防災学習プログラム 平成28年度

熊本県へ! 熊本県立東稜高等学校 御船町立滝尾小学校との生徒交流

7月4,5日の2日間に渡り熊本県を訪れました。

 今回の目的は被災地にある学校と生徒間交流を行うことです。訪れたのは「熊本地震募金」で集めた義援金を寄付させて頂いた、熊本県立東稜高等学校、御船町立滝尾小学校です。

熊本県は宮城県から約1500km離れており、飛行機で約4時間かかります。7月4日は気温が33度まで上昇しました。

はじめに熊本県立東稜高等学校を訪れました。

  

 熊本地震後は避難所となり2000人の避難者を受け入れたそうです。しかし自治会との協力により避難所運営はスムーズに行われたことを教えていただきました。

  

地震の傷跡も見ることができました。今年度、授業は遅れて始まり現在も体育館を使用できない状況ですが、生徒の皆さんは元気に活動していました。

  

 生徒間交流では、生徒会長の福永君を中心とした生徒会執行部の皆さんと交流しました。はじめは緊張していた皆さんでしたが、徐々に打ち解け、防災活動やお互いの学校文化について話が盛り上がりました。

  

次に7月5日です。5日はまず、熊本城を見学しました。熊本城への立ち入りは禁止されていたので、熊本市役所の14階 展望室から被災箇所を見学しました。

  

ニュースでおなじみの箇所、「飯田丸五階櫓 いいだまるごかいやぐら」です。

激しく壊れていますが、復旧工事がはじまっていました。
熊本城の次は御船町立滝尾小学校へ向かいました。

  

現在、学校への道が崖崩れにより寸断されているため、滝尾小学校は御船中学校の敷地内に間借りして授業を行っていました。

  

滝尾小学校は全校生徒75人ほどの小さな小学校です。コミュニティーホールを段ボールで四つに仕切り、授業を行っていました。それぞれの授業の声が入り交じっていましたが、生徒は元気に授業に取り組んでいました。

  

防災をテーマにした活動では5,6年生と交流しました。皆さん、しっかりと自分の意見を発表してくれました。

  

給食もごちそうになりました。一緒に食事をすると緊張もほぐれ、児童の方からいろいろと話しかけてくれました。おかげさまで短い時間でしたが、すっかり打ち解けることができました。
被災地の皆さんは、厳しい環境の中でもしっかりと部活や勉強に取り組んでいました。私たちの義援金が少しでも力になればと思いました。

 今後も生徒会の活動として様々な被災地支援を行っていきたいと思います。応援よろしくお願いします。 (写真は募金活動に参加した生徒会執行部とボランティ同好会の皆さんです。)

生徒感想 災害科学科 長谷まりん

 7月4日、5日と熊本を訪問して2つ印象に残ったことがあります。まず1つ目は、熊本地震も現地の人にとっては「予期せぬ」災害であったことです。自分の住む場所で震災が起きるとはあまり考えず、地震に対する備えや、心の準備が十分でなかったというお話が印象的でした。現在日本では、どの地域でも地震が起こりうる状況ですので、耐震工事を含めた災害に対する備えを地域格差のないように行っていく必要性を感じました。
 2つ目は被災地の子どもたちの変化です。滝尾小学校の先生が「児童たちがイライラしやすくなった」と教えてくださいました。東日本大震災の時私は小学4年生でしたが、大きな不安を感じ、同じようにイライラして落ち着かなかったことを覚えています。被災地の子どもたちには心のケアが必要だと実感しました。
 二日間の交流で、被災地の高校生と意見を交換し、小学生と触れあうことで元気をもらいことができました。 今後も防災をテーマに自分に何ができるか学んでいきたいと思います。

