〇9:00
最終日です。最終日は,東北地区の学生のみでバーベキューです。今回もゲームでグループを組みバーベキューを行いました。 セッションとはまた違ったメンバーとなり,いろいろな情報交換ができました。

  

2年 庄司 遼

今回,参加して感じたことは東京の人たちと私たち東北の人たちでの復興への感じ方の温度差です。 東京の人たちは,被災地の復興はほぼ終了し,人々は以前のように生活していると感じているのに対し, 東北の人たちは津波による瓦礫処理は終わったものの未だ仮設住宅に住んでいたりして,元通りの生活ができていない人が多く, 復興しているとは言い難いと感じています。震災を経験した場所は一人ひとり違いますが,その違いをしっかり受け止めることで, 私と同じようにステージで発表した人たちの思いを理解してもらえればと思いました。

2年 蜂谷 茱美

私たちは東京ビックサイトで開かれた3日間で多くのことを学びました。中学生から大学生までの生徒が参加する機会は大変珍しいものです。 初日は映画やプロジェクションマッピングなど大きな施設で行われるイベントを楽しみました。 2日目には復興セッションとして15のグループに分かれてのディスカッションが行われ,被災地と東京,中学生から大学生という様々な視点で復興を見つめることができました。 またパラリンピックで3個の金メダルをとった国枝伸吾さんのトークショーや各学校の代表生徒の復興の現常報告など考えさせられる内容が多くありました。 3日目は東北の学生達が協力してバーベキューを楽しみました。 普段交流のない学校の人たちと協力してすごす3日間から多くのことを学び,東北の復興についてあらためて考えるきっかけになりました。

1年 遠藤 瑠衣

今回のサミットでは,東北の復興,これからの未来について東北,東京,海外の中高生,大学生が集まって意見交換をしたり, 交流を深めたりしました。2日目のセッションでは私はコカコーラ主催のセッションに参加しました。 会社の人からは,現在までの自動販売機の歴史,種類などを説明していただいてから,各グループに分かれて,これからの自動販売機の活用方法を話し合い,ポスターにまとめて発表しました。 自動販売機の可能性を知ることができ,とても良い機会になりました。 また,プロ車椅子プレーヤーの国枝さん,バイオリニストの古澤さん,歌手のGILLEさんのLIVEなど盛りだくさんの3日間でした。 この体験を通して,国,人種を越えて意見交換ができ,今まで知らなかった世界が見えてきたり,いろいろな人と接して新たなきっかけをつかむことができました。 来年も機会があれば是非参加したいです。

1年 佐々木 ひかり

STAND UP SUMMITの2日目「復興」を土台としたセッションがありました。 私は「まちづくり」がテーマのグループに参加しました。 まちづくりへの不安,疑問から未来の計画まで流れに沿って意見を出し合いました。 被災三県の学生からは「公園がない」,「海に入りにくくなった」など不安な点が多く挙げられたのに対し, 東京の学生からは「募金が何に使われているのか」,「放射能の心配はないのか」などの疑問点が挙げられました。 東京の学生がわからないことは,被災者側の私たちもわからないことがほとんどでした。 震災を経験したからといっても無知なことは多く,このような企画に参加し情報を発信,共有することの必要性を感じました。 また,STAND UP SUMMITの醍醐味は,同県・他県の中・高・大学生と3日間行動を共にすることだと思います。 共通の話題を見つけて盛り上がったときの嬉しさと楽しさは今でも忘れません。 東京で,住む場所も年齢も違う人と触れ合い見聞を広められたことが,一番のお土産となりました。

1年 菅原 寧々

私は「ペットの避難」というセッションに参加させていただきました。 このセッションでは東北の学生と関東の学生,留学生の方々約20名の学生が,震災時ペットを非難するためにはどのような準備が必要なのか, また避難所に避難してからペットはどのように生活すればいいのか,そのためには普段からどのような躾や準備をしておくべきかを話し合いました。 日常生活の中で「ペットと避難する」ということをあまり考えたことがなかったので,改めて考える機会となりました. ペットを飼っている人も飼っていない人など様々な目線からの意見を聞くことができ,とても有意義なセッションになりました。 その後他の14の発表ポスターも見ましたが,「復興」についていろいろと考えることになりました。 復興に向けて自分にできることを少しずつやっていきたいと考えました。

鹿児島女子高等学校生徒会の皆さんが来校しました!

