SSH第Ⅱ期1年次

2023年11月の記事一覧

SS地域防災活動(大型旅客船事故対応訓練)

【目的】

大型旅客船において海難が発生した場合、多数の乗客救助及び負傷者の救助搬出を実施する事態が想定され、関係機関との連携は必要不可欠であることから、本訓練を通じて各機関との連携の確認及び強化を図り、また、海難発生時における迅速かつ的確な救助能力の向上に資することを目的とする。高校生については、海上保安部の実施する訓練に参加することにより、自らの進路についてより深く考える機会とする。

【日時】令和5年10月25日(水)13:00~15:00

【場所】  仙台塩釜港仙台港区フェリー埠頭着岸中のフェリー「きたかみ」及び周辺海域

【参加者】第2学年 普通科 21名

【訓練参加機関及び船艇・航空機】

(1)参加機関(10機関)

太平洋フェリー株式会社、航空自衛隊松島救難隊、横浜税関仙台塩釜支署、宮城県、宮城県警察本部、仙台市消防局、国立病院機構仙台医療センター、東北医科薬科大学病院、仙台市立病院、石巻赤十字病院、第二管区海上保安本部、宮城海上保安部、仙台航空基地

(2)船艇・航空機

 ①船艇(3隻)

横浜税関仙台塩釜支署:監視艇「しおかぜ」、宮城海上保安部:巡視艇「うみぎり」、 巡視艇「しらはぎ」

 ②航空機(回転翼機3機)

仙台航空基地:回転翼機1機、航空自衛隊松島救難隊:回転翼機1機、仙台市消防局航空隊:回転翼1機

 【実施内容】

(1)訓練想定

令和5年10月25日(水)午後1時頃、仙台港向け宮城県金華山沖を航行中のフェリーきたかみ(以下、「きたかみ」と  いう。)船内(車両甲板内)で火災が発生して仙台港沖で漂泊、初期消火対応中、一部の乗客が避難の際パニックとなり多数の負傷者が発生したことから、118番で救助要請をした。

(2)本校生徒が参加した訓練内容

① 要救助者の捜索・一次トリアージ・応急処置

きたかみ船内で医師や看護師、きたかみ船員らに要救助者として捜索され、搬送順位決定のための一次トリアージ及び必要に応じた応急処置を受ける。※生徒個人に症状を示す「カード」が渡される。

② 要救助者誘導及び搬送

想定上きたかみ入港後、一次トリアージ及び必要な応急処置を受け、人道橋からトリアージポストのあるフェリーターミナルへ誘導または搬送される。

③ 要救助者の二次トリアージ・去就管理

関係機関により要救助者として二次トリアージを受ける。

【生徒の感想】

今回の訓練では、主に被救助者側の目線から災害時におけるリアルな救助活動の流れを学ぶことができました。張り詰めた緊張感に包まれたフェリーでの訓練は、なかなか体験できない、とても貴重な経験となりました。訓練の中で実際にトリアージを受け、今まで学んできた救助方法に囚われることなく柔軟に対応することが大事なのだと感じました。この体験で直接学んだことを今後の進路選択や学びに生かしていきたいと思います。

SS野外実習Ⅱ「栗駒・気仙沼巡検」を実施しました!

【目的】
露頭見学や試料採取に適した県内外のフィールドにおける、地学分野の観察・調査の野外実習を通して、
私たちを取り巻く地球環境を理解する。また、これまでの学習をもとに岩手宮城内陸地震や東日本大震災の
被災地を巡り考察することを通して、防災への意識付けの強化を図る。
【日程】
10 月25 日
栗原市ジオパーク(研修)→荒砥沢ダム(現地視察)→一関市祭畤大橋(現地視察)→一関ビルにて講話
10 月26 日
気仙沼市復興祈念公園(研修)→リアス・アーク美術館(見学、講話)東日本大震災遺構・伝承館(講話、見学)→宿舎にて講話・研修(過疎高齢地域における地域防災について)
10 月27 日
大谷海岸(研修、講話)→小泉海岸(研修、講話)→南三陸(震災遺構高野会館跡、南三陸町防災庁舎跡、さんさん商店街(見学、研修、講話))→南三陸ホテル観洋(ワークショップ、ファシリテーター養成講習)
【参加生徒】第2 学年 災害科学科 37 名
【講師】
東北大学学術資源研究公開センター 教授 高嶋 礼詩 氏
栗駒山麓ジオパーク推進協議会 専門員 鈴木 比奈子 氏
気仙沼市津谷小学校 教諭 阿部 正人 氏
気仙沼市リアス・アーク美術館 館長 山内 宏泰 氏
気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館 館長 芳賀 一郎 氏
南三陸ホテル観洋 第一営業次長 伊藤 俊 氏(南三陸町語り部)
宮城県防災委員会、国民保護協議会委員 吉田 千春 氏

【実施内容・評価】
生徒の振り返りから、「百聞は一見にしかず」「現地に行って見るべき」という声がとても多かった。東日本大震災の爪痕が防潮堤という形で消えている昨今、その地で被災した方々から話を伺うこと、そしてその追体験をすることが重要と考えて実施し、参加生徒も自分事として捉えることができている。
【参加生徒の感想】

岩手・宮城内陸地震の被災地を辿った。栗駒山の地滑り、荒砥沢ダム崩落地を見学し、そのスケールの大きさを実感した。栗駒ジオパークビジターセンターでの映像を見ることと先生の解説を受けることで、より理解が深まったと思う。この規模の地滑りでは大きな被害を生んでしまうと思うので、地滑りの危険性がある人口密集地を調べたい。岩手県旧祭畤大橋では地面のずれにより橋が折れてしまっていた。

大きく太い鉄骨をいとも簡単に折り、破断させてしまった現場、広範囲で地滑りしている現場を見て、自然の脅威を実感したと共に、これをどのように伝えるべきか考えるきっかけになった。