防災学習プログラム 平成27年度

保健特別授業「災害時の救護・医療活動について~日本赤十字社の活動~」

 2月10日、保健の授業の中で学習する災害時の救護活動について、東日本大震災の際、日本赤十字社はどのように活動したのかを中心に、災害時にどう行動するか、どう備えるかという内容で、本校1年生120名を対象に特別授業が行われました。
 講師は日本赤十字社の佐藤知和さんで、この日のために東京本社から来ていただきました。ご自身も岩手県大槌町出身で、祖母や友人を津波で失ったという経験なども交え講義をいただきました。
 当日はNHKも取材に訪れ、夕方のニュースで放映されました(写真)

  

全国防災ジュニアリーダー育成合宿に参加してきました

 1月14日(木)~17日(日)の3泊4日で開催された全国防災ジュニアリーダー育成合宿に,生徒会長の岩佐彩音と生徒会副会長の加藤健太が参加してきました。
 兵庫県の淡路島にある国立淡路青少年交流の家で全国の中高生と寝食を共にし,阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓を共有するとともに,防災や減災の知識を学びました。舞子高校で行われた「震災メモリアル行事」では,本校の活動を紹介するだけでなく,他校の取り組みを学ぶことができました。また,21年前に発生した阪神・淡路大震災の追悼行事「1.17のつどい」に参加し,何年経過しても忘れてはならないことを再認識し,自分のできることを改めて考える機会となりました。他にも,講義やワークショップ,各施設の見学を通して,防災ジュニアリーダーとして成長するための有意義な時間を過ごすことができました。
 【本校生徒の感想】
○岩佐 彩音(2年,生徒会長)
 私は今回初めて参加し、防災に関しての知識やリーダーとしてどうあるべきかなど、今の私に足りないことを多く学ぶことができました。今回の育成合宿を通して大きく感じたことは、全国の中高生の防災意識の高さと、自分のリーダーとしての力の無さです。兵庫県の中高生は、実際に震災を経験していないけれど、当時の様子や被害状況、体験談から学んだ教訓や防災に関する知識が豊富で、他県の中学・高校も、これから予測されている地震に対して備える取り組みをしっかりとしていました。実際に震災を経験した私たちの方が、防災意識が低くなることがあってはならないと思いました。そして、私たちの被災体験をもっと多くの人に伝えて、防災意識を共有できたらいいなと思います。また,今回の合宿では、リーダーシップのある人達の中で、積極的になれなかった自分がいて、とても悔しい思いをしたので、これからは多賀城高校生徒会長として恥じない行動をしていきたいと思います。

○加藤 健太(1年,生徒会副会長)
 私は、今回の全国防災ジュニアリーダー育成合宿に参加して、全国の中高生が行う防災への取り組みに関する発表や講義を通じて、防災への意識を深めたり考え方を広めたりすることができました。私が「防災」と聞いて頭に浮かぶのは、東日本大震災に直面したことです。その時はまだ小学生だった私は、ただ恐怖に怯えるだけで、学校の先生や家族に助けられるばかりでした。でも、高校生となった今、今度は助ける立場になりたいと考えています。直接体験したからこそ、それらを後世に語り継ぎ、次に同様の災害が起きた時に犠牲者を少しでも減らせるよう努めるというのが私たちの使命であると考えます。今回の経験を踏まえて、私たち多賀城高校では、他校との交流の中で得た本校でも取り組めそうな活動を導入し、災害の風化を防ぐ取り組みや、地域の小中学校への出前授業を行うなどし、地域の輪を広げていきたいです。


学校の取り組みを発表する様子


ワークショップでの様子


1.17のつどいの様子

家庭基礎で「災害時の食事」を実施しました!