平成28年度3学年防災ワークショップ

 5月30日(月)の5,6校時,3学年の生徒を対象とした防災ワークショップが開催されました。今年度は,二つのグループに分かれて実施されました。一つは「社会支援ワークショップ」,もう一つは「防災図上訓練」でした。
 「社会支援ワークショップ」では,株式会社アソボットから本谷忠大氏を講師にお招きし,3年1組から5組の生徒を対象に,武道場でアソボットの事業内容説明と今回のワークショップの概要の説明をいただきました。今回のワークショップでは,まず,様々な支援活動を行っている団体が記載されている『Hello Life!』という冊子を読み,その後,その冊子を読んで,自分が支援したいと思う団体を選び,その支援活動基金としてメッセージを添えてSocial Passとして500円分を寄付するということが説明されました。この500円は,社会貢献のためとして集められた募金が,高校生に様々な支援活動を行っている団体について知ってもらい,支援に関わる一歩を踏み出してほしいという願いから提供されたものでした。生徒たちは各教室に移動した後,熱心に冊子を読み,支援金と一緒に送るメッセージカードに,自分が選んだ団体に対する気持ちを書き込んでいました。
 もう一つのワークショップは「防災図上訓練」でした。こちらは株式会社八千代エンジニアリングから 寺脇 学氏と籠田純士氏を講師にお迎えして実施されました。まず,3年6組と7組の生徒を対象に,視聴覚室で「大規模災害(洪水・土砂)に備えて」というタイトルで講義を聴きました。今回は数百年に1度起こるかどうかという地震や津波ではなく,多賀城市近辺で発生した過去の洪水災害が紹介されるなど,より頻度が高く身近に発生する可能性がある洪水と土砂災害についての意識を高めるための講義でした。講義の後は,各教室に移動し,「防災図上訓練」を体験しました。グループを作り,模造紙に書かれた地形図を見ながら,災害が起こりそうな状況でどのような情報を収集できるのか,それをもとにどのような判断を下すのかについて考えました。生徒たちは,講師にアドバイスいただきながら,熱心に意見を交わし合い,その後,グループごとに話し合ったことを発表しました。講師の方からは,防災について大切なのは,まず知識を豊富に持つこと。そしてその地域の特性をよく把握すること。さらに時間経過に応じた答えを考えることが大切だとお話いただきました。
 これらの防災ワークショップは,生徒たちが,自分たちの命を守るだけでなく,周囲の人の命を守るために自ら考えて行動できる人材になるためのきっかけとなったようです。

防災リュック(ライフセーブリュックサック)開発者を招いての特別授業を行いました!

 平成28年6月8日(水)「くらしと安全A」の時間に,一般社団法人DSC事業部長の宮坂龍彦氏をお招きし,防災リュックについて,その開発経緯と機能を学びました。
 宮坂さんは,震災直後に東松島市の野蒜海岸付近に入り,行方不明者の捜索やボランティアに携わったそうです。その時の経験を通し,一人でも多くの命を守りたいとの思いから防災リュックの開発に至った話を聞きました。
 紹介していただいた防災リュックを身に付けることで,長時間仰向けのまま水に浮いていることが出来るそうです。災害時に目立オレンジ色のリュックの中には非常用の水や携行食も入っています。今後本校ではこのリュックの使い勝手や中身などについて考えていきたいと思います。

東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」を用いたモデル授業

 平成28年3月18日(金)本校のコンピュータールームにおいて,国立国会図書館電子情報部 諏訪康子 主任司書を講師とした特別授業がおこなわれました。
 国立国会図書館が開発した東日本大震災アーカイブ「ひなぎく」は,全国にある東日本大震災のデジタルアーカイブ(電子記録)をとりまとめたものです。宮城県図書館が作成したアーカイブ,多賀城市が作成したアーカイブ,NHKのニュース映像など様々なデータベースを検索できるシステムです。震災を後世に伝える,各地に伝える方法としての有効な手段として注目の高い仕組みです。
 授業では,アーカイブの仕組みや検索の仕方を学習し,最後にはアーカイブを用いた防災ポスターの製作を行いました。
 今後は,このデータベースを様々な授業で資料として用いるほか,課題研究などでの学習活動で活用していきたいと思います。
 
 ※「ひなぎく」
 「ひなぎく」は,国立国会図書館東日本大震災アーカイブの愛称。「ひなぎく」は、東日本大震災に関する音声・動画、写真、ウェブ情報等のデジタルデータや,関連する文献情報を一元的に検索・活用できるポータルサイト。
 政府の「復興構想7原則」や「東日本大震災からの復興の基本方針」において,地震・津波災害,原子力災害の記録・教訓の収集・保存・公開体制の整備を図り,国内外を問わず,誰もがアクセス可能な一元的に活用できる仕組みの必要性が掲げられた。東日本大震災の記録を国全体で収集・保存・公開するため,宮城県図書館など国内外の様々な機関・団体と協力し,アーカイブ構築に取り組んでいる。

  

  

平成28 年度全国防災ジュニアリーダー育成合宿2日目

合宿2日目です。

「朝の集い」で1日が始まります。

 朝食後、講義2「阪神淡路大震災を語り継ぐ」、

講義3「南海トラフ地震について」を受けました。

こちらは講義中に行われた縦波、横波の実演。

その後、多賀城高校 災害科学科の活動、学校の防災活動全般について発表をおこないました。
  

 午後は防災活動アクションプランの作成です。

 「アクションプランは1年で実現可能な計画であること」との指導を受け、各学校毎にアクションプランの作成をおこないました。


多くの生徒が「学校全体を巻き込んだ防災活動を展開したい!」と考えていた事が印象的でした。

アクションプランについて本校生徒の発表。
  

熊本県立第二高等学校から質問を受ける我らが多賀城高校生。

参加したすべての学校が発表を行いました。

どの生徒も熱心に発表を聞き、新しいアイディアを取り入れようとしていました。

次回は最終日になります。