防災学習プログラム

 東日本大震災の検証や,日本・世界で起こる災害被害を調べ,防災・減災の基本知識を身に付け,自然環境との共存や人間社会の限界を理解し,東日本大震災の教訓,防災および減災に強い街づくりなどについて発信するプログラムです。このプログラムでは自治体や公共機関,大学,企業,NPOなどと連携協力しています。
 また,高校生をはじめとした全国の人々との交流を通し,自分たちが学んだことを発信していきます。

防災学習プログラム 平成28年度

東北大学災害科学国際研究所 今村文彦 所長の特別授業がありました!

 3月14日(火)災害科学科1年生を対象として東北大学災害科学国際研究所長の今村文彦先生による特別授業がありました。題材は「津波から生き抜く じぶん防災プロジェクト」です。同研究所助の佐藤翔輔先生の共著による小冊子を元にした授業でした。
 「じぶん防災プロジェクト」とは、単に読むだけの冊子ではなく,東日本大震災での経験をもう一度ふり返り,津波とは何かを知り,今度津波が襲ってきたとき,自分はどう行動するかを考える冊子となっています。この目的を達成するために,冊子は”1 東日本大震災を津波災害の視点から振り返る”,”2 津波の基本を理解する”,”3 津波から生き抜くための,できることを”いま”しよう”,という章構成と7つのワークシートからなっています。
 今村先生のシミュレーション動画を交えながらの分かりやすい講義とワークシートの作業を行う2時間でした。最後にはこの冊子に対する意見,質問,有用性などについて生徒からいくつもの発言があり、予定時間をオーバーするほどでした。

  

  

平成28年度 東日本大震災メモリアルdayを開催しました!

平成29年3月4日(土)~5日(日)本校を会場として東日本大震災メモリアルdayを開催しました。

参 加 者 :

北海道 室蘭栄高等学校(教員1名,生徒3名)
青森県 八戸北高等学校(教員4名,生徒2名)
岩手県 釜石高等学校 (教員1名,生徒2名)
福島県 磐城高等学校 (教員1名,生徒2名)
    ふたば未来学園高等学校(教員1名,生徒2名)
兵庫県 舞子高等学校 (教員1名,生徒2名)
    神戸大学附属中等教育学校 (教員2名,生徒1名)
    芦屋高等学校 (教員1名,生徒2名)
新潟県 県央工業高等学校(教員1名,生徒2名)
宮城県 石巻西高等学校(教員1名,生徒3名)
    多賀城市東豊中学校(教員2名,生徒12名)
    多賀城高等学校(教員12名,生徒22名)

開催概要:

 防災や減災に取り組む全国の中学生や高校生が,自らの活動内容や課題研究の成果などを口頭及びポスターで発表しました。また,ワークショップを通して互いの考えを意見交換しました。東日本大震災をはじめとした各地での震災の経験と教訓を後世に継承し,さらには国内・国外の防災・減災に貢献することを目的として実施したものです。

3月4日
 開会行事で宮城県教育長(鈴木洋教育監兼教育次長挨拶文代読)及び武政功復興庁宮城復興局長からご挨拶をいただきました。

  

  

 

(1) 基調講演
写真 東北大学災害科学国際研究所佐藤健教授から「DRRの実現に向けて高校生に期待すること」の講演がありました。講演では災害を数値化する自然科学的なアプローチ,地域を学ぶことが防災・減災につながるとといった社会科学的なアプローチの話をいただき,まさに防災・減災は文理融合型のアプローチが必要であることの話がありました。

 

 


(2) 口頭発表 写真 ・北海道室蘭栄高等学校 学校での防災・減災の取組に加え,通学範囲となっている絵鞆半島部の津波シミュレーションと室蘭市が作成したハザードマップとの相違や避難経路の考察などの報告がありました。

 

 


・青森県立八戸北高等学校
 総合的な学習で取り組んでいる校外学習での聞き取りからなる「人間社会と自然災害のかかわりあい」の中で,犠牲者の少なかった普代村と巨大防潮堤で有名だった宮古市田老地区との比較考察などの報告がありました。

 
・岩手県立釜石高等学校
 「助けられる人から助ける人へ」の防災活動や鵜住居地区における「津波てんでんこ」の避難行動(釜石の奇跡)がどのように行われたか,震災後の大規模被災者とそうでない被災者との意識の差,それを克服するための学習の報告がありました。