 平成28年1月18日(月) ,岩手県立総合教育センターの支援指導部 川地 里美 研修指導主事をお迎えして家庭基礎特別授業「災害時の食事」についてを行いました。
 川地先生は,ご自身の被災体験や岩手県の様子などの話をまじえながら,災害時の栄養摂取の在り方を考えながら,どのように献立を考えていくかというお話と実習がありました。避難生活で配給される食品は炭水化物に偏りがちなこと,家庭の中になる備蓄食料はどんなものがあるかを調べること,これらを使って,最小限の熱と水でどのようにバランスを考えながら食事を食っていくかを考える内容でした。この授業を通し,自分や家族の健康を大切にし,安全(防災・減災)についての改めて考えるきっかけとなりました。震災の時の記憶を風化させないためにも,このような試みを続けて行ければと思います。

  

東北学院大学「避難シミュレーション」協力授業に参加しました。

11月21日(土)に東北学院大学・土樋キャンパスで行われた「避難シミュレーション」ワークショップに、本校有志生徒の1年生38名が参加してきました。

これは、COC事業の一環として行っている東北学院大学の「平成27年度東北学院大学学長研究助成金事業(研究者代表・志子田有光工学部教授)」がタイアップして実施するもので、 「避難シミュレーション」のほか、基調講演も行われました。

まずは、教養学部地域構想学科の松本秀明教授(地理学分野)による基調講演が行われ、縄文時代から現代までの数千年単位での 地域の自然環境の変化とそのメカニズムを理解することの大切さについて教えていただきました。 また、同研究室がNHKの「ブラタモリ」に出演した様子などが紹介されました。

次に、災害時の避難行動の特性に関する研究を行っている工学部電子工学科の学生の発表があり、ひき続き定められた条件下に基づき実際に避難するという「避難シミュレーション」に取り組みました。 これは、避難に要した時間や行動などの様々なデータを収集し、その分析や検証を行い今後の避難態勢を考えていく研究に役立てるものとなります。

  

  

多賀城市総合防災訓練に防災委員が参加

11月8日(日)に多賀城市内で広域に行われた「多賀城市総合防災訓練」に今年も本校生徒が参加してきました。 あいにくの雨天で肌寒い中、多賀城中学校と多賀城第二中学校,多賀城駅周辺にわかれ、主に「災害状況伝達訓練」を行いました。 これは、災害用のスマートフォンを使い、安否確認・災害状況の伝達・被災現場の写真送信と様々な情報を災害本部とやりとりし、 より正確な情報に基づき避難や救助に役立てるもので、有志が参加した本校防災委員一人ひとりがスマホを片手に、それぞれの想定の状況で訓練に参加しました。

プレートにGPS情報を貼る作業(多賀城駅周辺)↓


↑スマホで想定した災害状況を送る様子(多賀城中)

また、多賀城駅周辺の訓練に参加した生徒は、この「災害状況伝達訓練」のほかに、GPS表示機能のあるリストウォッチを装着し、 「津波波高表示プレート」のある場所をGPSで検索し、その場所を地図に上に表示していく作業(「UTMグリット地図)にも取り組みました。 今後もより汎用性の高い「津波波高表示プレート」にしていこうと、参加した生徒は雨に濡れながらも作業に取り組みました。

【生徒の感想】1年 佐藤きらら さん

今回の防災訓練では、津波波高プレートにその場所をGPSの数字で示す「UTMグリッドコード」と呼ばれる番号のシールを貼ったので、 実際に災害が起こったり、何かあったときに役立てばいいなと思います。 また、災害用の試作アプリが入ったスマホも使いました。 まだ開発途中ということでしたが、今回自分たちが試しに使ってみることにより、いろいろな意見を取り入れて、 もっとよい機能になり、多くの人の命を救うことにつながればいいなと思いました。

多賀城市の総合防災訓練に参加するのは初めてでしたが、とても充実した訓練にすることができてよかったです。 また、天候は悪かったのですが、災害はいつどのようなときに起こるか分からないので、訓練には適した天候だったのかなと思いました。 今回のような訓練にも今度進んで参加していきたいと思いました。