防災学習プログラム 平成27年度

テーマ 『災害を理解する~高校生の私たちができること~ 』

基調講演(防災講話)
演題『「災害科学」超入門とその実践-災害・防災・減災ってなに?』
が行われました。
7月9日(木),東北大学災害科学国際研究所の佐藤翔輔 先生を講師にお招きし,本校体育館にて1学年を対象に防災講話が行われました。 来年度より災害科学科が開設される本校では,今年度,1学年を対象に東北大学,産業技術総合研究所,防災科学技術研究所(つくば市)との連携事業『災害を理解する~高校生の私たちができること~ 』を実施します。 この講話は,その「つくば研修」の基調講演となります。

  

はじめに「災害とは?」「防災・減災とは?」について数式やグラフを交えての説明があり,聞き慣れない難しい用語に戸惑いながらも,わかりやすい例や単語に置き換えた解説にうなずきながらメモをとる生徒たちの様子が見られました。 続いて「科学」の定義,「災害科学とは?」を詳しく説明していただき,さらに,高校生が災害に対してできること,災害時の「生きる力」などを学びました。 最後に,生徒一人ひとりが設問に答えながら,自分の「生きる力」を測る場面では,生徒の持つ力が意外にも大きな結果となり盛り上がりが見られました。

  

「乳幼児の安全とふれあい体験」の授業を実施しました。

6月30日(火)3組の赤ちゃんとそのお母さん,おばあさんをお迎えして, こどもの安全・安心を考える,命や性についての考えを深める,将来の育児に対するイメージを明確にする,ことを目的とした授業を1年生で行いました。

はじめに子育てにおいて配慮している安全の意識や,災害などについての備えなどについてお話しをいただきました。 その後,生徒から子育てにおいて大変なこと,日常生活で気をつけていることなどについての質問がなされました。 加えて,実際に赤ちゃんに触れてみる,だっこしてみる,あやしてみるなどの体験が行われました。

赤ちゃんが持っている時間に周りが合わせる貴重な体験をするとともに,将来の自分の姿を重ね合わせる生徒も多く見られました。

なお,この授業は来年度から実施する科目「くらしと安全A」の一部を先行実施したものです。

    

3年生 防災ワークショップが行われました

3年生防災ワークショップとして3つの取組が並行して行われました。いずれも外部講師を活用した先進的な取組となりました。

1 地理,総合的な学習の特別授業

静岡県立裾野高等学校の伊藤智章先生をお招きして,地理の特別授業「デジタル地図帳で マイ・ハザードマップを作ろう」が行われました。 来年度,災害科学科が新たに設置される本校生徒に,タブレット端末を使った「デジタル地図帳」を紹介し,活用方法を考えてもらう目的として行われました。 特に,ICT(情報通信技術とコミュニケーション)と地域資源を活用した新しい防災教育および地理教育教材の在り方と,被災地からの効果的な情報発信についての講義もあり, 実際に地図ソフトに新聞記事データなどを添付する実習を行いました。 パソコンで加工した地図は,タブレットで持ち歩くことができることから,震災を記録するにとどまらず,町歩きガイドとしても活用ができます。

多数の参観者,報道関係者の方々にお越しいただきました。

2 防災図上訓練

八千代エンジニアリング株式会社の寺脇学氏による防災図上訓練が行われました。 始めに自然災害全般についての説明や,避難行動について考えなければならないことなどについてお話しをいただきました。 今回は日本での被害件数が多い豪雨災害について学びました。 図上訓練では河川の氾濫、洪水,土砂災害などを想定し,100名の住民をどのように避難させるかをグループで話し合いました。 過去の災害について知ること,どのような災害がどの規模で,時間によってどのような経過をとるのか考えて住民を避難させることは 常に意識しておき判断しなければならないことを,この訓練から学びました。 避難とは「難(災害)を避ける,逃れる知恵を持ち,自分の命を自分で守ること!」であるという考えを学びました。

防災図上訓練が行われたクラスの様子。「避難」とは何か,生徒たちも真剣に考えています。

3 大学生によるワークショップ東北学院大学の和田正春教授とその学生の方々による,防災ワークショップが行われました。 防災ワークショップでは,与えられたテーマに沿って生徒が意見を出し合います。 学生の皆さんはファシリテーターとして生徒たちの議論が深まっていくのを手助けしてくれました。

与えられたテーマ

  • 避難計画について なぜ避難は避難計画通りに進まないのか?
  • 近隣の助け合いは期待できるのか? 助け合いは期待できるのか?
  • 備えあれば憂い無し・・・ でもなぜ備えは不十分なのか。防災の知識はなぜ伝わらないのか?
  • 防災を新しい技術の力で進めたい そのために必要なことは?
  • 住民が望まない堤防が創られた 高台に土地が整備されたがそこに移転する人は少ない 望んでいることが行われないのはなぜ?

各テーマについての意見提出とグルーピング

 

グループでまとめた意見発表の様子