7月22日(水)午後,鹿児島女子高等学校生徒会4名(上田生徒会長,村田副会長,丸野副会長,河野会計部長)と引率の田上先生が来校してくれました。 鹿児島は台風の影響で前日からの大雨が降り続いていたそうで,多賀城の晴天と34度の暑さに驚いていました。 鹿児島女子高は120年の歴史を有し,藩主島津斉興によって天保6年 (1835年) に造営された玉里邸という国指定名勝が校内にはあるそうです。

本校の阿部生徒会長からの歓迎の挨拶のあと,鹿児島女子高の上田生徒会長からご挨拶をいただきました。 その後,互いの生徒会活動についての紹介をおこない,主に防災教育や生徒会行事について,活発な質問や意見交換がなされました。

本校に対しては避難訓練の工夫や生徒が自主的に取り組んでいる防災活動などについての質問がありました。 鹿児島女子高に対しては桜島噴火に対する備えや生徒会行事についての質問をおこないました。

  

  

意見交換の後には本校が取り組んでいる,波高表示活動について防災委員が実際の現場を案内しました。 はじめにイオン多賀城店の屋上駐車場から,i-Padを用いて当時の津波映像を示しながら説明しました。 続いて,津波跡がまだ残っている国道45号線多賀城市八幡歩道橋では,痕跡表示ステッカーの貼付も行っていただきました。 最後は古今和歌集や後拾遺和歌集の歌碑がある「末の松山」を案内しました。

  

「自分達が見聞きした被災地の様子を鹿児島に戻って友達に伝えたい」という鹿児島女子高の「薩摩おこじょ」の皆さんに見習うことが多い一日となりました。

第1学年で「災害時の保育」を実施しました。

7月16日(木)1年生を対象として災害時の保育の在り方について自分や子どもの命を大切にし,安全(防災・減災)についての考えを身につけることを目的とした講演会を実施しました。

講師は石巻市在住の主婦であり,現在はステンドグラス教室の講師をされている佐々木有香子さんです。 佐々木さんは出産を2週間後に控えた震災発生時,実の妹の嫁ぎ先である石巻市湊地区のお寺で妹,姪(6か月)とともに被災され,3階にある納戸に避難して津波被害を免れました。 震災の3日後に救助され,さらにその3日後の17日に大混乱の中の石巻赤十字病院で出産されました。20歳の時に死別した母親の明るい笑顔を思い出しながら,弱音を吐かず震災後の大変な状況下で出産・育児を行ってきた話や,もし妊娠している状態で被災したならどんな心構えや準備が必要なのかを話していただきました。

どのような状況下でも希望と明るさを失わず頑張ってきた姿や,震災時にかけられた周りの暖かい言葉,生死が混在した石巻赤十字病院でのエピソードなど,佐々木さんのお話は命の大切さ,命をつなぐ意味を改めて考えるきっかけとなりました。

なお,この授業は次年度より実施する「くらしと安全A」の内容の一部を先行実施したものです。

生徒の感想「佐々木さんは本当に大変な状況の中で出産したのだと思いました。 病院の中ではなくなた人がいるすぐ隣で出産し,泣いている声と産声が一緒になっていたというのが印象的でした。 大変な出産だったのに少しも弱音を吐かずに頑張ったのがすごいなと思いました。」

  

  

1学年つくば研修

テーマ 『災害を理解する~高校生の私たちができること~ 』

基調講演(防災講話)
演題『「災害科学」超入門とその実践-災害・防災・減災ってなに?』
が行われました。
7月9日(木),東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔 先生を講師にお招きし,本校体育館にて1学年を対象に防災講話が行われました。 来年度より災害科学科が開設される本校では,今年度,1学年を対象に東北大学,産業技術総合研究所,防災科学技術研究所(つくば市)との連携事業『災害を理解する~高校生の私たちができること~ 』を実施します。 この講話は,その「つくば研修」の基調講演となります。

  