 
・福島県立磐城高等学校
 いわき市沿岸部60kmにわたる聞き取り調査と津波痕調査から作成した浸水地図とハザードマップの作成,津波に強い都市構造の提案,世界各国の津波防災意識と地形的特徴との関連の報告がありました。

・福島県立ふたば未来学園高等学校
 「産業社会と人間」で行われる「ふるさと創造学 演劇づくり」や「未来創造探究」の紹介がありました。特に,原発被害についてのドローンを用いた垂直測定,歩行調査による水平測定など科学的なアプローチで空間放射線量は問題がないという報告がありました。

・兵庫県立舞子高等学校写真
 環境防災科が取り組んでいる校外学習,国際交流,防災教育,特別支援学校交流,ボランティアといった幅広い活動の紹介がありました。特に地域との連携や熊本地震での活動などに詳しく報告がありました。また,防災・減災活動全般についての報告や阪神大震災をどのように伝えていくかという問題提起もありました。

 
・神戸大学附属中等教育学校
 仙台交流プログラムの内容と,DR3プロジェクト(震災,復興,減災,レジリエンス)についての説明がありました。減災アクションカードゲームについては地元小学校での実施報告や,神戸編の作成計画などについて報告がありました。


・兵庫県立芦屋高等学校
 シミュレーションソフトを使った住民の避難行動と津波を想定したモデルケースについての発表がありました。発災20分後には避難が間に合わず津波に巻き込まれる住民が多数発生することなどが発表されました。これらのことから,シミュレーションに伴う住民と共同した避難訓練の様子が報告されました。

 

・新潟県立新潟県央工業高等学校
 平成16年の新潟・福島豪雨での被害の様子や都市防災コースの紹介がはじめに行われた。防災活動の実際として,防災キャンプの取組として非常食体験,プロジェクトアドベンチャー,避難所体験,防災フォーラムなどの様子が報告されました。
また,防災行事の取り組みや地域住民への啓発活動,防災フォーラムの様子が報告されました。

・宮城県石巻西高等学校
 東日本大震災当時の様子や文化祭での前校長モザイクアート,モニュメント設置の話がありました。現在は震災を語り継ぐ活動や防災カレンダーの作成。防災交流ボランティア活動などについての報告がありました。

・多賀城市立東豊中学校
写真  『みやぎ防災教育副読本』,『多賀城市防災教育副読本資料』を用いた授業展開や,「命を守るマップづくり」,「地区調査」,「多賀城市総合防災訓練」などについての発表がありました。また,防災に関する詳細なアンケート調査のまとめについての報告がありました。

・宮城県多賀城高等学校
 災害科学科での野外実習などの取組の様子や生徒会が行っている波高聞き取り調査やボランティア活動,生徒間交流についての報告がありました。


(3) ポスター発表
 ポスター発表では,口頭発表で紹介された活動の様子を中心に各校からの発表がありました。口頭発表で興味の持った分野について,参加者がその詳細説明を受け,それに対しての質疑という形式で進められました。

 

  

  

  

(4) 交流会
 懇親会では,「デートゲーム」という交流ゲームを通して,参加者が他校の生徒と情報交換を行いました。それまでの発表という堅い形ではなく,それぞれの学校の様子や,今取り組んでいることなどについて情報交換を行いました。

  

  

3月5日
 ワークショップに先立ち,今村文彦東北大学災害科学国際研究所所長と和田正春東北学院大学教養学部教授にご挨拶をいただきました。

  

(1) ワークショップ
 ワークショップは中学生,高校生の混合グループ編成とし,災害が起こる「もし24時間前に戻れたなら」ということで話し合いを行いました。条件設定としては高校生の自分だけが災害が来ることを知ることができたらという共通項目の他には住んでいる場所,季節,時間をグループ毎に異なる設定としました。
 前日の交流会のせいもあってか,活発な意見交換がなされました。防災・減災について意識の高い生徒のためか,場面で起こりうる危険性やその予防方法についても細かなところまで意見が出されました。特に災害弱者と呼ばれる高齢者,身体障害者,妊婦などの避難についても配慮がなされる話し合いがもたれました。

  

  

  

  

 ワークショップに関しては,いづれの指導教員からも多賀城高校の生徒のファシリティト役についてお褒めの言葉をいただきました。ともすると散漫になりがちなワークショップのまとめについて,方向性を示しながら議論をリードしていったとのコメントをいただきました。
 また,生徒の感想では東北の復興途中の様子を聞くことができたこと,仮設住宅,復興住宅についての課題,今後起こりうる災害にどのように備えていけば良いのかだけではなく,レジリエンス・復元・復興という観点を入れた備えが不可欠であり,これらを考えることが私たちの役割であるとの意見もありました。

(2) まとめ
写真  ワークショップのまとめとして野澤令照宮城教育大学教授からコメントをいただきました。ワークショップでの視点の的確さをどのグループについても褒めていただき,さらには宮城県内で被害が少なかった事例や復興において良い事例などの紹介などもありました。地域コミュニケション力の向上や高校生,中学生が持っている力の活かしかたなどについて助言をいただきました。


(3) 被災地案内(まち歩き)
 昼食後,県外からの参加者を中心に多賀城高校生徒がガイドする被災地案内を行いました。バスの車窓から七ヶ浜町の国際村や仮設住宅,そして菖蒲田浜の防波堤などを見学しました。その後,イオン多賀城店で一行は下車し,iPadを用いた当時の映像,画像と合わせながら,波高標識を辿る「まち歩き」を行いました。
 「まち歩き」では被災直後の様子,七ヶ浜町の復興途中の様子や生活環境の変化,多賀城市の復興までの過程や復興住宅の話などについても考える内容となっていました。特に被災地を高校生自らがガイドし,単に津波の恐ろしさを伝えるのではなく,都市型津波の特徴や地理・地形的な自然科学的側面,多賀城の史跡の解説など人文・社会科学的な側面,加えて復興の過程と課題などについて携帯タブレットに入れたアーカイブを使用しながら案内する姿は未来志向の新たなタイプの語り部であると感想をいただきました。
 ゴールの多賀城駅では皆で別れを惜しみ,来年度の再会を誓って解散となりました。

  

  

【本件に関する問合せ先】
多賀城高等学校
教頭 佐々木 
Tel:022-366-1225
E-mail:
URL:http://www.tagajo-hs.myswan.ne.jp/

防災・減災コンテストで優秀賞を受賞しました!

 大船渡津波伝承館が主催する「防災・減災コンテスト」で本校の生徒会での防災活動が優秀賞に選ばれました。
 1次審査を通過した12団体が2月25日東北大学災害科学国際研究所で行われたプレゼン審査に臨みました。当日は考査期間中ということもあり,生徒が自ら発表することが難しかったために,急遽生徒会顧問の今泉教諭が津波の聞き取り調査やボランティア活動などを中心とした活動の様子について発表を行いました。その結果,「まんまるママいわて」が発表した『ママが支える一家の防災』に次ぐ優秀賞を受賞することができました。
 生徒会,ボランティアでの取組が各地で活躍する団体と肩を並べる評価をいただいたき,今後の活動の励みになりました。

  

東北工業大学新井准教授の特別授業がありました

 2月16日に東北工業大学工学部建築学科新井信幸准教授を迎え,「仮設住宅と復興コミュニティデザイン」の特別授業が行われました。1年生「くらしと安全A」の中の住環境分野で「暮らしやすさと工夫」をテーマとした分野です。
 新井先生からは仮設住宅の概要,仮設住宅のタイプ,カスタマイズやリユースについてまず話がありました。仮設住宅を一棟建てるだけでも多くの費用がかかること,最近では見なし仮設として民間の賃貸住宅を借り上げることが多くなってきていることなどが話されました。また,仮設住宅に若干の改良を加えることで使い勝手が良くなることを教えていただきました。
 また,後半は仮設住宅から復興公営住宅への移行段階でのコミュニティーのあり方でした。仮設住宅で築いた多くのサークル活動や交流活動をどのように復興住宅で引き継いでいくかという課題について話がありました。

  

橘復興副大臣が来校しました

 平成29年1月13日(金)橘復興副大臣が,宮城県の被災地自治体への訪問途中に本校へ立ち寄られました。短い時間でしたが,本校の防災・減災学習の様子を説明することができました。副大臣からは,本校が現在取り組んでいる活動の継続と発展についての応援の言葉をいただきました。また,副大臣の御地元である富山の県立高岡西高等学校と本校の交流についても橋渡しをしてくださいました。学校からは「文化祭での売上金を防災活動や復興に役立てて欲しい」との申し入れがあり,生徒会での防災・減災活動に役立てていくつもりです。
 今後,本校が行う防災・減災学習について復興庁としてもバックアップしていただくこと,機会があれば再来校したい言葉を残し,次の訪問地に向かわれました。