はじめに「災害とは?」「防災・減災とは?」について数式やグラフを交えての説明があり,聞き慣れない難しい用語に戸惑いながらも,わかりやすい例や単語に置き換えた解説にうなずきながらメモをとる生徒たちの様子が見られました。 続いて「科学」の定義,「災害科学とは?」を詳しく説明していただき,さらに,高校生が災害に対してできること,災害時の「生きる力」などを学びました。 最後に,生徒一人ひとりが設問に答えながら,自分の「生きる力」を測る場面では,生徒の持つ力が意外にも大きな結果となり盛り上がりが見られました。

  

「乳幼児の安全とふれあい体験」の授業を実施しました。

6月30日(火)3組の赤ちゃんとそのお母さん,おばあさんをお迎えして, こどもの安全・安心を考える,命や性についての考えを深める,将来の育児に対するイメージを明確にする,ことを目的とした授業を1年生で行いました。

はじめに子育てにおいて配慮している安全の意識や,災害などについての備えなどについてお話しをいただきました。 その後,生徒から子育てにおいて大変なこと,日常生活で気をつけていることなどについての質問がなされました。 加えて,実際に赤ちゃんに触れてみる,だっこしてみる,あやしてみるなどの体験が行われました。

赤ちゃんが持っている時間に周りが合わせる貴重な体験をするとともに,将来の自分の姿を重ね合わせる生徒も多く見られました。

なお,この授業は来年度から実施する科目「くらしと安全A」の一部を先行実施したものです。

    

3年生 防災ワークショップが行われました

3年生防災ワークショップとして3つの取組が並行して行われました。いずれも外部講師を活用した先進的な取組となりました。

1 地理,総合的な学習の特別授業

静岡県立裾野高等学校の伊藤智章先生をお招きして,地理の特別授業「デジタル地図帳で マイ・ハザードマップを作ろう」が行われました。 来年度,災害科学科が新たに設置される本校生徒に,タブレット端末を使った「デジタル地図帳」を紹介し,活用方法を考えてもらう目的として行われました。 特に,ICT(情報通信技術とコミュニケーション)と地域資源を活用した新しい防災教育および地理教育教材の在り方と,被災地からの効果的な情報発信についての講義もあり, 実際に地図ソフトに新聞記事データなどを添付する実習を行いました。 パソコンで加工した地図は,タブレットで持ち歩くことができることから,震災を記録するにとどまらず,町歩きガイドとしても活用ができます。

多数の参観者,報道関係者の方々にお越しいただきました。

2 防災図上訓練

八千代エンジニアリング株式会社の寺脇学氏による防災図上訓練が行われました。 始めに自然災害全般についての説明や,避難行動について考えなければならないことなどについてお話しをいただきました。 今回は日本での被害件数が多い豪雨災害について学びました。 図上訓練では河川の氾濫、洪水,土砂災害などを想定し,100名の住民をどのように避難させるかをグループで話し合いました。 過去の災害について知ること,どのような災害がどの規模で,時間によってどのような経過をとるのか考えて住民を避難させることは 常に意識しておき判断しなければならないことを,この訓練から学びました。 避難とは「難(災害)を避ける,逃れる知恵を持ち,自分の命を自分で守ること!」であるという考えを学びました。

防災図上訓練が行われたクラスの様子。「避難」とは何か,生徒たちも真剣に考えています。

3 大学生によるワークショップ東北学院大学の和田正春教授とその学生の方々による,防災ワークショップが行われました。 防災ワークショップでは,与えられたテーマに沿って生徒が意見を出し合います。 学生の皆さんはファシリテーターとして生徒たちの議論が深まっていくのを手助けしてくれました。

与えられたテーマ

  • 避難計画について なぜ避難は避難計画通りに進まないのか?
  • 近隣の助け合いは期待できるのか? 助け合いは期待できるのか?
  • 備えあれば憂い無し・・・ でもなぜ備えは不十分なのか。防災の知識はなぜ伝わらないのか?
  • 防災を新しい技術の力で進めたい そのために必要なことは?
  • 住民が望まない堤防が創られた 高台に土地が整備されたがそこに移転する人は少ない 望んでいることが行われないのはなぜ?

各テーマについての意見提出とグルーピング

 

グループでまとめた意見発表の様子